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「小説」はなんとなく堅苦しい。
もっと気軽に、じゆうな感性で楽しんでほしい。
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JUGEMテーマ:ものがたり    倍率三十倍のルーペ眼鏡をかけて、私は手元のロケットを覗き込む。それがどこからやってきたのかを私は知らない。この惑星の外側からやってきたことは確かだけれど、それが最も近い恒星系からなのか、それとも銀河の中心からなのか、あるいは別の銀河からなのか、もしかしたら別の平行世界からなのか、何にしても私には知りようがない。ただの墓泥棒の私には。  墓泥棒と言っても、私は司法機関に追われているわけではない。国家公認の組織の下請けとして墓を暴いているのだから。それ...

pale asymmetry | 2020.03.08 Sun 21:35

隻羽の綺蝶

JUGEMテーマ:ものがたり    片羽のない蝶は痛みを抱えていた。それは千切れた羽の傷口に宿る痛みではない。片羽を失ったことによる、底のない不安が身体の内側をガリガリと削る痛みだった。その痛みは、何故か強い眠気を蝶にもたらす。だから蝶は常に、自分が何の途中にいるのか解らなくなっていた。実は途中などではなくとっくに到達しているのかもしれなかったが、それも解らなかった。残された片羽で蝶は宙をもがき、そこに渦を巻く世界の吐息を掴み取ろうとしていたけれど、フワフワとした思考の中で痛みだけが跳...

pale asymmetry | 2020.03.07 Sat 20:34

冬と春の扉の祭り

JUGEMテーマ:ものがたり    移動遊園地の明かりが消えたら、それは祭りの終わりの合図だ。遊園地で時を忘れていた人たちも、サーカスのテントで現を忘れていた人たちも、皆街の広場に集まる。ぞろぞろと歩くその姿は死人のようにも見えるけれど、実際には蘇った者たちと表現する方が正確だろう。この祭りにおいては。長い冬を眠り続けた人たちが、その終わりの扉、春へと繋がる扉を開くためにこの祭りはあるのだから。私もまたその一人。気怠い身体を引きずるように、回転木馬にまたがった一人。氾濫する色彩に溺れな...

pale asymmetry | 2020.02.27 Thu 22:08

箪笥に雛

JUGEMテーマ:ものがたり    数日、暖かな日が続いた。東からの風が雲を吹き払い、澄んだ青空に陽光が溢れる日が。それは夜も同じで、満天の星たちがはしゃぐように瞬いた。そんな昼と夜が、雨水の翌日から続いた。雲のない冬の夜には大地の熱が際限なく昇天するそうで、連日朝の冷え込みだけは厳しかった。それでも空の向こうの世界を身近に感じるような晴天の早朝に、縁側で朝食を取ることが愉しくて、私はたっぷりと着込んで毎朝縁側に出た。  その日もいつものように縁側に出ると、庭の真ん中に奇妙なものが居...

pale asymmetry | 2020.02.24 Mon 21:08

黒い穴、銀の渦

JUGEMテーマ:ものがたり    その雑居ビルは、明日取り壊される予定だった。けれどその予定が本当に実行されるかは、今のところ確かではない。というのも、これまでこのビルは三度解体日を迎えていたのだけれど、そのたびに中止せざる終えなかったのだ。何と表現したらいいのかよく解らない存在に妨害されて。それは所謂怪異の類いだ。簡単に言うとそうなる。言うのは簡単だけど、処理は簡単ではない。そういうものを処理してくれる業者というものは、一般的に広告を出したりはしていないから。しかし蛇の道は蛇という...

pale asymmetry | 2020.02.23 Sun 21:28

カエルの軌道

JUGEMテーマ:ものがたり   「電子レンジというものを知ってますか?」  彼は大真面目な顔で私に尋ねる。何度も彼のもとを訪れ、ようやくインタビューを始めらると思ったら、逆に質問された。最初は何か哲学的なメタファーを含んだ質問なのかと思ったりもしたけれど、彼の私に向けられた真っ直ぐな眼差しからそうではないことを理解する。つまり彼は、本当に電子レンジのことを私に尋ねているのだ。 「はい、知っています」  彼は穏やかに笑い頷く。 「あれは良いものですね。最近友達から貰ったの。電子...

pale asymmetry | 2020.02.17 Mon 21:29

槍は愚直に飛び、皇帝が落下する

JUGEMテーマ:ものがたり    最初はふざけ合っていただけのことだった。長い夜の時間を持て余して、草原で仲間たちと酒を飲んでいたときのことだ。誰かが空を指差して唐突に言ったのだ。「あの星は動かないのだ」と。「何故だ?」と彼が問うと、その誰かは何度か首を傾げて「多分要なのだろうな」と答えた。「するとあの要星を槍で射貫けば、全ての星を落下させることが出来るのだろうか?」と彼が仲間を見回して尋ねると「そうに違いないだろう」と皆が一斉に頷いた。何人かが順番に立ち上がり、星に向かって槍を投げ...

pale asymmetry | 2020.02.15 Sat 21:30

Outgoing

JUGEMテーマ:ものがたり    その巨大客船は、ピラミッドのような形をしていた。ピラミッドといっても四角錐ではなく八角錐だったけれど。だから、ピラミッドよりは少し複雑な形をしていたという方が正確だろうか。客船であるのに海には浮かんでいない。何故なら海は空にあり、空が海にあるからだ。客船は空に浮かんでいた。客船の上方で海が波打っている。客船に水面を向けて。客船の下方に空が広がっている。そしてその先が大地。大地の奥に宇宙。ただし海の向こうにも宇宙が広がっていて、従って世界は宇宙に包まれ...

pale asymmetry | 2020.02.09 Sun 21:56

黒曜グリフォンとアルマンディン

JUGEMテーマ:ものがたり    黒い森は川で取り囲まれている。それは文字通り一本の川で取り囲まれているのだ。縁取りのように。その川は黒い森を横目に平然と流れ続けていて、それはとても奇妙だ。あり得ないはずの永久機関が、そこに秘されているからだ。それは偽りのはずなのに、しかし確かに存在していて、誰の目にも川は流れ続けている。その理由はただ一つで、流れ続けていれば川が淀むことがないということ。そういう風に、都市の住人には理解されている。そう、川を取り囲むように都市は広がっていて、つまりこ...

pale asymmetry | 2020.02.08 Sat 21:17

白鬼

JUGEMテーマ:ものがたり    立春に相応しい空気の案配だった。私にはそう思えた。午前中は北寄りの風だったがそんなに寒さを秘めてはいず、午後からは南寄りの風に変わりはしゃいだ感じになったりした。ちょうど仕事が休みだったので、風に誘われて散歩に出た。特に何も考えず、ただ足の向くままに歩く。それでも何かに引き寄せられたのかもしれない。しばらく歩いていると路地の片隅で、白い鬼と出会った。小さな鬼で、私のくるぶしくらいまでしかない背丈。頭からは二本の黄色い角。典型的な鬼の角だ。まあだから鬼...

pale asymmetry | 2020.02.04 Tue 21:14

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