[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] ショート・ショートのブログ記事をまとめ読み! 全1,999件の27ページ目 | JUGEMブログ

>
ショート・ショート
  • JUGEMテーマ

ブログテーマ

ユーザーテーマ

ショート・ショート

このテーマに投稿された記事:1999件 | このテーマのURL:https://jugem.jp/theme/c231/681/
ショート・ショート
このテーマについて
掌編。超短編。など、名前は様々。
一瞬を切り取って、読んでくれる人に届けたい。
このテーマの作成者
作者のブログへ:「silbe」さんのブログ
その他のテーマ:「silbe」さんが作成したテーマ一覧(1件)
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  32 >

Lunar eclipse syndrome

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「これは病のようなものだと思うの」  彼女はそう言って、ビールをグラスに注ぐ。黒ビールのはずだったけれど、少し赤みがかって見えた。それがベランダに流れ込む街の明かりのせいなのか、それともこの夜の持つ性質のせいなのか、僕には解らない。 「つまり私たちは、循環するものに敏感なのだと思う」  彼女はグラスを傾け、気持ちよさそうに喉を鳴らす。どこか吸血鬼のような横顔に見えた。ビールが赤みがかって見えるのは、僕の心持ちのせいかもしれないな。 「だ...

pale asymmetry | 2021.05.26 Wed 20:34

加速する想い、踞る想い

JUGEMテーマ:ショート・ショート    大き過ぎるダイニングテーブルの真ん中に鉱石が置かれている。テーブルの端に彼女が頬を横たわらせ、その鉱石を見つめている。黄昏時の風が、窓から控えめに漂ってくる。夜の冷ややかさより、まだ昼の名残の熱を孕んだ風だった。僕は窓辺のソファーで文庫本を読んでいた。そろそろ部屋の明かりを灯そうかと思いながら。 「ねえ、この石には私たちが見えているかしら?」  深い青灰色の鉱石を、彼女が指差す。頬はだらしなく横たわったまま。僕は文庫本から顔をあげ、鉱石を...

pale asymmetry | 2021.05.19 Wed 21:08

softly in the dusk

JUGEMテーマ:ショート・ショート    春が走り始めたので、タオル地のマットに替えた。ベッドに敷く前に陽光でたっぷりとエナジーを補充して、夕暮れ時の一歩手前に回収する。そのままベッドに纏わせ、彼女と二人で飛び込むように横たわってみた。優しい熱がマットから伝わってきて、その熱はとても爽やかで、自然と笑い出してしまう。隣で彼女も笑っている。 「この国の海は、この国の陸の十二倍あるんだって」  彼女が笑いながら、唐突に言う。 「十二倍? 面積のこと?」 「多分そうかな。でも不思議...

pale asymmetry | 2021.05.15 Sat 21:58

なにもない、かたちもない

JUGEMテーマ:ショート・ショート    強い南風はたっぷりと湿っていて、心地よかった。肌を撫でるときに適度に熱を奪ってくれたから。そうでなければ、鋭すぎる陽光に負けて、僕らは早々に散歩を切り上げていただろう。でもこの風のおかげで、僕と彼女と犬は堤防に腰を下ろしてのんびりと水面と空を眺めることが出来た。水面は細かなささくれに覆われていて、それが煌めきを撒き散らしている。とても硬質な煌めきで、陽光を冷却しているように感じる。雲は水玉模様のように連なり、流れることなくその模様を維持してい...

pale asymmetry | 2021.05.12 Wed 17:37

The cigarettes and the waning moon

JUGEMテーマ:ショート・ショート    風を感じて、目が覚めた。獣のように優雅な風だと感じた。聖なる獣ではないだろうが、揺らがぬ意志を持った獣だろう。そういう獣になら喰われてもいい。そう思いながら瞼をゆっくりと開く。東側の窓が開け放たれていた。しっかりと閉じて眠ったはずなのに。その窓から半身を乗り出すように、少女が腰掛けている。片手に灰皿を持ち、もう一方の手には火のついた煙草。彼女は夜をぼんやりと見つめながら、紫煙を吐き出した。獣が咆哮するように。  無音の咆哮が、見知らぬ紋様を...

pale asymmetry | 2021.05.08 Sat 21:01

しずくを感じる

JUGEMテーマ:ショート・ショート    夜になっても雨は降り続いていた。僕と彼女は犬を挟んで歩道を歩いていた。我が家の犬は雨が好きだ。特に控えめに降る雨が大好きだった。今夜の雨がまさにそれで、窓越しにずっと外を見つめて尻尾を振っていたので、少しだけ散歩することにしたのだ。犬は大喜びで、それを見ていると僕らの気分も少なからず弾んだ。 「雨は色を写すじゃない?」  彼女が傘ごしに夜空を見つめる。お気に入りの幾何学模様のサイケデリックな傘が、街灯のオレンジを弾いて、どこか秘密兵器のよ...

pale asymmetry | 2021.05.05 Wed 20:28

Brushed face

JUGEMテーマ:ショート・ショート    南から窓を抜けてくる風は、そちらから吹いているにしてはヒンヤリとしていた。けれど陽光は鋭かったので、その風は心地よかった。誰かが僕らのために気を利かせてくれたみたいだ。平日の休み、そして名前のない午後。僕らは窓辺で寝そべっている。彼女は水色のダックスフントを抱きしめて寝息を立てている。昼寝のときのお気に入りの抱き枕だった。僕はその隣で文庫本を開いている。本の中では旅人が、浮遊する尖塔を追いかけて俊足の黒馬を走らせていた。 「夢を見たわ」 ...

pale asymmetry | 2021.04.28 Wed 21:46

巨視的世界の午後

JUGEMテーマ:ショート・ショート    陽光は強く、風景の隅っこがハレーションしている。その陽光とせめぎ合うように、風は冷たく気品に溢れていた。正午を過ぎても風は冷たい気品を失わなかったから、その午後はゴージャスな空気に満ちていた。  海沿いの遊歩道を僕と彼女は手を繋いで歩いている。彼女は少し前を行き、自然と僕は彼女に手を引かれる。急いでいるわけではないし、目的地があるわけでもない。休日の、カテゴライズする必要のない散歩だ。つまりは散歩のための散歩と言っていいだろう。そういう意味...

pale asymmetry | 2021.04.21 Wed 20:28

Stupid morning

JUGEMテーマ:ショート・ショート    ユーキから電話がかかってきたとき、僕はちょうどアサさんとアサさんの部屋でベッドに寝転んだところだった。アサさんはバイトの先輩で、僕より四つ年上で、すごい美人で、だけどふくよかな身体で、だから最高だった。バイトの時短い髪を無理矢理束ねている姿が可愛くて好きになったんだ。そのアサさんと初めてベッドで抱き合ったときだったから、最初その電話を無視しようとしたけど、電話って珍しいから、何かいつもと違う感じがして僕はその電話を受けたんだ。 「ヒロ、シン...

pale asymmetry | 2021.04.19 Mon 21:37

Orange gear

JUGEMテーマ:ショート・ショート    僕らは砂の上に直接腰を下ろして、ネーブルオレンジを食べていた。潮が引ききったビーチは遠くまで岩場が露出していて、海との距離がかなり遠ざかっている。海は少し身を引くことによって、何かを僕らに教えているように思えた。あるいは自分勝手な理由で翻ろうとして、力を溜めているようにも見えた。陽光は雲の向こうで、ビーチを漂う光はやわらかだった。西風と混ざり合うその光は、他愛もない世界がグズグズと流れていることをシンボライズしているようだった。僕は少し眠いの...

pale asymmetry | 2021.04.14 Wed 21:51

このテーマに記事を投稿する"

< 22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  32 >

全1000件中 261 - 270 件表示 (27/100 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!