[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] ショート・ショートのブログ記事をまとめ読み! 全2,102件の29ページ目 | JUGEMブログ

>
ショート・ショート
  • JUGEMテーマ

ブログテーマ

ユーザーテーマ

ショート・ショート

このテーマに投稿された記事:2102件 | このテーマのURL:https://jugem.jp/theme/c231/681/
ショート・ショート
このテーマについて
掌編。超短編。など、名前は様々。
一瞬を切り取って、読んでくれる人に届けたい。
このテーマの作成者
作者のブログへ:「silbe」さんのブログ
その他のテーマ:「silbe」さんが作成したテーマ一覧(1件)
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 24  25  26  27  28  29  30  31  32  33  34 >

惑星を砕く人

JUGEMテーマ:ショート・ショート    砂丘に吹く風は砂の曲面に沿って波打っていた。いや、それは逆だ。風が波打ちながら撫でるから、砂の曲面が作られるのだ。とても卑猥な関係のように思える。砂丘と風の関係が。それが凝縮したのが彼女かもしれない。そんな佇まいだった。そんな立ち居振る舞いだった。長い髪は奔放に錐揉みし、それだけが独立した生物のようだ。彼女に取り憑き犯している獣のようだった。聖なる卑猥な獣のようだった。  彼女が空に手を伸ばす。二本の腕を絡ませ、天に向かわせる。その先に存在...

pale asymmetry | 2022.04.15 Fri 20:44

旅に還る人

JUGEMテーマ:ショート・ショート    仕事に出かけるために玄関の扉を開けたら、そこに大叔父が立っていた。私と目が合うと、彼は何故か控えめにピースサインをする。顔は笑ってはいなかった。かなり深刻な表情で、私を真っ直ぐに見つめている。目の前の私の顔と、記憶のなかの私の顔を比べているのかもしれない。私と会うのは久しぶりだったから。しばらく待つと、彼はようやく笑った。 「やあ」  控えめだったピースが、高く掲げられた。 「どうも」  私は軽く頭を下げる。 「これから、仕事なんで...

pale asymmetry | 2022.04.14 Thu 21:12

Flowing ray

JUGEMテーマ:ショート・ショート    小さな橋の上に、僕らはエアマットを敷いて寝そべった。傍らにはオニオンスープとコッペパン。早朝はまだ寒いし、お腹だって空くだろうから。 「風がないね」  君が囁く。風がないせいなのか、その声はすぐに川面に沈んだ。 「静かだね」  僕が囁く。その声も、川に落ちて流れていく。声にも質量はあったっけ。君に訊いてみたかったけれど、賢い問ではなさそうに思えて訊けなかった。 「夜と朝の混ざり方が濃厚だから、声が重く感じるね」  声を潜めて君が笑...

pale asymmetry | 2022.04.12 Tue 22:25

果実を拾う

JUGEMテーマ:ショート・ショート    あなたは果実を拾う。歩道に散らばった果実。ビー玉より少し大きな果実。卵のような形をしている。色は深い紫。高貴というよりは世間知らずな印象。世界はそれを歓迎していそう。そんな果実を立ち止まってあなたは拾う。親指と人差し指で摘まみ上げ、パステルブルーの空に翳す。眩しそうに目を細めているけれど、しっかりと観察出来ているのかしら。何度か首を傾げて、短く息を吹きかける。 「ようこそ。何てね」  あなたははにかみ、その小さな果実を路面に戻した。これか...

pale asymmetry | 2022.04.11 Mon 20:53

Unknown key

JUGEMテーマ:ショート・ショート    彼女を待つ間に眠ってしまった。リビングのソファーに横たわっていたはずなのに、いつの間にか床に寝そべっていた。冷たく硬い感触で目が覚めると、彼女が傍らに腰掛けていた。僕を覗き込んで笑っていた。 「お帰り」  彼女が言う。 「お帰り」  僕も言う。 「博士に会ったわよ」  どの博士かよく解らなかった。 「局所的逆転ハイブリッドの可能性について話し合ったって?」  僕は頷く、今日そのテーマでリモートミーティングしたことを思い出した。...

pale asymmetry | 2022.04.09 Sat 21:39

瑞銀

JUGEMテーマ:ショート・ショート    仕事から帰って来ると、リビングのソファーで彼女が毛布に包まって横たわっていた。 「どうしたの?」  やわらかく閉じていた目を開け、彼女は長く息を吐く。たった今まで呼吸を忘れていたかのように。 「熱があるように思えて」 「計ってみる?」  彼女は微笑み首を振る。 「熱はないの。さっき計ったら平熱だったから。でも熱があるように思えるの。そういう眠気がするの」 「熱があるような眠気?」 「そう」  僕はソファーの脇に腰を下ろし、自...

pale asymmetry | 2022.04.06 Wed 21:30

Fool\'s Stranding

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「この世界は昨日私が創造したの」  彼女が澄まし顔で言う。 「そしてその世界は、今日すでに僕が破壊してしまった」  僕も澄まし顔で返す。 「あなたが破壊したのは、きっと私の世界に擬態した誰かの世界だわ」  彼女はスパークリングウォーターのグラスに口を付ける。勢いよく傾け喉が鳴る。心地良い響きだ。世界の片隅でセキュリティーボックスのロックが解除された音みたいだ。 「それは擬態した世界だけど、その完成度はこの上なく精密で、だから最早クロ...

pale asymmetry | 2022.04.01 Fri 21:06

ナイフを挿す

JUGEMテーマ:ショート・ショート    右耳の奥が痛い。正確には痛痒い。頭を振るとざらざらと音がする。いつからだろう? ついさっきからか、今朝からか、生まれてからずっとか。どれも当てはまるような気がするし、どれでも良いような気もする。どれであったとしても現状は変わらないし、対処の方法も変わらない。  頭を右に傾け、耳の上を掌で叩く。耳の奥で何かが揺れるのが解る。蠢いているような感じもするし、舞い踊っているような感じもする。もっと強く叩く。耳から小さな何かが飛び出て床に落ちた。膝を...

pale asymmetry | 2022.03.31 Thu 21:12

Vase for burning flowers

JUGEMテーマ:ショート・ショート    リビングのソファーでうつらうつらとしながら休日を過ごす。読みかけていた文庫本の続きを開いたけれど、それはすぐに胸の上に被さることになった。半覚醒の心地良い時間を漂う。朝なのか昼なのか、午前なのか午後なのか、よく解らなくなりどうでも良くなる。 「ねえ、起きて」  彼女が優しく僕の肩を揺する。 「エスプレッソをいれたよ」  上手く目が開かないまま上体を起こし、胸の文庫本が床に落ちる。その音が意外に大きく響き、この部屋は今平和が満ちているの...

pale asymmetry | 2022.03.25 Fri 21:16

B pencil and pangolin

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「ねえ、戻ってきて」  指先で頬をつつかれる感触で目が覚める。いつの間にかリビングのソファーで眠っていたらしい。休日を利用して古いサイファイムービーを見てる途中で。この映画は何度見ても途中で眠ってしまう。哲学的すぎるのだ。 「ねえ、見て」  横たわったままの僕の鼻先に、彼女が差し出したのは何本かの鉛筆だった。鉛筆を見るのは久しぶりだ。鉛筆が必要な機会がなかったからだ。僕の日常は鉛筆というものから距離があるスタイルなんだろう。 「これね、...

pale asymmetry | 2022.03.17 Thu 21:44

このテーマに記事を投稿する"

< 24  25  26  27  28  29  30  31  32  33  34 >

全1000件中 281 - 290 件表示 (29/100 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!