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掌編。超短編。など、名前は様々。
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Sunset picnic

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「綺麗ね。今日は空気が澄んでいるのかしら?」  水平線に近づく太陽に彼女が目を向けている。確かに綺麗な夕日だった。茜の裾が水平線を撫でるように広がっている。 「何色と言えば良いのかしら、この太陽は」 「銀朱かな」  僕の言葉に彼女は僅かに首を傾げた。僕らは堤防の上に並んで腰掛け、生クリームたっぷりのパンケーキを食べていた。風はなく、空気もそんなに冷たくはなかったけれど、師走の気分を高めるために熱々のミルクティーも用意していた。 「私、...

pale asymmetry | 2021.12.11 Sat 20:40

同じ夜

JUGEMテーマ:ショート・ショート    流星だ。月も星も見えない空に、流星が二筋流れた。黒い川を流れる宝石のように、全ての変数をゼロに回帰させるように、あるいは全ての変数を無限大に無効分散させるように。そして僕は叫んでいた。見知らぬ言語で叫んでいた。 「大丈夫?」  妻の声。僕の肩を揺さぶる手。目を開ける。部屋は明るかった。僕は横たわっていて、妻は上半身を起こして僕を覗き込んでいる。僕らはベッドで並んでいる。いつもの夜だ。ありふれた夜だ。 「うなされてたよ」 「そう」  ...

pale asymmetry | 2021.12.06 Mon 21:35

Wind color, skin color

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「風には色があるのよ」  風がやって来る北の方角に顔を向けて、少し顎を反らせて彼女が言う。冷たい風に挑んでいる気分なのかもしれない。 「でも、風は透明なのよ」  意味ありげに彼女は笑う。僕らは風に向かって歩いている。右側には片側二車線の国道、左側には海。歩道は真っ直ぐに北へと延びている。バス停が見える。そのすぐ海側にビーチが広がっている。太陽は十分に傾いていたから、何人かの人がそのビーチに腰を下ろしていた。 「風はね、肌を撫でたときにだ...

pale asymmetry | 2021.12.05 Sun 21:03

あや

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「あなた、綺麗という言葉が好きよね?」  彼女が唐突に言う。濡れた髪をタオルで掻き混ぜながら、ベッドに歩いてくる。僕は読んでいた文庫本から顔を上げる。 「そうかな?」  彼女は僕の傍らに滑り込み、僕の方に顔を向けて横たわる。シトラスの香りがした。 「そうよ。美しいという言葉よりも、綺麗という形容詞を使うわ。むしろ美しいという形容詞は全く使わないんじゃないかな」  僕は文庫本を閉じ、考えてみる。 「どうだろう。そうかもね」 「どうし...

pale asymmetry | 2021.11.28 Sun 21:37

Various inputs

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「そういえば今日一緒に仕事したスタッフの一人がね、ユニークな子だったの」  夕食の後、僕と彼女はアイスミルクティーを飲んでいた。食器洗いを効率化するために一つのカップに交互に口を付けて飲むことにしようと提案した彼女に、僕がユニークなアイデアだねと言ったら、それが彼女の記憶を刺激したらしかった。 「どんな風に?」 「その子はね、世界が三角で出来ているように感じるんだって」 「三角? 三角だけでってこと? どんなイメージなの?」 「何とい...

pale asymmetry | 2021.11.24 Wed 21:21

The invader\'s garden

JUGEMテーマ:ショート・ショート    小さな庭だった。卓球台をなんとか置くことができるくらいのサイズ。でもそれを入れてしまえば人が入る余裕はもうない。だから卓球は出来ないな。とそんなことを考えながら、私は庭を見つめていた。 「手首を痛めてしまってね」  隣に座る祖父が右手を翳す。手首に包帯が巻かれていた。 「それで困ってしまって、君を呼んでしまったんだ」  祖父の加えている煙草から紫煙が真っ直ぐに昇っていく。甘い香りのする煙だった。庭に面した縁側に、私と祖父は並んで座って...

pale asymmetry | 2021.11.20 Sat 18:31

Wave stone

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「これがそうだよ」  甥っ子が見せてくれたのは彼の掌よりも二回りほど小さい楕円の石だった。少し青みがかった表面が滑らかな石で、上品な印象の石だった。 「どうやって解るんだい?」  僕が問うと、甥っ子は川原を走り出す。複雑にジグザグに走り、ときどき跳躍する。両手を飛行機のように伸ばしているから、彼は走っているのではなく飛んでいるのかもしれない。 「まあ、こんな感じかな」  戻ってきた甥っ子は息を弾ませている。汗はかいていないけれど、午後...

pale asymmetry | 2021.11.14 Sun 20:35

non-Intelligent moon

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「ストーリーか、ストリートか、あるいは両方が私には足りないのかもしれないわ」  呟いた妹の表情は真剣だったから、それは言葉遊びではなく、彼女の正確な思考だったのだろう。 「でもこういうのって、補えるものではないと思うの。足りないのなら、その状況は変えられなくて、そのままで進むしかないと思うの」  私は寒かった。午後の風は北から吹いていた。歩道に面したテーブルはその風の硬い頬ずりにずっと晒されていた。暖かなラテでは、その頬ずりをはねのけるこ...

pale asymmetry | 2021.11.12 Fri 21:10

厭う者、厭わぬ者

JUGEMテーマ:ショート・ショート    ダイニングテーブルで彼女が鏡を見つめている。その左頬に赤いサインペンで斜めに直線が引かれている。そのラインを、彼女はじっと見つめている。 「ただいま」 「おかえり」  僕に返事をするときも、鏡を見つめたままだった。泣いているような気がした。涙は流れていなかったけれど。 「どうしたの?」  彼女はようやく顔を上げ、隣の椅子を指差す。僕はその椅子に腰を下ろした。 「今日ね、仕事帰りの駅のホームで女の子が顔を切られたの。セーラー服の女の...

pale asymmetry | 2021.11.10 Wed 21:14

Sacrifice and bouquet

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「フフフ」  背後のソファーから微かな笑い声が聞こえてきて、僕は文庫本から顔を上げる。背中をだらしなくソファーに預けて、両脚はラグに投げ出して読書していたのだ。振り返ったソファーの上には彼女が横たわっている。微笑みながら、やわらかな寝息を立ている。次の瞬間、全身を鋭く歪ませて目を開けた。 「お帰り。笑っていたよ」 「そう。夢を見ていたの」 「どんな夢?」 「私は生け贄だった」 「生け贄? では君は夢の中で死んでしまったの?」 「い...

pale asymmetry | 2021.11.04 Thu 21:28

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