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掌編。超短編。など、名前は様々。
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眼球の園

JUGEMテーマ:ショート・ショート    すれ違った少女は、僕の妹にとてもよく似ていた。でも髪の色が違う。唇の色が違う。そして見たことのない服装だ。でも、その少女は妹だと確信出来た。足運びが、そして歩くときのお尻の揺らし方の癖が妹と相似だったから。だから僕はその少女を追い、その肩に手をかける。 「どこに行くの?」  少女は振り返り、僕を覗き込んで首を傾げる。その瞬間自信がなくなった。やっぱり妹ではなかったかもしれないと思えた。少女が歩みを止め、お尻の揺れも止まってしまったから、僕...

pale asymmetry | 2021.09.24 Fri 21:01

Earlobe pain

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「唐突に、身体のある場所が痛くなったりしない?」  仕事から帰ると、彼女が真っ先にそう問い掛けてきた。キッチンで鍋を煮立てる手を止めて、僕を覗き込む。僕は鍋を覗き込む。化学実験のようなその鍋の表層からは、けれど甘い香りが過剰に放出されている。ジャムだった。マルベリーのジャムだった。かなり前に二人で摘んできて、冷凍庫に眠っていたものだろう。 「原因が解らないのに、はっきりと痛みを感じたりすること」 「あるよ。今もそう」  僕は左手を彼女に...

pale asymmetry | 2021.09.15 Wed 21:24

Inside out castle

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「ねえ、見てみて」  彼女が差し出したタブレット端末では、城の画像が回転していた。3Dの画像で、時々一部が拡大されたりしている。西洋風の城だったけれど、遙かな未来の城のように見えた。あるいは、遠く離れた別の銀河の城のようにも見えた。もちろんその城は、見知らぬ知性体によって構築されているのだ。 「これって、ある人のストレージなんだって」 「ストレージ? 倉庫なの?」 「違う違う、記憶媒体としてのストレージ。USBやSDみたいな」  僕はモニタ...

pale asymmetry | 2021.09.11 Sat 21:17

サーカス装置

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「これ、何に見える?」  甥っ子が差し出したのは、歯車の塊だった。オーブントースターくらいのサイズの、無数の歯車の組み合わさりだった。複雑に噛み合う歯車たちは、おそらくスイッチをオンにすれば回り出すのだろう。甥っ子はその装置のような歯車塊をテーブルの上に置いて、僕を見つめる。 「どんな感じがする?」  甥っ子は小学校の新学期が始まり、その初日を終えた帰りに僕の家に寄ったらしかった。だからたぶんこの歯車の塊は自由工作か何かなのだろう。それは...

pale asymmetry | 2021.09.06 Mon 21:35

September intercept

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「セプテンバーとインターセプトは似ているわ」  彼女がタブレットから顔を上げて呟く。 「響きが? 意味が?」  僕は文庫本に目を落としたまま訊いてみる。 「両方、あるいはそれ以上」  きっぱりと言い切って、彼女はクーラーボックスから取り出したアールグレイのボトルに口を付ける。午後はその裾を伸ばしきっていたけれど、空気は暑い粒子を跳ね回らせている。いや逆か。粒子が激しく跳ね回り、夏の後ろ髪をがっちりと握りしめている。僕らはそれを愉しんで...

pale asymmetry | 2021.09.02 Thu 21:01

時間だけの都市と魔法使い

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「昨日、あるアーティストMVを見たんだ」  夕食の後、ベランダで涼んでいるとき彼が独り言のように言った。小さな丸椅子を並べて座り、私たちは月を眺めながらワインを飲んでいた。渋みと甘味が群舞するような風味のワインだった。 「そのMVは、どこかの都市の映像だった。たぶん架空の都市。時代は現在かな。低空飛行するドローンカメラで撮影されたようなアングルだった」 「カラフルな都市だった?」 「うん、とても」 「じゃあ、私も見たことあるかも」 「そ...

pale asymmetry | 2021.08.30 Mon 21:01

Sheep, fire and giants

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「大きな羊が掲げられていたの」  彼女はエスプレッソを一口飲んで、澄まし顔で言う。 「捧げられていたのかもしれない」 「誰に、いや何者に」  僕もエスプレッソを一口飲み、その苦みを身体に行き渡らせる。 「さあ、何かしら。神に似たもの、神的なものかな」 「神様そのものじゃなくて?」 「そうね、そのものじゃないわ。神的な事象、神的な装置、神的なルーブ・ゴールド・バーグ・マシン。そんな感じね」  僕らはエアコンのフル稼働するダイニング...

pale asymmetry | 2021.08.25 Wed 19:59

孤独な首長竜の午後

JUGEMテーマ:ショート・ショート   「首長竜の夢を見ましたのよ」  カウチで眠っていた祖母が、目覚めてすぐにそう口にした。 「瑠璃色の海で、滑るように泳いでいましたの」  僕はテーブルにカップを並べる。時刻はちょうど三時になるところだった。 「ミルクティーはいかがですか?」  祖母は頷き、カウチに沈んでいた姿勢を正す。 「首長竜は、寂しそうだった。独りぼっちで泳いでいたせいでしょうね」  遠くを見つめる眼差しで、祖母は首を傾げる。 「でもどうしてかしら、孤独を持て...

pale asymmetry | 2021.08.22 Sun 21:20

full for the wind

JUGEMテーマ:ショート・ショート    彼女は無言のままドライブし続けた。海沿いの道は、ゆるやかなカーブが続く。時々トンネルがアクセントのように現れ、それを抜けたときに僕たちは海を再発見する。それはまるで、生命は海から来たのだと何度も教えられているようだった。誰が僕らにそれを教えているのだろう。誰でもない、何者でもない、ただ海があるだけだ。僕らは母から生まれたのであって、海から生まれたわけではない。それでも意味を考えてしまうのは、無闇矢鱈と考えてしまうのは、会話がないからだろう。 ...

pale asymmetry | 2021.08.20 Fri 19:49

小さなボタンを踏んづけないように

JUGEMテーマ:ショート・ショート    雨は、終末を告げるように降っていた。でも、終末なんてないことを僕らは知っている。だから、僕と甥っ子は傘をさして、いつものように散歩に出かけた。雨が苦手な小型のミックス犬は留守番をしている。今頃は夢の中で、獲物と戯れているかもしれない。あの犬は、決してハンターではないから。 「669」  数字をリズミカルに唱えながら、小学生の甥っ子は跳ね歩く。その度に傘が揺れて、僕の下半身に雫がかかる。 「772」  甥っ子は時々立ち止まり、傘を傾けて空を見...

pale asymmetry | 2021.08.18 Wed 21:32

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