[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

JUGEMテーマ:ショート・ショート 魂をより戻す行事ごとが夏に多いのは何故だろう。そこにどんな意味があるのだろう。私には解らない。夏の夜に、多くの人が魂の気配を身近に感じ取りやすいのだろうか。私にはよく解らない。私はそうは思わないから。むしろ真逆で、私は冬にこそ、それも真冬にこそ感じたりするのだ。魂の気配を、身近に。風は何もかもを切り裂くほどに鋭くて、空気は全ての色を奪い取るほどに冷えていて、そして時間が後退しながら沈んでいくように感じられる真冬に。 火を熾すのはの大変だっ...
pale asymmetry | 2020.02.18 Tue 22:09
JUGEMテーマ:ショート・ショート 『怪獣だ。街路には怪獣がのっしのっしと歩いているよ。霧雨よりは少しだけ大きな雨粒たちが、風に躍らされてウインドウの全面に張り付いているから、その姿の詳細はよく見えないな。けれど街は確実に蹂躙されている、と僕には思えてならない。コーヒーを飲みながらその光景を長閑に眺めているのは、雨も寒さも嫌いだからだ。そう、もう寒くなってきている。どんどんと寒くなっていくんだそうだ。憂鬱になるよ。けど怪獣は、僕の憂鬱を踏み潰してはくれない』 送信。 既読...
pale asymmetry | 2020.02.16 Sun 21:59
JUGEMテーマ:ショート・ショート 「あっ、唇に花飾りがついてるよ」 ベッドから半覚醒を抱えたままキッチンに行くと、僕の顔を覗き込んで彼女が笑う。 「花飾り?」 彼女は僕の唇の左端を指差す。僕は指先でその辺りに触れる。少し硬い違和感があった。 「ああ、熱の花だね」 そういえば最近疲れが溜まっていたな、とか思ってみる。 「気が付かなかったけれど、熱があったのかも」 「だね。朝食は消化にいいものにしようね」 そう言いながら、彼女がダイニングテーブルにエスプレッ...
pale asymmetry | 2020.02.14 Fri 21:08
JUGEMテーマ:ショート・ショート ==オリジナルのショートストーリーを掲載しています。== 1.なんでもしてあげる 2.足の小指を打つ感じ 3.美しき人 4.暴走 5.オモいデのサクラ 6.百鬼夜行
The Blog of Azuma | 2020.02.14 Fri 10:24
JUGEMテーマ:ショート・ショート 磨りガラスの向こうから、月の明かりが忍び込んでくる。赤い月光だった。痛みを抱えた月光に思えた。それは私が痛みを抱えているからかしら。それとも世界中が痛みを抱えていて、それが当たり前のことになっているからかしら。寝返りを打って、私の二つのブルカを押しつぶしてみる。この反発は水かしら。私は二つの海を抱えているのかしら。そんなに大きなブルカじゃないな。せいぜい湖。それとも井戸かな。 また寝返りを打って、ブルカを月光に晒す。二つの膨らみを両手で波...
pale asymmetry | 2020.02.13 Thu 21:22
JUGEMテーマ:ショート・ショート 錆び付いた錠前は、もう破壊するしかなかった。たぶんそうだろうと思って、持ってきた工具箱を開ける。パドロックの逆さU字のツルをワイヤーカッターで切断する。それは本当の植物の蔓のように脆かった。いや、それ以上に脆かったかもしれない。生命でないものは、生命のような長尺の時間軸を持てないものなのだと実感した。 木製の大きな引き戸は、恐ろしく鈍重で軋む叫びを上げて激しく悶えるけれど、一向に動かない。渾身の力を込めてレールに近い辺りを蹴り上げ、なんと...
pale asymmetry | 2020.02.10 Mon 20:49
JUGEMテーマ:ショート・ショート 僕たちは黙って巻き寿司を食べている。今年の方位角である255度の方角を向いて。何を願って食べたら良いのかよく解らなかったので、取り敢えず健康を願っておく。一気に食べて隣を見ると、彼女はまだもぐもぐしている。何を考えているのだろう。大きく目を見開いている。話しかけたい気持ちをぐっと抑えながら、その横顔を眺めていた。やがて彼女が食べ終わり、僕に顔を向ける。 「じっと見てるから、笑っちゃいそうになったじゃない」 そう言って笑う。 「何を願った...
pale asymmetry | 2020.02.03 Mon 21:13
JUGEMテーマ:ショート・ショート 七柱の高い塔に取り囲まれた街だった。七柱の神が守護する街でも会った。それぞれの塔は地上からの高さと同じだけ地下にも伸びていて、だから七柱のデーモンが守護する街でもあった。どうしてあたしはそんなことを知っているのだろう。きっと誰かから聞いたのだ。誰からだったかしら。ああ、多分ロボットの誰かだ。この街には、たくさんのロボットが住んでいる。この街は彼らのための街なのだ。とても手が長いロボットで、両手は立っていても普通に地面に届く長さをしている。それ...
pale asymmetry | 2020.02.02 Sun 21:30
JUGEMテーマ:ショート・ショート 七つ年下の妹は、宝石だった。宝石だったから、常に彼女の枕元には宝石箱が置かれていた。その箱はもともとオルゴールだったけれど、今はその能力を失っている。トレードオフで、宝石箱の機能を手に入れたのだ。その宝石箱を置いたのは、誰だったかしら。母だったかしら、それとも祖母だったかしら、あるいは曾祖母だったかもしれない。祖母も曾祖母も私が生まれる前にすでにこの世界から去っているから、もし祖母か曾祖母がその箱を置いたのならば、それは私が生まれる前のことに...
pale asymmetry | 2020.02.01 Sat 20:38
『プリンセス・ティレイサ』1はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』2はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』3はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』4はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』5はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』6はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』7はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』8はこちら。 『プリンセス・ティレイサ』9はこちら。 プリン...
チームSECHS! | 2020.02.01 Sat 09:42
全1000件中 511 - 520 件表示 (52/100 ページ)