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天才・裕幸のブログ | 2023.03.28 Tue 12:10
そう考えると、もちろんかたちになる事の緻密さや正確さは重要ですが、それよりも何よりも先駆けてある「想い」というものが重要なことは自明のことだと思います。コンセプトをどう立てていくかということなのですが、住まいの間取り一つとっても、どんな想いで私たちが取り組むかは、その住まいが形としてリアルに存在する限り少なからず影響し続けるわけで、私が叶っているという意味ではなく、本来大前提として住まい手の暮らしを想像し、その暮らしが現状よりも少しでも改善して良いものになり、ひいては住まい手が幸福になるこ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.28 Tue 07:20
私たち人間が、その能力で巧みに成していく崇高な仕事として「創造」というものがあるのだと思います。そこに存在しえない湯よう形なものを、現実よりも先に自らの脳内に結実させて、有形な存在に表していくことは、人類の歴史の中で幾度となく繰り返されてきた所作ですが、そんな中でも建築というものは自分の体よりも大きな、自分の体がその中に入っていくほどの大きなリアルとして、存在します。 おそらく、その規模の存在感といい、練り上げられる要素の複雑さといい、何よりも巨大で私たちに大きく影響を与える存在なので...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.27 Mon 06:58
今回、私的な経験として生まれて初めて入院という経験をしてみて、空間が五感を通して人の心理に深く影響していることをいつもより敏感に感じることができました。何気ない日常の中でもそういうものが微に入り細に入り影響しているとすれば、住まいもまた、同じように影響を与え続けるものとして考えなければいけないなと深く深く思いました。今までも、そういう感覚でもの創りをしてきてはいるのですが、さらなる深さというか納得度というか、実体験を通して確信となった気がするのです。 私の仕事の中でも、「何だかわからな...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.26 Sun 07:02
私がいた病棟でも、どの病院でもおそらくそうなのでしょうが、空間の足りない部分を人が補っているといった感が多々ありました。認識しにくい段差には赤いテープが貼ってあり、必ず患者さんが通るたびに「そこ段差ありますから気をつけてください」と、どの看護師さんも皆言われるのです。きっと数回は踏み外すような些細な事故があったのではないかと思います。そこを人の動きで抑止している。手術の段取りも、様々な検査のプロセスも、機械的にまずここにこちら側から立って、少し前屈みにとか、固有のマニュアルがあり、看護師さ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.25 Sat 07:10
数日間の入院で、いろいろなことを考えていました。いつもは24時間めまぐるしく動いている自分が、ベッドの上にいると、いつものように五感が絶え間なくマルチタスク的に情報を処理していない分、光や風やノイズ、仕上げの質感や様々な事柄が外部から感覚にゆっくりと入ってくるので、逆にその一つ一つが研ぎ澄まされて感じせられていく感じがします。私などは検査入院でしたから気楽な方ですが、病の治癒でこのベッドの上に寝ておられる方たちはどれほど大変かと思い知らされました。 アアルトの天井をダーク色にするという発...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.24 Fri 07:02
病院といえば、私の頭に浮かぶのは、若き日に写真集やテキストで学んだフィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトのパイミオのサナトリウム。有名な話ですが、このサナトリウムの病室は光の入り方を綿密に計算して配置され、有機的な形をした名建築です。病室の天井がベッドに寝ている患者の目を刺激しないようにダーク色で仕上げていると解説に書かれているのを読んで、若き私は感動しまくったものでした。飲んべで従軍経験のあるアアルト先生は、どんなに優しい人なんだろうと思ったものでした。まだ現物を見に行く機会には恵まれて...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.23 Thu 08:05
実はこの原稿を、とある病室のベッドで書いています。三日間の検査入院でとある病院の中にいるのですが、日々の日常から全く隔離された場所にいることもほとんどないのですが、実に60年余り生きてきて、入院というものを初めてしているので(笑)いささか興奮気味なところがあります。自覚症状がある疾患があって入院したわけではなので、患者というよりはたまたま紛れ込んだ異邦人のような感覚です。笑 検査入院ですし、何事も経験と楽しむのが私の常ですから、どうせなら楽しもうと割り切っていますが、本当に日々の暮らしでは...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.22 Wed 07:36
感覚も、感情も、好転させるためには一度リセットさせることが必要だなとよく思います。現実的には惰性のように日々の時間が流れていますが、帰巣本能の赴くままに我が家に皆さんが戻ってくるのは、このリセットのためではないかとよく思います。何かとストレスが多い現代社会において、せめて我が家くらいは、ストレスフリーでそこに立ち戻れば0起点にいつでも戻れる状態にしたてできないかなぁと思うことが多いです。そういう意味では、時には曲がりせり出す階段も、手に触れるところをできるだけ木を使うのも、床を塗膜を作らずに...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.21 Tue 09:35
常に、住まいは住まい手に寄り添って、ストレスをなるべく与えない設えであることが大切であるといつも思います。私の場合はそこを一番に考えます。そしてその次により美しく、少しでも住まい手の暮らしが豊かで上質なものであるように、設えとしてはできる限り美しくと思うのです。だからと言って、お話ししている曲がった階段が美しいからと意味もなくやれと言われても意味もなくそれにお答えすることはありません。優先順位が逆転してしまうからです。 住まい手の時間がノンストレスになり、英気を養い、明日からまた頑張ろ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.03.20 Mon 06:48
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