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変わりゆく時代に、暮らす 5

 目まぐるしく変化していく社会の影響を常に受けながら、住まいづくりをしていく中で、現状としては決して加速拡大路線を今もって続けているような錯覚は、すでに20年前に脱ぎ捨てなけれじならなかったのに、なんとなくのイメージ戦略ばかりが先行して、増大な消費を続けてきてしまっていた感があります。それに慣れ過ぎてきた私たちは、減速縮小方向へと舵を切り返し、新たな方向性へシフトしていく必要があります。これは、豊かさから貧しさに転換するということではありません。豊かさの視点を、大量消費による徒花のようなものか...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.17 Wed 07:34

変わりゆく時代に、暮らす 4

 コストが急激に変化したおかげで、近頃は弊社などでも予算の立て方が非常に難しい感じが否めません。過去の実証データがそのまま参考データとして使いづらくなっていて、正直予測不可能な感じなのです。そういう意味では、無駄を一切省いたベースになるものをしっかり担保した間取りというものが時流に合っていて、シンプルでミニマムな暮らしを深掘りしながら、今の現状にあった予算だてに寄せていくことが肝心だと思ったりします。悪いことばかりではなくて、そういう思考は、住まいの本当に大切なものを炙り出し、プランを濃縮さ...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.16 Tue 07:33

変わりゆく時代に、暮らす 3

 いわゆる、これまでの方が少し作為的に、国の基幹産業的な様相からさまざまな手練手管でスクラップアンドビルドをし続けてきたと捉えると、少し見えてくるものがあります。これからは、お金を回すための建設行為も国力の先食いでなかなか厳しいものがありますから、本当に必要な住まいが、必要に応じて作られていく時代だと思ったりします。大手はまだまだ今も、この世界は永遠に続くようなコマーシャルを続けていますが、生涯の中で自分の家を作る人は、激減してくるのではないかなと思うのです。非常に貴重とも言えるその機会を、...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.15 Mon 07:31

変わりゆく時代に、暮らす 2

 便乗値上げだと騒ぎ立てても、ある意味仕方ないことなのかもしれません。というのも、住宅の建設単価というものは、私たちの感覚的には物価上昇スライドほど価格上昇してきておらず、その内訳的には資材の上昇や大手が司る住設などに関してはそれなりに上がってきていたものの、その分職人さんたちの人工や地場中小から出てくる資材などはずっと全体コストの上昇を抑えるために上がらず、むしろ下げてでも帳尻合わせをしてきた感が否めないからです。職人さんの単価も、肉薄した私たちの暮らしそのものですから、そこをいじめぬいて...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.14 Sun 07:37

変わりゆく時代に、暮らす 1

 近頃の建設単価の上げ止まりは、これまでかつてないほどの上がり幅と、多岐におよぷ連鎖反応によって私たちの住まいづくりに対しての考え方にも直接影響を与えるほどにインパクトがあるものになっています。コロナと戦争によって致し方ない部分もありますが、便乗値上げも甚だしく、住設などの大手メーカーをはじめといす大企業は、意図的に「もう下がることはないのですよ」と言わんばかりの態度で、よくいう二極化の推進という方向に向いているのかもしれません。  よくお仲間とお話ししますが、考えてみれば全くの手持ち資...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.13 Sat 07:55

湿気とのたたかいの季節 5

 気候変動や環境悪化の現状からして、住まいの性能を欲するみなさんのニーズは日に日に高まり、私たちがこんなことを考え始めた30年以上前からすると、意識は非常に高まり、住宅産業全体の先細り感を支える市場になるほどに伸びてきている分野だということができると思います。ただ、その反面、基本原理を口うるさく叩き込まれてきた私たちとは明らかに異なる、第二世代、第三世代の方達の活躍の場となってから、多様な情報で些かカオス状態ということもできると思います。キャッチーな営業トークも飛び交いますから、様々なことをシ...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.12 Fri 07:32

湿気とのたたかいの季節 4

   温度以上に、湿気のコントロールについては曖昧な表現がされている場合も多くて、現実的なイメージができていないことも少なくありません。しっかり断熱・気密を施して、室内を一旦外部としっかり切り離せている空間内では、内部発生の水蒸気などを含めて全体の空調で整えるということが初めて可能になるということになります。  この国では、「気密」という言葉にイメージとして根強い抵抗があったために、何十年とその部分をしっかりたん歩することができずにきている部分も少なくありません。「壁の中をゆっくり空...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.11 Thu 07:25

湿気とのたたかいの季節 3

 湿気のコントロールは意外に温度以上に難しいものがあって、色々な人が色々なことを言っているので 混沌としています。ベースとして、外部環境と室内環境の空気そのものの絶対湿度を違うものにするためには、内外をしっかり区画することが条件ですが、耳障りの良い言葉を使って、いかにもという説明をされる方も多いので注意が必要です。その最たるものか、「壁は呼吸しなければならないからゆっくり空気が行き交って…」などという表現です。壁の中に繊維系にしろボード系にしろ断熱材があって、断熱性能がキープされてい...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.10 Wed 07:30

湿度とのたたかいの季節 2

 これからの季節、福岡などではいかにこのじめじめから逃れられるかが課題となります。湿気との戦いが始まります。かつては、「全開放して風通しよく…」などという処方が有効でしたが、昨今の温暖化の影響や建て込んだ住宅密集地でのお話としては全く通用しない時代になってきていて、いかにしっかり閉じて有効な除湿などをやっていくかということが、それに変わる答えになりつつあります。いわゆる外皮性能が担保されていることが大切なわけです。  つまり、空調による除湿というものが有効に効く性能の住まいであること...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.09 Tue 07:27

湿気とのたたかいの季節 1

 GWも終わり、いよいよ季節は夏に向けての梅雨の時期がやってきます。ここ福岡では、だいたいGWのとどんたくを過ぎて、少し落ち着いたら梅雨入りとなり7月の博多祇園山笠くらいまでが梅雨の期間に入ります。近年気候変動で前倒しになってきているのか、昨日の終日降り続いた雨などは、梅雨の走りのような1日でした。とにかく湿気が多くなり、気温だけでなく蒸し暑さでただただ不快な時間を過ごすことも多くなります。鬱陶しいことを、博多弁では「しろしい」といいますが、お年寄りなどとお話しすると、「梅雨はしろしかねぇ」となる...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2023.05.08 Mon 07:37

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