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私たちが高性能住宅の設計を始めた30年ほど前は、夏と冬の間に要は窓を開ければ気持ち良い空気であるという結構な長さの中間期があって、それを少しだけ補いながら、冷暖房が必要な時期を少しでも短くするというイメージが高性能の役割でした。その頃からすれば、中間期は極端に少なくなって、暖房期が終わればいくらもしないでまた冷房が必要になってきてという具合に、わずか数十年で皮膚感覚でわかるくらいの気候変動が現実のものになってきているような気がするのです。さあ、窓を開けて今は外と一体化して、というセリフが...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.16 Sun 06:47
暑かった夏から、少しずつ空も高く澄んだ空気感に包まれていって、少しずつ気温も過ごしやすい季節に入り、時折朝晩は冷え込んでくる季節になりました。日中も過ごし良い日が多い福岡です。夏と冬の間の「秋」と、今度は冬から夏の間の「春」のこの過ごしやすい季節を、私たちは中間期と言って、心地よい快適の感覚の基準と考えることが多いです。ただ、昔は湿潤温暖気候と言われていたように、なんとなく人に優しく暮らすのに向いている国土だったのですが、近年の気候変動の影響か、ゲリラ豪雨や酷暑、空梅雨や暖冬なども、一年の...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.15 Sat 07:31
この、今の住まいの高性能化の流行も、いつか伸び代を消化してしまい、それ以上は商売ネタとしてはあまり面白くないなどとなると、一気に騒がなくなるものだと思ったりします。何十年もやっているお仲間はいざ知らず、少なからずブームに乗った人々はそのうちいなくなるのではないかとも思ったりします。性能は当然の前提条件だとずっと言ってきましたが、このブームが去ったのちに、果たしてその住まいが魅力を放ち続けているかということが、一番大切なことではないかと思ったりするのです。今、そのことだけがフォーカスされてい...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.14 Fri 07:16
住まいの高性能化がボトムアップされて、全体のレベルが上がっていくことは、私たちとしても悲願であるし、そのことに何の依存もありません。ただ、この流れで注意しなければならないのは、性能というものはあくまで前提条件であって、住まいの一要素であるということなのです。つまりそれだけで、住まいの良し悪しは決められません。ところが、あまりにも急速にそのことだけがクローズアップされてしまって、本来の住まいの有り様が少しぼやけてしまう懸念は拭えないのです。 経済優先で、大量生産と物の消費に塗れて、カオス...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.13 Thu 07:05
材料高騰や景気の低迷で、住まい創りを誰にでも手軽にという時代は、実はもうこの国ではとっくの昔に過ぎていってしまっているのかもしれません。35年の住宅ローンが成立するのも、物価スライドに並行して賃金も上がり、景気が安定して俯瞰できるからで、近頃の政情不安や景気の低迷、賃金の伸び悩みなど全てにおいて、マイナス要素が蔓延していますから、これからいよいよ厳しい時代に突入していくのではないかと思ったりします。 ただ、こんな時代に建てられていく住まいだからこそ、その貴重な一棟をみすみす出来合いのこだ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.12 Wed 07:25
これまでも、「買うから創るへ」などという表現を使って、大多数の住まいづくりへのプロセスに疑問を投げかけてきました。いわゆるお仕着せの完成品を何十年というローンを組んで買うという、今では当たり前の住宅建設のプロセスに私などは大きな違和感を覚えてしまうからです。住まいは建てておしまいではありません。通常、買い物は消費と言って、皆さんは消費者という呼称をもって表現されますが、普通の買い物のプロセスで住まいを語ることに私はとても抵抗があります。住まいは冒頭で述べたように、中身の暮らしそのものが肝で...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.11 Tue 07:29
私たちは、住まいという巨大なものを構築していくことを生業としています。よく思うのは、私たちは一つの大変大きなヴォリウムのあるものを作っているのだけれど、中味は実は住まい手の暮らしそのものであるから、ほとんどその外皮と言われる皮の部分を作っているに過ぎないんだなぁということです。そう、中味は住まい手なんですよね。住まいが完成したと言っても、どんな住まい手のどんな暮らしがそこから始まるかわかりません。私に言わせれば、完成と言ってもそのプロセスの途中なんです。昔から、実はこの感覚を大切にしていこ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.10 Mon 07:10
住まいの性能に関しては、まだまだ上げていかなければならないとずっと言い続けてきました。業界のマイノリティーの頃から、その想いは全く変わりません。ただ、極端な言い方をすれば、住まいそのものの本質は、全く別の部分にあると言うことを忘れてはならないと思うのです。いつしか時代が追いついてきて、同じことをやっているのですが、気がつけば体制側のマジョリティーになっている。ただ、そこが怖くもあるのです。 近頃、たまにお客様からのお電話相談でご質問でいきなり専門的な数値のお話をされて、それが...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.09 Sun 07:05
異端児が踏ん張っていた時代は、言うなれば創り手も建てる側も、まさに真剣勝負でしたから、心を一つにする分、言い方は変ですが、確実に中身の濃い住まいづくりができていたような気がします。そう言う部分では、今、省エネを意識するのは当たり前になってきて、高性能もある程度は数値化でその優劣を図ることができるようになってきました。その分、創り手も住まい手もそこだけがありきになってしまうと、私には少し昔とは違った風景が見えてきたりします。十分なニーズが増えてくれば、魅力的な市場ともなっ...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.08 Sat 07:11
当時は、周りから何を言われても、真理はそこにあると志を持って高気密高断熱を実践している猛者が全国にポツリポツリとおられました。「九州と言う断熱途上エリアでお前が頑張るなら、いくらでも協力は惜しまない」と北海道のお仲間たち、諸先輩は言ってくださって、当時九州での建材ルートではなかなかまだ入手しづらかった換気システムや気密部材、木製気密サッシなど(国産の樹脂サッシなどまだまだ後年のことですから)を購入できるルートをつくってくださったり、それはそれは諸手を挙げて応援してくれるお仲間の諸先輩たちに支...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.07 Fri 07:23
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