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縁が結ぶ住まい創り 1

 まさに若気の至りと言うやつで、大海原に素っ裸で飛び出すように、何も考えずに独立をして35年近くもこの時間をこの生業に費やしてきたかと思えば、何がなせたわけではありませんが、感慨深いものがあります。本当に最初はママゴトのような状態で、電話の前で日がな一日、仕事の依頼が来ないなと悶々としていた日が続き、今から思えば誰も認知していないわけですから当然ですが、そんなスタートですから我ながら可愛らしくもあり、向こう見ずさには恐ろしくなります。  親のコネや元職のコネがあるわけもなく、ただ、始めたいか...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.20 Thu 07:31

いい、加減の話し 5

 近年、非常に短くなってしまいましたが、中間期という私たちの暮らしに最もやさしい気候を十分に満喫して、その感覚を深くご自分に刻むことは大変重要なことだと思います。とかく数字が見えてくると、そのことばかり頼りすぎて、その値に一喜一憂して、ともすると本来の感覚よりも過敏になりすぎて、かえって満足感を削いでしまうことになりかねないのも事実です。  私たちプロは、定量化することで仕事のクオリテイーを一定以上にキープすることが大切ですし、そうあらねばならないといつも心がけています。ただ、皆さんの現実...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.19 Wed 07:21

いい、加減の話し 4

 住まいは、非常にベーシックな土台作りという部分が多くて、最近やたら脚光を浴びていますが、省エネであるとか室内温湿度をより整えるということは、まさにベーシックで、住まい手が意識しないですむ環境を求めて仕立てていくものです。いわば、取り立てて大騒ぎするものでもなく、暮らしのベースを整えることがその目的だと思います。一旦、暮らしを仕立てれば、住まい手はそういうことには頓着しなくなり、できる限り忘れてくれて良い部分なのです。そのためには、皮膚感覚で覚えている「良い、加減」が必要なのです。  そう...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.18 Tue 07:00

いい、加減の話し 3

 春夏の気候の良い時をイメージすると、少し蘇ってくるのは「何も感じない」という言葉です。暑くも寒くもないちょうど良い感じというポイントが、人それぞれにあるのだと思います。これには若干の個人差がありますが、その感覚をキープしていくことが室内環境の良い状態の規範ではないかと思います。  とかくエコハウスブームになってきてからは、テキストの快適温度領域の温湿度が気になって、その数値を少しでも一脱するとさあ大変というような感覚になりがちですが、申し上げたように、皆さんが皮膚感覚で感じる「快適」...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.17 Mon 06:44

いい、加減の話し 2

 私たちが高性能住宅の設計を始めた30年ほど前は、夏と冬の間に要は窓を開ければ気持ち良い空気であるという結構な長さの中間期があって、それを少しだけ補いながら、冷暖房が必要な時期を少しでも短くするというイメージが高性能の役割でした。その頃からすれば、中間期は極端に少なくなって、暖房期が終わればいくらもしないでまた冷房が必要になってきてという具合に、わずか数十年で皮膚感覚でわかるくらいの気候変動が現実のものになってきているような気がするのです。さあ、窓を開けて今は外と一体化して、というセリフが...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.16 Sun 06:47

いい、加減の話し 1

 暑かった夏から、少しずつ空も高く澄んだ空気感に包まれていって、少しずつ気温も過ごしやすい季節に入り、時折朝晩は冷え込んでくる季節になりました。日中も過ごし良い日が多い福岡です。夏と冬の間の「秋」と、今度は冬から夏の間の「春」のこの過ごしやすい季節を、私たちは中間期と言って、心地よい快適の感覚の基準と考えることが多いです。ただ、昔は湿潤温暖気候と言われていたように、なんとなく人に優しく暮らすのに向いている国土だったのですが、近年の気候変動の影響か、ゲリラ豪雨や酷暑、空梅雨や暖冬なども、一年の...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.15 Sat 07:31

住まい創り、暮らし創り 5

 この、今の住まいの高性能化の流行も、いつか伸び代を消化してしまい、それ以上は商売ネタとしてはあまり面白くないなどとなると、一気に騒がなくなるものだと思ったりします。何十年もやっているお仲間はいざ知らず、少なからずブームに乗った人々はそのうちいなくなるのではないかとも思ったりします。性能は当然の前提条件だとずっと言ってきましたが、このブームが去ったのちに、果たしてその住まいが魅力を放ち続けているかということが、一番大切なことではないかと思ったりするのです。今、そのことだけがフォーカスされてい...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.14 Fri 07:16

住まい創り、暮らし創り 4

 住まいの高性能化がボトムアップされて、全体のレベルが上がっていくことは、私たちとしても悲願であるし、そのことに何の依存もありません。ただ、この流れで注意しなければならないのは、性能というものはあくまで前提条件であって、住まいの一要素であるということなのです。つまりそれだけで、住まいの良し悪しは決められません。ところが、あまりにも急速にそのことだけがクローズアップされてしまって、本来の住まいの有り様が少しぼやけてしまう懸念は拭えないのです。  経済優先で、大量生産と物の消費に塗れて、カオス...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.13 Thu 07:05

住まい創り、暮らし創り 3

 材料高騰や景気の低迷で、住まい創りを誰にでも手軽にという時代は、実はもうこの国ではとっくの昔に過ぎていってしまっているのかもしれません。35年の住宅ローンが成立するのも、物価スライドに並行して賃金も上がり、景気が安定して俯瞰できるからで、近頃の政情不安や景気の低迷、賃金の伸び悩みなど全てにおいて、マイナス要素が蔓延していますから、これからいよいよ厳しい時代に突入していくのではないかと思ったりします。  ただ、こんな時代に建てられていく住まいだからこそ、その貴重な一棟をみすみす出来合いのこだ...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.12 Wed 07:25

住まい創り、暮らし創り 2

 これまでも、「買うから創るへ」などという表現を使って、大多数の住まいづくりへのプロセスに疑問を投げかけてきました。いわゆるお仕着せの完成品を何十年というローンを組んで買うという、今では当たり前の住宅建設のプロセスに私などは大きな違和感を覚えてしまうからです。住まいは建てておしまいではありません。通常、買い物は消費と言って、皆さんは消費者という呼称をもって表現されますが、普通の買い物のプロセスで住まいを語ることに私はとても抵抗があります。住まいは冒頭で述べたように、中身の暮らしそのものが肝で...

建築YA「髭」のCOLUMN | 2022.10.11 Tue 07:29

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