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私はよく、住まいの耐久性の一番の要因は、「愛着」だと言います。どんなに頑丈に作られたところで、愛着のないものを手入れをして住み継ぐことがあるでしょうか。私は「メンテナンスフリー」という言葉もまやかしだとずっと言っています。5年、10年というと短い時間スパンで言えば、多少成立するかもしれませんが、住み継がれていく時間スパンを考えれば、そんな短い時間では話にならず、問題はどうやってメンテナンスをし続けていくか、どれだけメンテナンスが楽かということの方が大切になってくるのです。メンテナンスの動機...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.25 Mon 07:07
いつの頃からか、日本の住まいはバタバタと建てて、最も簡単に壊す消費の対象になってしまいました。戦後の混乱期の住宅難に仮設的に建てられるものならばいざ知らず、戦後80年も経って未だプレファブの仮設住宅のようなものが量産されているのは異常な事態です。世の中が拡大傾向に広がっていく成長期ならいざ知らず、時代は少子高齢化、国力も下降の一途を辿っていくことが現実になってきている今になっても、ストック社会とは真逆の莫大な予算を投じた消費物を大量生産する矛盾にもうそろそろ気づかなければならないのではないか...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.24 Sun 07:15
もう一つの出来事は、ある日どこからかけたたましいコンクリートなどの掘削音が聞こえてきて、地鳴りがするほどの振動と騒音が終日続いた日がありました。弊社よりももっとお近くの方からは、きっと苦情が出たのではないだろうかと思えるレベルです。どこが発生源かそれからしばらく気づかなかったのですが、後日それは、某ハウスメーカーの新築住宅の現場からのものであることがわかりました。ひと月ほど前から造成工事を行い、基礎が出来上がったなと思っていた現場から、出来上がったばかりのコンクリートの基礎がなくなっていた...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.23 Sat 07:09
最近、弊社の周りの風景でで二つほど出来事がありました。一つは見慣れた風景の中のとある住まいが、建て替えのためなのか解体が始まったということ。瀟洒なレンガタイル張りの大きめの住宅でしたが、私の記憶では20年経っていたかどうか。もったいないものだなぁと思っていると、みるみる外皮の部分が取り払われていき骨組みが露わになっていきます。見るとそれは軽量鉄骨プレファブの住まいでした。まあ、職業柄、断熱材はどれくらいのものが入っているのだろうとか、そんなところを見てしまうのですが、あえてそういうことには触...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.22 Fri 07:17
住まいと現実の暮らしの折り合いをつけることは、大変重要なことであることなのですが、皆さんは住まいの性能向上が、あたかもここを完璧に補ってくれるツールのように過信して、しかも限られた情報から性能の一部を表す数値のみに終始する住まいづくりは少しばかり危ないと思っています。そこにはご家族一人一人のキャラクターを配慮したご家族固有の練られた間取りの担保はありませんし、プロセスの一々が端折られている可能性すらあるわけです。「高性能住宅」という言葉の中には、これまでの数値化できなかった温熱性能を計算に...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.21 Thu 07:20
小窓の情報が正しいか間違っているかという問題は、視野角が狭いだけに往々にして起こりそうです。このことだけにあまりにも偏るとは判断を謝ります。皆さんは病気でお医者様にかかるときに、医学部の勉強を自らされるでしょうか。自分の顧問弁護士を雇うために法学部の専門的な勉強をされるでしょうか。現実的にはネット情報でこれをされようとしておられる、あるいはしたつもりで納得しようとしている方が最近増えています。矢継ぎ早のご質問は参照元が皆同じような非常に近視的な内容で、私に言わせればバランスを欠いていること...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.20 Wed 07:16
学校や職場という、第二第三の自分の居場所(元々は逆転していたのかもしれませんが)が全て自分の住まいの中に入り込んできたこの数年が、完全に元の形に戻ることがあるのだろうかと時々考えます。「アフターコロナ」ではなく、「ウィズコロナ」だとはよく言われますが、明らかに日常の時間のかなりの割合がなだれ込むように自分の住まいの中に押し寄せてきて、これまでのように戻らないのではないかと思い始めると、今までのようにはいかなくなって、自分の住まいを深く考え始める。このところの「高性能住宅ブーム」は、そんなニー...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.19 Tue 06:37
この日曜日の人出はどこもすごくて、車の往来も日に日に増しているように思います。日本人は素直というか楽観的というか、感染者数が激減している原因よりはその結果で潮目が変わったと理解している方が多いのかもしれません。ただ、本当に収束に向かっていると言う確証がないままにこのまま進んで良いのだろうかと思ってしまうのは杞憂でしょうか。言えるとするならば、早くこの状況から抜け出したいと言うストレスが、溢れ出るように好転要因を拾いそちらに思いを持っていっていると言うところは否めないかもしれません。随分オン...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.18 Mon 07:02
コロナ禍の中で、第5波と言われた感染大爆発が一定のおさまりを見せ始めて、社会は少し以前の流れに戻り始めているかのように見えます。天邪鬼な私なとどは、そのおさまりの根拠がまだあまり腑に落ちていないために、なんだか悶々とした日々を送っています。第6波の到来の懸念なども囁かれていますから楽観はできませんが、願わくばこのまま収束に向かってくれないだろうかと思わないではいられません。この数年、私たちは「巣籠もり」しながらじっと耐えているような暮らしをベースとして、外界からのあらゆるものを少し敬遠しなが...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.17 Sun 07:18
快晴の秋空の中、去る14日佐賀県小城市で展開中の山東美建とのコラボプロジェクトOGYCALの2棟目、K邸が上棟を迎えました。今年2月に完成したモデル棟の左側の隣地に建設されるK邸は地元に根ざしたご商売を始めたご夫妻と3人の子供さんのための住まいです。OGYCALのコンセプトに共感してくださり、お打ち合わせを重ねる中、この日を迎えました。抑制の効いた統一感のある外観はモデル棟に倣い、内部の間取りに関しては設計施工とご家族の三者でご協議を重ね、弊社が提案している基本プランをカスタマイズ、K御一家のためだけの間取り...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.10.16 Sat 07:08
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