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昨日は小城市で展開中のOGYCALシリーズ2棟目の K邸の気密測定を行いました。住まいのがいひの隙間がどれくらいあるかという性能を建物個体ごとに測定する重要な測定で、弊社では30年前から全棟実施をしています。開口部を閉じた状態で空気をファンで外に追い出し、内部を負圧にしてどれくらい隙間から空気が流入してくるかを示す数値を測定するもので、最近のネット情報などで C値という数値で表されます。小さいほど高性能なのですが、前回に続き、今回も0.16、バラツキを見るn値も1.33という満足のいく数字が弾き出されました。断...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.12.02 Thu 06:33
現実に住まいを構築して、そこに住まい暮らしが始まるということは、ネット情報の様に何もかも良い事づくめピックアップしたものばかりだとは限りません。様々なパターンで固有に様々な諸条件が違いますから、そこに導かれる処方は千差万別、やはりプロの的確な判断が必要なのではないかと思います。そもそも私たちのいうパッシブデザインとは、ポイントとしてのその「場所の地の利を最大限に活かすこと」から始まりますから、パターン化したネット情報に、あなたのために全て当てはまる答えはそもそも用意されていないのです。その...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.12.01 Wed 07:27
長年やっていると、全てが繊細なバランスで成り立っていることが身をもってわかってくる気がします。ピックアップされる幾つかの数字で、性能を決めつけてしまうのは非常に危険ですし、それにより選択が、一般の皆さんの裁量によって行われることにはいささか違和感が残ってしまいます。先程来申し上げた Ua値、 C値だけでもその数値だけでは表現できないさまざまなパターンがあることはご理解いただけたかも知れません。このカオスの中で、さまざまな人が高性能を語るわけですから、一般の方は迷って当然です。言わば「虚」の世界で...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.30 Tue 07:15
結露の観点からも気密性能は重要で、私たちは何十年も現場単位での全棟気密測定検査を実施していますが、高性能化が高まる中でもこれは未だ義務化が叶わず置き去りにされている部分です。全棟検査を実施していない高性能はまずあり得ません。ただ、高性能と喧伝すれば売れる時代になってしまったが故に、ここを押さえていない高性能も巷には混じってしまっているのが問題です。真逆に、気密性能C値を大きくクローズアップしているところもあり、数値競争のような状況もSNSで散見しますが、これもいささか心配で、私はよくこの数値に...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.29 Mon 06:58
歴史は繰り返します。住まいの高性能化のプロセスは、この国でも40年余り変遷を経てきています。ひとっ飛びに新基軸ができてきたわけでもなく、突然の大発明があったわけでもなく、名もなき人々のさまざまな試行錯誤が蓄積されていき、あらゆる実証データの末に改善が繰り返されてきたわけです。声高に高性能を語る人もさまざまで研究者、設計施工の実践者、果てには住宅産業の営業畑の人々までがこぞって高性能を語り始めたのはこの5年くらいかも知れません。流れは非常に歓迎ですが、この加速の中で、そういう蓄積が充分に活か...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.28 Sun 07:49
緊急事態宣言後も巣篭もり需要が続いているのか、高性能住宅への皆さんの関心は強く、どうせ建てるならとスマホ検索で出てくる情報という情報をかき集めて、少しでもコスパが良く、ランニングコストが低い家を持ちたいという人々の思いは急速に拡大しています。弊社の様な零細事務所にまで、そういうお問合せが格段に増えているのですから、業界全体の需要拡大は一気に高性能に傾倒していると言っても良いのかもしれません。SNSのいわゆるインフルエンサーのみなさんが日々情報提供するものですから、高性能を望む住まい手の皆さんの...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.27 Sat 07:23
その昔は、断熱はいいけど「気密」は嫌だなどという方たちも少なからずいました。なんとなく閉塞的なイメージがあるのかも知れませんし、「壁の内外で適度に空気が呼吸する」などという曖昧な耳触りの良い表現がまかり通っていた時代は(その時点で躯体内の空気が動き断熱性能は破綻しています)、「気密」は逆風の中でなかなか重要視されてきませんでした。今もって外皮性能が取り沙汰されているのに気密性能がセットになって表示されないのはおかしいのですが、過渡期である今、ここを等閑に進められていく高性能には注意が必要です...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.26 Fri 06:47
結露は急激な温度差でできるというお話をしました。断熱とともに、気密性能をしっかり取る理由の一つに、この結露を防止するということがあります。もしも壁の中で局所的に空気が行き交う穴でもあれば、暖かい空気と外気がふれあう結露リスクの大きな場所ができることになります。全体の断熱性能も全てがバランスで、どこか極端に性能が悪いとそこが結露リスクとなります。このように、私たちが室内を自分たち好みの快適領域の環境にしようとすれば、自ずと外部との温度差がそこにあ。その温度差をうまくキープするために断熱や気密...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.25 Thu 07:18
ホームセンターなどに行くと、窓ガラスの結露を下で受け止めるフェルト状のシールの様なものが売っていて、露垂れをしないから便利などという宣伝文句を見かけます。私は口が悪いから、窓のオムツなどと口走りますが(笑)、何よりも結露を止めなきゃいけないのに、あれを見るたびにこの国の住まいはまだまだ遅れているなと思います。最近ようやく窓もアルミ枠から樹脂に移行傾向でガラスもシングルからペア、ペアからトリプルへと歩みは遅いですが改善がされてきています。弊社は30年以上、アルミサッシを使ったことがありません。今...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.24 Wed 06:21
いわゆる露を結ぶと書く結露現象。どうして起こるかご存知の方は多いと思います。この「露」どこから降って湧いたかといえば、空気の中からというわけなのです。私たちの周りにあるごく当たり前の空気には少なからす目には見えませんが水蒸気が含まれていて、一定量の空気の中に抱えていられる水蒸気の量はその温度によって限界があります。大雑把にいえば、温度が高い空気ほどたくさんの水蒸気を抱えていられて、それが急激に低くなるとその許容を超えた分が私たちの目で確認できる露となります。 暖房で暖まった部屋の空気が...
建築YA「髭」のCOLUMN | 2021.11.23 Tue 07:31
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