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小説/詩

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小説/詩
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負社員 第31話 小人さんの都合によりシステム運営休止とさせて頂きます

JUGEMテーマ:小説/詩    地球にとっては、実は対話どころではなかった。  ――誰だろう……?  地球はそんな疑問に囚われ、コア物質の噴出タイミングさえもう少しで誤るところだった。とんでもないことだ。まったく。システムを乱すのは、人間だけにして欲しいものだ。それというのも。  地殻を構成する花崗岩の中に、いつからいたのだろう――“その者”は? 「あー、冷んやりして気持ちいーい」そんな事をいう。  実体は見えないが――恐らく神なのだろう――なんとはなしに、ごろりと寝そ...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.09.27 Mon 11:06

『文体の舵をとれ』練習問題1 文はうきうきと

問1:一段落〜一ページで、声に出して読むための語りの文を書いてみよう。  夕暮れ時の駅に列車が到着し、ひとびとが吐き出された。スーツ姿の会社員、制服姿の女子高生、ラフな格好のアルバイター。複雑怪奇な社会に組みこまれた歯車たちは、無意識に隊列を形成し、一定間隔を保って規則正しくホームを流されていく。  パッと一人が列から弾かれるように跳んだ。禿げ頭の中年男。折り目もわからないほど皺のよったスラックス、縫い目がほつれたグレーのジャケット、端の擦り切れた臙脂色のネクタイは緩んでいる。穴の開いたブラウ...

水平線上の雨 | 2021.09.26 Sun 07:50

詩『そのひとのかお:A Portrait Of The Lady』

いまぼくのてもとにはひとつもない かつてあったそのかお なやみをかかえこんでいるようにも ほくそえんでいるようにも つまり蠱惑のかおなのだ じつは世界中にあふれてる そしてだれもがそう認じている あのおんなだと あの女快だと であうおとこ だれもがあいつにもてあそばれたと そしてそのひとりがぼくだとなざしする ああ、そうやってほくそえんでいるがよい そうすれば、すくなくともぼくは安泰なのだ こよいもぼくはひとり 地下へとくだる そこでそのひとはねむっている

with a kiss, passing the key | 2021.09.26 Sun 00:00

過去記事の別サイトでの再投稿について

JUGEMテーマ:小説/詩   前に文学批評空間に投稿していた「マイケル・マックルーアの声」を新・野坂政司の文の部屋に再投稿しました。 前のサイトの文面が読みにくかったからという理由です。 他の記事も、少しずつ新・野坂政司の分の部屋に再投稿する予定です。

野坂政司の拳禅一如 | 2021.09.23 Thu 11:07

#狼が来た、そして行った

JUGEMテーマ:小説/詩   「このコンテナって、何に使うの?」悠子は近所の主婦友達、綾香に訊いた。 「うーん、何だろね」綾香も首を傾げる。 「なんか、昔は倉庫代わりにしてたって聞いたけどね」もう一人の、情報通主婦友達、宏美が二人に教える。「大分前の、まだ町内会とか子ども会とかやってた時に」 「ああ」二人は納得した。「今はもうそういうの、ないもんね」顔を見合わせ頷く。 「うん。昔は子供服のお古とか、家で使わなくなった電化製品とかまで、不用品置き場みたいな感じでここに保管してたんだって...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.09.21 Tue 14:46

#負社員 第30話 現状分析に即して今回打ち立てましたのがこちらの愚対策です

JUGEMテーマ:小説/詩   「昨日開いていただいた岩の“目”の位置を、覚えていますか」天津は訊いた。  前日に、岩盤への入り口を開いた辺りだ。だがすでにその入り口は閉ざされ、あの光り輝く空間は夢幻であったかのように、岩は足下から頭上遥か高くまで無言で立ちはだかる。小さく無力な人間という存在など気にも止めておらぬ風情だ。下手に逆らえば、瞬時に圧し潰されそうな気分を呼び起こす。 「えーと、どこだったかな」結城がきょろきょろと周りの岩壁に視線を巡らせる。 「あの辺りではないです...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.09.21 Tue 11:12

詩『あまのじゃく:A Contrary Person』

Yに

with a kiss, passing the key | 2021.09.19 Sun 00:00

甘い匂い。

JUGEMテーマ:小説/詩   甘い匂い 甘い空   駆け抜ければ白い雲 まだ、夏空が見える   空気のにおいが好きだ   スゥ〜っと、吸い込んだ時に、 風景が、時間が、時代が、こみ上げる   こんな匂いがしたときを覚えている こんな風景の、こんな空だったと思い出す   メープルシロップのかかった蒸しパンが ホカホカの湯気をあげている午後   おやつの時間に、飛び上がって喜んだにおいを思い出し そっと笑顔がこみ上げる   ...

Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2021.09.17 Fri 12:41

くしゃみ代行株式会社

「くしゃみを買い取らせて下さい」  雑居ビルの一室。片隅に作られた申し訳程度の応接スペースのソファに、私は座っていた。慣れないスーツの膝に軽く触れる。 「どういう意味でしょうか? 私は事務職に応募したのですが」  くたびれたスーツに身を包んだ面接官が微笑む。 「そうでしたね。私、草目代行代表取締役の皺拭といいます」  社長だった。 「本題ですが、花昼さん、あなたのくしゃみを買い取らせて下さい。一回につき千円で」  くしゃみが多すぎる。一度始まると七、八回、長ければ二十回近く続く。  くしゃ...

水平線上の雨 | 2021.09.15 Wed 18:28

#負社員 第29話 石橋を叩いて渡った所割れて川に落ちて損害賠償も請求されたのですが

JUGEMテーマ:小説/詩    一夜明けた翌朝は、どんよりと曇った、肌寒い天候だった。 「おはようす!」結城は天候や気温や気圧に一切関係なく、事務室に入るなりフルボリュームで挨拶した。「昨夜はお疲れ様っした! ありがとうございました!」終劇後の舞台挨拶のように、腰から深々とお辞儀する。 「おはようございます。お疲れ様でした」木之花がにっこりと目を細める。「二日酔いなどはないですか?」 「はいっ、すこぶる元気です」結城は大きく頷く。「会社の諸先輩方とお話できて、大変勉強になり励みにもな...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.09.13 Mon 09:58

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