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小説/詩

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小説/詩
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小説『なんにも起きない病気』

ある日、何にも起きない日々を過ごす女子中学生が、身体に何の害も起こさないウィルスに感染した。 彼女は部活の帰り道、梅雨時の夕方、自転車を漕いでいた。 田んぼとアスファルトの隙間の砂利道、タイヤはじゃりじゃりと音を立てた。 砂利道の「じゃりじゃり」は田舎の惨めさを演出するSE(サウンド・エフェクト)。 彼女は鼻をひくっと鳴らし空気を吸い込んで「夕立が近いな」と独り言を言った。 曇り空を眺めながら「東京に行きたい」と...

Kei was here. 〜ここにいた〜 | 2021.08.22 Sun 12:31

小説 『2020年の東京オリンピック』

2020年夏。東京オリンピックは大歓声の渦の中、幕を閉じました。 あれから、もう1年前が経つんですね。 世界からの日本に対する「おもてなし精神」に対する称賛の嵐、嵐、嵐。 空中に描画された3DCGの風にたなびく日の丸、Vtuberたち。 ヘンタイ、ポップ、アニメ、ヲタク、ヒキコモリ、カロウシ!! 世界中から沸き起こる拍手の雨、雨、雨。 ぼくは、そういや蕎麦屋でマラソンみていたよ。 すごかったよね。 ...

Kei was here. 〜ここにいた〜 | 2021.08.22 Sun 12:23

詩『まとわりつく:Nagged Around』

Nに

with a kiss, passing the key | 2021.08.22 Sun 00:00

満ちる

ぼんやりと した、 ぼんやりと まるく、 少しの零れる、 少しの ただぼんやりと 輪郭が曖昧 というより、 全く無く、 ただ少し色を帯びた、 それは光りの 集まる 虫のような 私たち 光が消えれば 誰もいなくなる   ただ、 今は、 ぼんやりとした 何となく、 ぼんやりとした、 何となく、 その光源は、 外にあるものではない ただ、 何となく ここにあって、 あそこにはない   あそこにあるのは ここにあるもの   ...

誰でもないものの「区域」 | 2021.08.17 Tue 02:58

 メスを握る。切る。溢れる血液を綿が吸う。看護士が私の汗を拭く。切り開く。刺す。固定する。腫瘍が覗く。それは唇のような形で、かすかに笑みを浮かべている。切除、摘出する。傷口を縫う。  白い部屋から患者の乗った担架が倍速再生で出ていき、私だけが取り残される。業者が清掃するなか、私は立ち尽くしている。次のオペの準備がなされ、次の患者の乗った担架が運びこまれる。そこで再生速度が戻る。手を消毒する。  ナイフを握る。切る。血液は手術衣を赤く染めてなお溢れ出す。看護士を見る。彼女は大きく口を開いて私に...

水平線上の雨 | 2021.08.16 Mon 01:00

詩『憑きもの:The Possessed』

Eに

with a kiss, passing the key | 2021.08.15 Sun 00:00

詩『ジェニーの肖像:Portrait Of A Jennie』

Hに

with a kiss, passing the key | 2021.08.08 Sun 00:00

#負社員 第24話 カワイゲってどこに生えてる毛ですか

JUGEMテーマ:小説/詩   「吸収能が最高だって」鯰が言った。「この空洞放射にアルベドはあり得ないって言ってる」 「んな?」結城が言葉にならぬ問い返しをした。 「シュテファンとボルツマンが踊り狂うのが見えるって」鯰は容赦なく続ける。 「はは」天津だけが笑う。「なるほど、弾けるぐらい楽しいわけだ」 「いや、なるほど?」結城が天津を振り向いて叫ぶ。「何がなるほどなんすか?」 「要するに、この空間内の電磁波が平衡状態に到っているということだろう」時中が説明する。 「それのどこが楽しいので...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.08.07 Sat 12:05

飴色

透明な飴色の空。濃い、詰まったかのような解像度、が増す。何かの達するものか、その前か。白さを増し光りは八方に引き裂かれ、ただ妖怪の様な恐竜の様な巨大なる空白。地上は熱を持ち、網戸は虹色に拡散す。   ソファーに移る。 広島 テレビから放送。   外はオレンジ。部屋の壁の影。満ちたところから零れる輪郭。不動。 ヘリコプター、大通りのオリンピック放映。 風は未だ吹かない 道路は熱を持ち疾走、その描く直線。   光りが揺らぐ、瞳孔のフォーカス。 あなたの家の時...

誰でもないものの「区域」 | 2021.08.06 Fri 18:11

負社員 第23話 今、何かがこの辺りを歩き回っている

JUGEMテーマ:小説/詩    ず  ず  ずず  ずずずず……    岩は、目に見えないほどほんの僅かずつ動きながらも、自身ではなにか、自分が今にもぱちんと音を立てて弾け飛んでしまいそうな“感じ”が、していた。  ――こういうのを、なんというのだろう――  なにか、こういう“感じ”がする時に、人間たちが口にする言葉があったはずだ。  ――何だったか――    ず  ずず  ず  ……  ずずず    それを思い出すまでに、...

葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.08.01 Sun 20:44

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