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JUGEMテーマ:小説/詩 「ふう。やっと終わった」202のAは一息ついて、缶ビールをぷしゅっと開けた。引越しの荷物がなんとか片付いたところだ。時刻は夕方六時を回っていた。 一人暮らしの1Kアパートとはいえ、思った以上に細々したモノはあるもので、この週末は引越し作業に文字通り没頭する二日間だった。 ビールをちびちびやりながら、スマホで友人たちに引越し完了報告をしていった。とはいえほぼネットやゲームつながりの友人たちなので、皆を呼んでホームパーティーを開こうなどという次元のもので...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.08.01 Sun 11:03
緊張、弛緩。緊張、眼球、何を見てるのだろう、空では無い。部屋でも無い。何処だろう。何処だろう。眼球の触れる、ちょっと先。そこが恐ければ、ここも怖くなる。それは緊張。誰だろうか、私を、。誰もいない。喜びと楽しさと、日々があり。弛緩の時、何を見ているのだろうか、何も未だ、いや、もう、見えない。移動、空間。交通、人、自転車。何とも不安になる。落ちた先には何があった?自己憐憫。それで良い様な、。誰が許さない?誰が。 夜が来る。畳の部屋の灯りを消す。外の灯りもコンビニと、他。車は何処へ向かう。な...
誰でもないものの「区域」 | 2021.07.31 Sat 22:45
JUGEMテーマ:小説/詩 その、輝かしくも広々とした空間は、まるでこの世のものとも思えぬ所だった。今まで息を切らしながら歩いて来た洞窟の狭い通路とは比べ物にならない、まったくの別世界だ。眩さに目が慣れてくると、やがてその空間を形づくる構造物――つまりその空間の壁や足下、頭上の天井などの正体が掴めてきた。それは意外なことに、外の暗い世界と同じ、岩石でできていた。 「なんだこれ」結城が茫然と上下左右を見回して言う。「光る石?」 「どこかに、照明がついているのでしょうか」本原も頭上を見...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.07.27 Tue 10:30
JUGEMテーマ:小説/詩 「あ、宗像さん」室内に入ると木之花が顔を上げ、笑顔で立ち上がり挨拶した。 「きゃー」宗像が両手を天井に向かって差し上げ、嬌声を挙げる。「咲ちゃん、元気ー? お久しぶりー」 「どうも」木之花の笑顔にほんのりと苦笑が混じる。「ええとあなたは、タギツヒメ様です、ね?」 「そうよお」宗像はウインクして空中を叩く真似をする。声は、無論男のものだ。「私も、います」だがそれは不意に低く、囁くようなものに変わった。「お久しぶりです、咲耶姉さん」 「あ、イチキシマヒメ様」...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.07.20 Tue 10:33
JUGEMテーマ:小説/詩 公園のベンチに座りスマホをいじっていると、こちらに近づいて来る足音が聞こえた。 顔を上げると、白いレースのついたワンピースを着た、小学三年か四年ぐらいの女の子だった。両肩から三つ編みを前に垂らしている。その子は確かに俺に向かって歩いて来ていた。 「こんにちは」女の子は俺を見ながら少しだけ頭を下げた。 「あ」俺は一瞬、返事をしていいのかどうか迷ったが、まあ害はなさそうかと判断し「こんにちは」と少しだけ頭を下げた。 「あの」女の子はまじめな顔で俺に訊いて...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.07.12 Mon 10:40
JUGEMテーマ:小説/詩 「啄木」結城は洞窟に入った当初に注意された内容をすっかり忘却し、叫んだ。「石川啄木?」 「あの、元祖ワーキングプアか」時中が呟く。 「どうして、石川啄木がこんなところに?」結城は天津の顔を、その肩の下あたりから見上げて訊いた。 「恐らく、呪文の副産物でしょう」天津はちらりと結城を見下ろして答えた。 「副産物」結城は天津の肩の下あたりで叫んだ。「つまりあの啄木は、イベント遂行による副作用で出てきたものだと」 「恐らくそうだと思われます」天津は片目を、暗闇の...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2021.07.12 Mon 09:23
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