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JUGEMテーマ:小説/詩 お昼ごはんの後も、私のピトゥイはイゼンとして発動しなかった。 もちろん、いろんなスタイル――というのかどうか――を、ためしてみた。 唱える前に目をとじて、心をとぎすませて、一点に集中して、思いきり唱える。だめだった。 逆に力を抜いて、キャビッチも頭上たかくさし上げるのではなく、ひじを曲げて楽にかまえて持ち、ふだんと同じトーンで唱える。だめだった。 両手で持って。だめだった。 指一本の上にのせて。だめだった。 手のひらではなくて手の甲...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.12.13 Fri 21:15
JUGEMテーマ:小説/詩 Keyを渡されてからのおぞましい日々 訳の分からない愛欲にとらわれ 訳の分からない奴になりすまし 愛を語った その女の喜ぶことだけが このわたくしの喜び どんな残酷なことにさえ 一緒に笑みを浮かべることができた 処女をなぶりものにし 性の地獄に閉じ込め笑い酒を飲んだ 心優しい凛とした女性を突き落とし 辱めながらヤクをやるようにその女から甘いキスをもらった すべてはその女の欲望を満たすための道具でしかない己を...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.12.13 Fri 08:36
「……」 彼女を発見したと同時、意図的に言葉を飲み込んだ。 妙に静かだと思ったら、いつも賑やかな彼女は現在リビングのソファでうたた寝をしていた。TVを見る時にいつもその小さな腕に抱えられる彼女置き入りのクッションは、彼女の頭の下で重みに負けて潰されている。少し陽に焼けて茶に透ける髪の毛は、その上でふうわりと広がっていた。 すうすうと規則正しい寝息が、彼女から発せられる。背丈のわりに大きい胸が緩やかに上下していて、思わず触れたくなったのは永遠に秘密にしておきたい。双...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2019.12.10 Tue 23:34
JUGEMテーマ:小説/詩 このキスは、魔界へのいざない・・・ このキスはあなたの欲情に火をつけるため・・・ このキスはあなたを完全にコントロールするため・・・ 「私たちはキスでKeyを渡す。」 この鍵はあなたの意志をすり抜ける この鍵はあなたの力をすべて抜かせてしまう この鍵はあなたと私たちの子宮をつなぐもの 「私たちの子宮は邪であふれている。」 あなたは閉じ込められた この子宮という出口のない闇に あなたは方法を失った 完...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.12.09 Mon 12:03
そうかんじるのはからだのなかだ わたしの記憶 わたしのおもいで すべてがこごえている いてつくのは ふるいものからだ うまれたときの おさないときの そこからこおりはじめていく それがしだいにいまへとたっしようとする こおりついてしまえばいい そうおもうものもなくはない でも えらぶことはできない これだけはすくいだそう 無理じいなのだ みもこころも それはけっしてただしい表現ではない こころからはじまる わたしのはだがかんじるこのさむさは うちがわからしのびよるのだ
with a kiss, passing the key | 2019.12.08 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第77話 嫌悪(全100話) 「キオウ、どうしたんだ」聡明鬼は模糊鬼に訊いた。「お前は一体、何を探してるんだ」 「――聡明鬼……」キオウは呟くように呼び、うな垂れた。「俺は」 「スンキが、どうかしたのか」リューシュンは続けて訊く。 「――」模糊鬼は、答えられなかった。 自分の不甲斐なさのせいで、スンキを一度ならず二度までもテンニの手に攫わせてしまったのだ。 何一つ、言い訳をすることなどかなわない。 「テンニに、何を要...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.12.07 Sat 18:37
JUGEMテーマ:小説/詩 天空より下る愛という名のサレンダー。 その火花は、激しくどぎつくストレートなのに猥雑で 言葉は卑猥なものこそが性感を高めうる何かで 悪魔のように残酷で天使のように囁きかける 吐息の中に夢を含みながら 天空から下りて悪魔の所為になりゆく 空恐ろしい混乱と挑発と執着と恋うる気持ちと殺意 愛おしさが人を殺させる すべて壊してしまえば すべて壊してしまえば なかったことになるすべての報われない執着と恋心 「あんな人を愛した...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.12.05 Thu 13:54
JUGEMテーマ:小説/詩 「ピトゥイ」叫ぶ。 何も、起きない。 キャビッチは、手の中にある。手のひらの、上に。 それは祖母のキャビッチ畑になっていたもので、どちらかというと小さめのもの。葉の色は、うすいベージュオレンジだ。ころんとまんまるく、いかにも「野菜の子ども」といったイメージをあたえる。そしてなにより、さすがはガーベラのキャビッチというべきか、私の手のひらから伝わる魔力を、すべて、ひとしずくたりとももらさずその体のなかにすいこんでしまうのがわかる。 でも、何...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.12.05 Thu 01:44
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第76話 答え(全100話) 砂の上を、どこまでとも知れぬまま飛ぶ。 砂は、何も変化を見せることなく――この距離からではそのように見える――どこまでも続いている。 陽は傾きかけているが、大気はまだ大分熱い。 「こんなところで置き去りにされたら、たちまち干からびてしまうだろうな」リューシュンは思わずそう呟いた。「牛や馬でも、通り抜けるのは無理だろう」 「そうでやすねえ」ケイキョが、鼬の肩をすくめながらおっかなびっくりの体で下を覗...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.12.02 Mon 23:39
JUGEMテーマ:小説/詩 魔界の音がする その重低音には生きているもののではない歪みの隙間があり 物語に出てくる手足の長い魔物があちらこちらに音をこすりつけている・・・・ようだ 「なんで生きていないのかしら?」 私には分れなかったけれどその音が何を表しているのかを知りたくて ひたすらに歪みの中に入ってみた 天の祈りを唱え続けながら・・・ 「あなたはいつ捕まってしまったの?!」 ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.12.02 Mon 12:49
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