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JUGEMテーマ:小説/詩 「ではそなたたちの名を申せ」私たちの話を聞いたあと、祭司さまはひとこと目にそういった。 緊張した面持ちで祭司さまの前に立っていた三人のアポピス類のだれも、すぐに答えなかった。 その理由は、私にもすぐに察しがついた。 たぶん名前をいったら、つぎに祭司さまがおっしゃるのはこうだろう。「ではそなたたちに、名前を呼ばれると快楽をおぼえる“諾(だく)の呪”をかけるとしよう」 「こちらから、ケイマン、サイリュウ、ルーロよ」なんと祖母が、だまり...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.11.27 Wed 07:32
湯船に身をしずめるとおもいだす だんだんとにてきた それはおさない日の光景だ そのころのわたしにとって、そこはあそびばだった はだかで 湯をあびて そしてうかぶ そのさまをみつめているひとがいる そこではほんのいくつかのことをまもるだけだ ゆるされていたのだ 湯船にうかぶそのひとに 視線をおとすと まるでそのひとだ しろく ゆるやかで 解放されている だがそのころの彼女のような 充足をわたしはかんじない ただ いれものだけがにている それだけなのだ
with a kiss, passing the key | 2019.11.24 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 Gaffaにて・・・ 恐ろしい音楽が始まる あなたの目を見たら決してもう戻れない道にいると気づくしかなかった 足がスローに泥沼に引き込まれ 泳ぐように歩く時 何故か私は笑いながら涙を流していた 「どうして泣いているかわからないの。」 分らないから怖い分らないからとても怖い 動き出したら止まらないRed Shoes 死体の上を歩いて移動する浮遊してゆく足の感覚 あなたの細やかな雪のような愛情が欲しいの ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.11.23 Sat 19:46
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第75話 鬼対人間(全100話) さて―― 閻羅王は座に就き物も言わずじっとこちらを見渡していた。 リンケイも視線を返しながら、特段歩を速めるでも緩めるでもなく歩み寄って行った。 ――閻羅王は、俺をどう見るか。 半ば身を切られるほどの張り詰めた大気を、そして半ば愉悦にも似た楽しみを、リンケイは心の内に闘わせていた。 どちらにせよ、生きてここから出られるものではあるまい―― ――なにしろ、呪いにかかってしまったのだからな、俺は。 口...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.11.23 Sat 16:18
JUGEMテーマ:小説/詩 「よし、じゃあ早朝練習はこれぐらいにして、ばあさんとこで朝飯ごちそうになろうぜ」緑髪はひきつづきえらそうに、全員に指図した。 私たちはぞろぞろと、森を出た。 歩きながらもアポピス類の人たちは、私にキャビッチスローについてあれこれ質問してきたり、逆に私の知らなかった新しい情報を教えてくれたりして、私もだんだんこの人たちの話に興味を持ちはじめた。 やがて祖母の丸太の家が見えてきた。 「ほら、ここだ」ユエホワがさも知ったふうに指さす。「これが、伝説...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.11.22 Fri 09:12
この記事は、このブログで短編連載している、SF小説『'99-Polaris』の第10話です。 <作品紹介> 人類が地上から消え去った後の世界で、ポラリスは生きている。 自分が、何者か、何物かも、わからない。 ただ、自分自身の、生き終わっていく「物」を看取る「看取り人」という役目の確信と、 自分がこの地上の「最後のひとり」になるという、強い予感は持っている。 ひとりで生きていたポラリスは、 病院でケアロボットとして働いていた、AR装置による立体映像の男・サザンクロスと、 大学で作られ、美しくも怖ろしい...
StarGazer | 2019.11.22 Fri 07:42
JUGEMテーマ:小説/詩 いつかのことだった 永遠の自由 恒常的な自由 与えられた自由 自分で自分に許した自由を 君は本当の自由かとわからずに聞いた 「自由ってなに?」 今は肉体の自由だけを感じる心の自由なんて許されてはいなく いつも声が頭の中を駆け巡る声だけの声頭の中だけの声と現実の声 声なき自分の封印された声とそれがわからない自分とを置いてけぼりにして 自由なんていつか来るのだろうか? 肉体の自由が女を抱...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.11.20 Wed 11:32
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第74話 龍馬対龍馬(全100話) 空に昇ってきたトハキを迎え撃つように、フラはかッと口を開け迫った。 トハキの黒き体は波を打つように空中でかわし、馬の尾でフラの体をしたたかに打ち据えた。 だがフラも同時にそれをトハキに対して行っていた。 互いに尾で体を打ち合った龍馬は、空の上で睨み合い牙を剥き合った。 ごう 同時に、二体は焔を−−魔焔を吐いた。 フラのものは、紅き焔。 トハキのものは、黒き...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.11.18 Mon 14:40
そのおとこひとりのこして うかぶのは彼の表情だけだ 彼がみつめるのがおもいでだけなのだ なにもいわなくてもいい きっとそれで充分なのだ そのかのじょひとりのこして うかぶのは女の表情だけだ そしてなにをかたろうとするのだろう だれにもそれがおもいあたらない おんなをみる だが実際にみえるのは周囲 街の日常だ まるで女性ひとりが闇にきえたように そこだけがくらくうきあがっている やみにきえてしまった彼女のあとに 彼をそのまますえてみる
with a kiss, passing the key | 2019.11.17 Sun 00:00
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