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あしもとがおぼつかないばかりか なぜここにこうしているのだろう いや わかっているのだ だからこそ なのだ そしてそれをすなおにひきうけられない それだからこそ なのだ わたしのそとに そのりゆうがある そうやってつっぱねられるものがない 自信でも 根拠でも よそからみればそれはいいがかりめいたものでもいいのだ それすらない あえていえば いつまでもこうしていたい (ほんとうに?) それすらもかなわぬ ときはこくこくとすぎていく それもしだいにふたしかなものとなる
with a kiss, passing the key | 2019.11.03 Sun 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 「じゃあ、前に俺がかけられた纏(てん)の呪の、体が動かなくなるっていうのは」ユエホワが思い出しながらたずねる。「俺が、自分で……?」 「さよう」祭司さまはうなずいた。「お前はあのあと、ポピーに危害を加えようとしたのかね?」 「う」ユエホワは声をつまらせた。ちらり、と祖母の方を見る。たぶん、しまったよけいなことをいっちまった、とか思っていたんだろう。「いや、してない。なあ、してないよな」つぎに私の方をすがるように見ていった。 「さあ。おぼ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.11.01 Fri 11:42
JUGEMテーマ:小説/詩 「痛み苦しみのけぞり壁に打ち付け涙を振り絞り生きる君の心に いつもあるもの」 知るすべもなく笑顔を見続ける日々遥か 忘れまじのあの日々この日々あの時この心あの愛あの涙 生きるということは囚われの受刑者でしかないのだと語る知ったかぶりの本にも心開けず 知らず知らずのうちに誰一人にも心を開くことなくなり時遥か経ちて 笑顔が自分を泣かせる夜 わけもなくネットに向き合う 「君」という誰かに話しかけたくて言葉よりいいね!がほしく...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.10.31 Thu 17:09
JUGEMテーマ:小説/詩 今を走る 今をともに走る「友」という名のない君。 大切な友を亡くした君と、その友を知らない私が、ひたすらに真実に向かって音を 積み上げる日々。 声が聞こえたでしょう?あの方の声が。 私には聞こえました。しっかりとはっきりと絶え間なく哀しみにも諦めにも似た 低くて落ち着いた慈愛のある優しい声が。 21年前,あの女は高笑った。 「自殺じゃないのにね!バカみたい、誰も気づかないのよ?ははははは!」 「じゃあ、何なの...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2019.10.30 Wed 14:04
「うわ。降っとるやんけ」 ふらりと立ち寄ったコンビニから出た瞬間、彼は薄めの眉を潜めてそう言った。彼の面倒くさげな瞳は、つい先程まで青かったはずの鈍色の空に向いている。 隣に立つ彼女もそれを仰ぎ、その量の少なさにふと口元だけで笑った。幸い、目的地である駅までは5分もかからない。 彼のパーカーの裾をくいと引っ張って、彼女は告げる。 「このくらいなら、走っていけるよ。いこ?」 「………」 彼は何かを…おそらくは、彼女の言葉に反論し...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2019.10.25 Fri 19:49
「お願い、助けて…」 小さな少女が冷たく見下ろすその足元で、痛ましい程に…哀れな程に頬をしとどに濡らした女性は地面に頭をこすりつけた。 ふるふると、その肩口が小さく震えているのを、少女は見逃さない。それは、つい先程起こってしまった事態への恐怖なのか、或いは連れ去られていった自分の夫の生命の心配ゆえか。 または、先程まで自分が見下していた存在であると知ったその少女に頭を下げることへの屈辱感なのか。 どれであっても、別に構わない。元より少女の答えは、最初から決まって...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2019.10.23 Wed 23:53
JUGEMテーマ:小説/詩 「そのアポピス類の子たちは、ピトゥイが使えるの?」祖母は首をかしげながらきいた。 ユエホワは、お茶を飲んでいる私の方を見た。 「えーと、発動はしてたよ」私は天井を見あげながら答えた。「キャビッチは、消えてた」 「そう」祖母はあごに指をつけ、考えた。「けれど、実際に呪いが解けたかどうかは」 「うん、わかんない」私は首をたてにふって横にふった。「誰も呪いとかかけてないし」 「ピトゥイは、発動一年発効十年といわれているのよ」祖母はうなずきながらいっ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.10.23 Wed 08:46
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第70話 風の中(全100話) ざああああ それはまるで波のごとく、強くなり、弱くなり、だが完全に途切れることはなく、リンケイ−−この初見の闖入者をためつすがめつしながら、すぐ傍をかすめてゆく。 −−なるほどこれが、音に聞えた陰陽界の“風”というものか。 陰陽師は摺り足に近い歩みを静かに進めていた。 耳を、頬を撫でるのは大気の揺らめきではない。 怨念の、憎悪の、そして助けを乞う悲哀の声でもある。 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.10.19 Sat 19:22
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