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川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第16回)

3 非知と知のせめぎ合い   『仙境異聞』の文体  ここで改めて、『仙境異聞』という、篤胤の全著作の中にあって特異な位置を占める、聞き書きの名著について、総括してみることにしよう。  『仙境異聞』の〈文体〉には、次の三つの特徴が認められる。   (1)主体と客体をきちんと分別し、客体である寅吉の言動や、少年と彼に接触する人々の関わりを、一切の恣意的・主観的な偏見・思い入れ無しに、虚心に観察し、記述せんとする姿勢。 (2)寅吉自身の感覚・体験・知識を忠実に記述する部分と...

星辰 Sei-shin | 2021.04.16 Fri 12:47

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第15回)

孤独なアーティストの貌  寅吉の言葉や振るまいへの着目を通して平田篤胤が浮上させてゆく思想・感覚には、現代人である私たちの感慨をそそるものがある。  江戸後期というのは、こんなにも〈闇〉の深い時代だったのか、という感慨だ。  妖怪や魑魅魍魎(ちみもうりょう)の跋扈(ばっこ)する世界だと言っているのではない。  社会の到る所に、人を孤独にしてくれながら、ほっと息をつかせる、〈闇〉の空隙というものが存在していたのである。  異形の天狗小僧・寅吉を生み出したのも江戸後期社会の闇なら、そ...

星辰 Sei-shin | 2021.04.15 Thu 12:13

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第14回)

非知の身構え  こういった寅吉の〈身体性〉への、篤胤のシンクロ率の高さは、少年のとらわれのない実験精神への着目にも垣間見られる。  ある時、寅吉の師が夜学をする時に用いる器の事が、話題となった。それは月夜木という光木で、それを細かくしてガラスの器に入れ、机上に置くと、「夜光の玉」という、光を放つ物になるという。  寅吉が、夜光の玉を作ってみせると言って、さかんに光木を欲しがるので、平田門人の守屋稲雄が少年をからかって、「お前は夜光の玉を作るというが、私は、元より神の御霊(みたま)によ...

星辰 Sei-shin | 2021.04.14 Wed 10:57

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第13回)

生気ある身体への渇き  だが、この『仙境異聞』という著作には、そのような尊大な知識人としての平田篤胤を吹き飛ばしてしまうような、ある種の「風通しの良さ」が認められるのである。  それは、少年寅吉の振るまいへの、きめ細かな観察の中に表われている。  例えば、平田邸における寅吉の「いたずら好き」「わんぱくぶり」の凄まじさを描写した、次のような文章である。 「常のしわざ大抵かくをさなく可笑(おか)しければ、来集(つど)ふ人ごとに愛(いと)しく思ふも理(ことわ)りなり。(寅吉の振るまいは大...

星辰 Sei-shin | 2021.04.13 Tue 12:04

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第12回)

慢心への警戒  そしてまた、このような求道的な純粋さは、寅吉=杉山山人の教えにあっては、人間の「慢心」への強い警戒心ともつながっている。  寅吉がとりわけ厳しく戒めている「慢心」は、大別してふた通りある。  ひとつは、モノを「所有」し、「貪る」者の危うさ・地獄であり、もうひとつは、〈知〉=学問に携わる者の陥る危うさである。  『仙境異聞』で篤胤の大人的な文体に翻訳された寅吉の言葉によれば、彼は、後者について、おおよそ次のように述べている。    全て「学問」というものは「魔...

星辰 Sei-shin | 2021.04.12 Mon 12:00

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第11回)

死後に神になる  寅吉は続けて、人は「人間相応の勤め」を第一とし、「身の行い」を正しくし、「死後には神になる」ように「心を堅むる」のが肝要であると言う。  「死後に善神になる」には、「最期の一念」(死の間際に人が抱く「後生」への祈念)が大切であるが、それには、「生涯の一念」を貫き通してゆく覚悟が必要だ。何事も、成就しないだろうと思ってはならぬ、「何事も成就する」と心得て精進すべきである、と寅吉は語っている。  こういう考え方は、平田篤胤の思想と、そのまま重なるものである。  寅吉=...

星辰 Sei-shin | 2021.04.11 Sun 12:06

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第10回)

2 生き難さを超えて   天命への畏怖と主体性  しかし寅吉は、山人=異人世界の住人として生きるほかはなかった己れの人生を、必ずしも、幸せなものとは考えていなかったようである。  ある人が冗談まじりに、「自分はこの世に住むのがつらく苦しいので、山人に成りたく思う。山に帰る時に、なんとか自分も同伴させてくれないか」と頼んだことがあったが、寅吉は、それを真に受けて、「それは大きな心得違いだ。人は、この世に住んで、この世の人の『当たり前』の事を務めて終わるのが、『真の道』なのだ」と応...

星辰 Sei-shin | 2021.04.10 Sat 11:03

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第8回)

山人修行の日々  文化九年(一八一二)、数えで七歳になった年の四月頃、寅吉が東叡山の山下で遊んでいると、五条天神のあたりで、「歳のころ五十ばかり」にみえる、「髭長く総髪をくるくると櫛まきの如く結びたる」旅装束の「老翁」が、「小壺」より丸薬を取り出して売っていたが、やがて、取り並べていた物を、小さなつづらや敷物まで、ことごとく、この小壺に収めたあげく、自身もその壺の中に入るや、壺は大空に飛び上がって、いずこともなく行ってしまった。  寅吉は、その後、また同じ場所に行って、夕暮れまで見てい...

星辰 Sei-shin | 2021.03.23 Tue 08:28

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第6回)

気配への感受力  以上のように、寅吉には、霊能者としてのさまざまなエピソードがあり、それは、目に視えぬ〈気〉の流れを繊細に察知しうる、彼の身体能力の高さを物語っている。  微かな断片的兆候・気配をもとに、〈未知〉ないし〈未然〉の出来事の〈全体〉のイメージを直観的に洞察したり、「先取り」したりする能力である。  科学めかした用語を使うなら、精神医学者の中井久夫が『分裂病と人類』(東京大学出版会・一九八二)という本の中で唱えている「微分回路」的な認知能力というものである。  要するに、...

星辰 Sei-shin | 2021.03.20 Sat 13:15

川喜田八潮 著『平田篤胤』(連載第5回)

霊能者・寅吉  寅吉の母親の言葉によれば、この少年は、五、六歳の頃から、時々、未然に言葉を発し、さまざまな予知能力を発揮していたという。  例えば、下谷広小路に火事があった前日に「広小路に火事がある、早く逃げろ」と告げるが、人々はただの「物狂い」だと思って相手にしなかったところ、はたして、翌日の夜に、広小路は焼亡してしまったそうである。  また、父親のケガや、家に盗人が入ることを予言して、その通りになったこともあったという。  寅吉は、数えで十三の歳に、「禅宗、日蓮宗などの宗体を見...

星辰 Sei-shin | 2021.03.19 Fri 11:32

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