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いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) 最終 samedi 8 octobre 2011

  言語体系  日本語は欧米語と比較して覚えるのに本当に時間がかかるのか。理窟から言つてアルファベット二十六文字を使ふ言語はアルファベットを覚えさへすればよいと思ふ人はいまだれもゐない。どのことばも覚えるのにおなじくらいの時間を必要とするはずである。ローマ字にしても、日本語にローマ字で読み仮名をふれば國際語になるはずもない。そもそも言語体系が違ふのだから、音にして読んでみても意味などない。   パラダイムシフト  どうして日本語が劣る言語だといふ考へが出てきたのかと言へば、...

蛮茶庵 | 2011.10.10 Mon 20:23

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その10 vendredi 7 octobre 2011

  社会問題になる國アメリカ  小泉元首相のとき、絶叫の挙句、市場原理主義が持ちこまれ、結果経済格差が顕著に鮮明になつた。市場原理主義の先輩國アメリはでは、失業、経済格差が際立ち、いまウォール街で、異議を申し立てのデモが行はれてゐる。すでにデモが行はれてから二十日が過ぎた。しかし一向にデモ終息の気配は見えて來ない。逆にアメリカ全土に拡がりを見せてゐる。アメリカ民衆のひとり一人が考へ、さうして口を開き、不平等に対して異議申し立てをしてゐるのである。   社会問題にならない國日本 ...

蛮茶庵 | 2011.10.09 Sun 16:23

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その9 jeudi 6 octobre 2011

  勝手な思ひこみ  國語改革を推進したひとりに「ふりがな廃止論」で知られる山本有三(1887 - 1974)がゐる。山本有三が、「ふりがな廃止論」を打ち出した背景には自分の近眼の原因が「ふりがな」にあつたとして強力に「廃止」を訴へた。結果「ふりがな廃止」が決まつた。周りを見ればさうでない人もたくさんゐるのに、一個人の出來事がすべての人に等しく当て嵌まるとして強行したのである。    國語改革者にはこの種の思ひこみを持つ人が目立つ。國語を批判的に見た最初の人として、江戸時代中期から後期に...

蛮茶庵 | 2011.10.07 Fri 15:57

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その8 mercredi 5 octobre 2011

  ネイミングからすると  敗戦後の國語改革のことを知らない人が「常用漢字」と示されて、そのネイミングからなにを聯想するかといへば、「日常生活で普段に使ふ使用頻度の高い漢字」といふ聯想だらう。しかしこれまで見てきたやうに、常用漢字の前身は当用漢字であり、当用漢字は漢字廃止のための間に合せで作られた漢字一覧表であるのも見てきた。それが一九八一年「常用漢字」とネイミングされた。    一度ネイミングされ、ことばとして知られるやうになると、その名前は認める人各自のイメージをまとひ、...

蛮茶庵 | 2011.10.06 Thu 17:12

言葉が分からないほうが、                          ダイレクトに私の魂が伝わってしまう。

外国を旅する時と、日本語が通じないカナダ・モントリオールで行った「猟銃」公演とを掛けてそう語ったのは、中谷美紀さんです(9月30日の『朝日新聞/エンンタメなう。』)。「たたずまいから、ありのままの気持ちを見抜かれてしまう」という見方は、なるほどと思わせてくれます。コミュニケーション上手は言葉が通じなくても、笑顔と身振りで気持ちを通わせてしまいます。「字幕を見るのも忘れて演技に見入った」とはカナダの観客の言葉です。その前に“伝えるもの”がある、というのが第一条件になりますが。JUGEMテーマ:日本語

いいコトバ | 2011.10.06 Thu 00:33

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その7 mardi 4 octobre 2011

駄目押しの最後つ屁  仮名つかひで最後にひと言。國語改革派の表音主義者たちが、ただただ、ひたすら、徹底的に日本語をメチャクチャにしてしまつたのは「へ」を一律「え」にしてしまつたことである。これは例を挙げる暇がないほどである。教へる ⇒教える、堪へる ⇒ 堪える等々、この手のものがすべてさうである。かういふ無神経な改革を断行してしまふのだから、耳が鈍感になつて、音を聞き分ける能力がなくなるのは当然である。   当面用ゐる漢字の登場  さて今度は漢字である。敗戦当時漢字は「封建的な...

蛮茶庵 | 2011.10.05 Wed 16:19

「造作」ってどう読みますか

JUGEMテーマ:日本語  当塾では、時間の合間に生徒さんに音読をさせています。そのなかで、ある大工さんの物語がありました。そのなかで「造作」という言葉が出てきました。

中川岳志のブログ | 2011.10.04 Tue 22:45

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その6 lundi 3 octobre 2011

  歴史的仮名つかひの実践者  丸谷才一(1925 - )も作品を書きはじめた当初は現代仮名つかひで作品を書いてゐた。それが筑摩書房の日本の詩人撰10の『後鳥羽院』を書いたつぎの作品『裏声で歌へ君が代』から歴史的仮名つかひを使用するやうになつた。その弁は歴史的仮名つかひと古典作品の間に論理的一貫性があるといふ趣旨の發言をしてゐた。    小西甚一(1915 - 2007)ではないが、歴史的仮名つかひを使ひたくても使へない。歴史的仮名つかひで論文を書くと現代仮名つかひに直す役人がゐるとなげいてゐた...

蛮茶庵 | 2011.10.04 Tue 18:12

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その5 dimanche 2 octobre 2011

  仮名つかひ  歴史的仮名つかひと現代仮名つかひの相違はハ行動詞の活用だけに眼を奪はれがちだが、それはほんの一部である。表音を名目にして、目立たない多くのところで無条件な一律化が行はれた。それによつてなにが失われたかといへば、語源が断ち切られてしまつた。たとへば鼻血は漢字からみてもわかるやうに、「はなち」「はなぢ」であるが、これが「はなじ」になつてしまつた。これでは「じ」は「庤」と間違へかねない。    ゴミとして捨てるのならまだしも、心の襞や思考の詳細な細部を表現し...

蛮茶庵 | 2011.10.03 Mon 13:52

いま使つてゐるわれらの日本語が作られた経緯(いきさつ) その4 samedi 1er octobre 2011

  表音とは  戦争に敗れた後の日本ではことばに関する極端論が横行してゐた。戦争に敗れた原因を、習得するのに長時間かかるといふ日本語にするものもゐた。また志賀直哉のやうに、いつそ日本のことばをフランス語にしたらといふものまで現れた。かういふところからもわかるやうに、当時は日本語に対する否定的雰囲氣が圧倒的であつた。それに背後には、先に見たとおり、占領軍の言語政策が控へてゐた。表音をめざす人々にとつてはそれはお墨付きそのものだつた。    紆余曲折はあるが、いま使つてゐる日本語...

蛮茶庵 | 2011.10.02 Sun 18:04

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