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JUGEMテーマ:日本文学 ◆小田切先生の色紙 ある時、小田切先生から突然電話があって、「君とは長いつきあいだが、まだ君の家に行ったことが無い。一度表敬訪問をしたいが、どうかね」とおっしゃる。びっくりし恐縮もしたが、もちろん喜んでお受けした。気のはやい先生は、その翌日早速お見えになった。手土産にされたケーキの店サンスーシの女将(おかみ)は、鷗外論などもある聖心出の人で――とか、東京新...
見る 読む 歩く | 2020.08.13 Thu 07:15
JUGEMテーマ:日本文学 著者の「書評の役目は大八車の押し手」という考えには全くもって同感。この表現を見て、昔、呉智英が『読書家の新技術』で紹介していた足立巻一『やちまた』に対する朝日新聞のアナグラムまで使ってある熱のこもった書評を思い出した。評者が心底その本を薦めたいと思っているなら、その熱は文章からハッキリ伝わるし、読み手はその熱をしっかり受け止めなくてはいけないという例として呉は紹介していたのだが、この『ニッポンの書評』では、著者自身が見事な「大八車の押し手」ぶりを発揮していて...
本、読みました。 | 2020.07.31 Fri 21:21
JUGEMテーマ:日本文学 2007年の本なので語られているネタとか小説は古いんだけど、大森・豊崎コンビの語りは十分楽しめる。私が通常の文壇事情に関心がないせいか、選考委員ネタには初めて知ったこともあり満悦。まあ、4冊目なので「ああ、また言ってる」程度の感じ方が強くなっているのは事実だけどね。それでも津村陽さよなら特集みたいなのもあって楽しい作りになっている。それにしてもこの中で取り上げられている作家の中には「今何してるんだろ?」的な人もちらほら居て、13年という時の流れを感じたね。 ...
本、読みました。 | 2020.07.09 Thu 12:23
JUGEMテーマ:日本文学 表題作は初めから注意して読んでいればオチは予想できただろうが(なぜこんな理髪店まで来た? 店主には別れた妻と子供がいる?等)、床屋へ久しく行ってない身としては、描かれる散髪の過程に以前通っていた理髪店を思い出し、自分が散髪してもらっている気分で気持ちよく読み進めたために全然気づかなかった。文章が気持ち良くて、ほぼ散髪してもらったような読後感。「いつか来た道」は家族に同じ病気の者がいるので早い段階で展開は読めた。一種の「あるある感」だね。「遠くからの手紙」は戦...
本、読みました。 | 2020.06.02 Tue 20:10
JUGEMテーマ:日本文学 上巻の感想に書いた3人がどうなったか書くのは完全なネタバレになるので遠慮しておくとして、下巻で特に印象的だったのは主人公の母親の闘病の様子。末期がん患者の衰弱していく感覚が細かく描かれているが、そんなところまで作者が経験しているわけないし、一体、どういう取材をもとに想像力を広げたのか、とても気になった。その一連の描写だけでも読む価値がある小説。亡くなってしまう(あっ、ネタバレだ!)母親も含め、登場人物たちそれぞれにその後の人生があることを読者に意識させな...
本、読みました。 | 2020.05.10 Sun 09:50
JUGEMテーマ:日本文学 事故などで亡くなった人が死亡した場所を回りそれぞれの死を「悼む」生活を続けている主人公。取材の過程で主人公の存在を知った雑誌記者、主人公の母親、そして自分が殺した夫を悼む主人公の姿を見たことから行動を共にすることになった女性という、3人の視点で物語が進む。雑誌記者が主人公の生き方に納得することはあるのか、主人公の母親はガンで亡くなる前に息子と会うことができるのか、夫殺しの女性が最後に夫から伝えられた言葉は何だったのか、そんな謎を残しながら物語は下巻へ。こ...
本、読みました。 | 2020.05.10 Sun 09:49
JUGEMテーマ:日本文学 歌人の三宅花圃が何気に手にした師中島歌子の手記から舞台は幕末へ。天狗党の動きを背景に一人の女性が動乱の水戸で生き抜いた姿を描いた話は最後にまた元の時代へ戻ってくる。最後のキーとなる人物の正体は、明かされる前に消去法であの人物だなと察しはついたが、それでもその着地の仕方は見事。清六を始め脇を固める登場人物の描き方が上手いし、文章も良い。「貫目のある」などという表現、他では見かけないよ。今まで私が読んだ直木賞作品の中ではナンバーワンだと思う。正直、期待して読...
本、読みました。 | 2020.05.10 Sun 09:45
JUGEMテーマ:日本文学 青春篇はそれほど面白くないと聞いた覚えがあるんだけど、そんなことは全然なかった。続きが読みたくなったわ。その後について映画では見たんだけど、原作でどう描かれているのか知りたくなった。ユーモアを感じる文章。ちょうど真ん中あたりの章替わりのところに「幕間二十分 ― 読者諸君ハコノ休憩時間ヲ利用シテ食堂ニオハイリ下サイ」とあるのなど笑うしかない。こういうゆったりした小説、久しぶりに読んだような気がする。これ、続編というかこの後の各篇がなかなか手に入らないようなの...
本、読みました。 | 2020.05.09 Sat 16:08
JUGEMテーマ:日本文学 実際の事件をモデルにした作品。文章が硬く、ゴツゴツした印象。昔はこういうのを純文学だと思っていたんだなぁ。先日読んだ「宴のあと」は随分読みやすく感じたが、あれはこの本から10年後に書かれた作品だったからか。高校時代に読んだ「仮面の告白」や「金閣寺」はどちらに近い文章だっただろう? 純文学という印象が残っているから本作に近かったかもしれない。あの2作も、今だと純文学どころかただの硬く読みにくい文章だとしか思わないだろうが…。それでも小説として評価される...
本、読みました。 | 2020.05.09 Sat 12:29
JUGEMテーマ:日本文学 実話をもとに構図が描かれているせいか、いろいろな意味で読みやすい。もっといえば、三島由紀夫ってこんな陳腐な小説を書いていたのか、というのが正直な感想。印象的だったのは主人公の「墓」に対する思い。作品の表面で繰り広げられる政治的モチーフの応酬の中にあって、この「墓」の存在はそこだけ別の光が当たっているように感じた。あとは最後の山崎の手紙。著者のメッセージはそこに込められているのだろうが、それを読み解くのは決して難しくない。一度お読みになってみては…と...
本、読みました。 | 2020.05.09 Sat 12:28
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