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俳句
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夏井いつき『句集 伊月集 龍』(朝日出版社)より

  2015年復刊(平成11年初版) 「いつき組」組長 第1句集   遺失物係の窓のヒヤシンス   春眠てふひかりの繭にうづくまる   さへづりや会はねばすぐに忘らるる   桐は天のあをさに冷ゆる花なりき   滝みつめをるや眼球濡るるまで   蛍火のふいに二手に分かれけり   あぢさゐのためのつめたき花瓶かな   蔵二階まで夏蝶ののぼりくる   学生のずるずる歩く暑さなり   日盛や漂流物のなかに櫛 &n...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.11.12 Wed 19:18

池田澄子『句集 月と書く』(朔出版)より

  2023年 「豈」「トイ」同人 第8句集   秋祭ゆく水に灯の映りそむ   カマキリの初めましてという立ち方   冬木の芽さぞやこの世の怖からん   そよかぜのまぁまぁ春という感じ   花の下こっちこっちと手のひらひら   大概のことはどうでも飛花落花   鷹化して鳩となるなら我は樹に   梅園を歩き桜の話など   涼風と鈴かすてらという菓子と   めまといが居るらしあの手の振り方は   送...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.11.11 Tue 17:50

小澤實『句集 澤』(角川書店)より

  2023年 「澤」主宰 第4句集   木の家の窓も木の枠きりぎりす   みしみしと増ゆる人間冴返る   買はんかな山桜咲く島ひとつ   鳥除に鮑の殻や島の春   軽トラック荷台にわれら合歓の花   鯵の腸抜く鯵の桶腸の桶   さはやかに知多と渥美とむかひあふ   花冷や都電と都電すれちがふ   羽止めて夏燕なり滑空す   立ち上がらずよ草に這ひ草を引き   鍋深くスープ澄みをり冬籠  ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.11.10 Mon 17:41

梅沢富美男『句集 一人十色』(ヨシモトブックス)より

  2023年 第1句集   ライン引き残してつるべ落としかな   友ふたり卒業の日の病室に   空のあを富士の蒼へと飛花落花   何度目のオセロ薄目のこたつ猫   春愁をくしやと丸めて可燃ごみ   ナイターの売り子一段飛ばし来る   玉葱を刻む光の微塵まで   黒七味蕎麦に振り込む義士祭   冬木立シャンパン色にさざめきぬ   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.11.09 Sun 09:25

伊藤康江『句集 結び柳』(角川書店)より

  2020年 第4句集 「萌」副主宰   竹を割る音に始まる雪囲   口口に囃して野火を育てけり   手花火の終のしづくを愛しめり   航跡の白きを追ふも愁思かな   滴りの音を重ねて山静か   長き夜のいつしか問はず語りかな   禽声のはづむ小春の竹生島   故もなく人の声欲る夕桜   三伏の水生き生きと湧きゐたり   炎帝に一も二もなくかしづきぬ   眼力のまだ残りたる捨案山子   ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.11.08 Sat 11:20

2025年10月に作った俳句_2

JUGEMテーマ:俳句   10/16 銀杏散る舗道に開く傘の色 水たまり紅葉ゆがむや店の前 濡れ落ち葉踏まれぬままの通学路   10/17 雨後の宵露まとう草きらきらし   10/18 秋深しスマホを伏せて風を聴く 秋読書紙めくる香を頬で受け 晩秋に通知ひとつの灯の重み   10/19 セルフレジ読みえぬ秋や立ち尽くす 木の実風指まごつかすレジ袋 野ざらしのカート夕日に身じろがず   10/20 皆スマホ車窓の富士は緋色かな 秋思なく視線はスマホに...

遅き日のつもりて | 2025.11.03 Mon 18:18

駒木根淳子『句集 夜の森』(角川書店)より

  2016年 「鱗」同人 第2句集   遠足児邪馬台国を駆けまはる   ジーンズの裾の重たき濃あぢさゐ   半夏生もう昼でなくよるでなく   遠郭公気を付けのまま寝袋に   びしよ濡れの少年とほる立葵   巨き荷とベンチに睡る冬帽子   六枚に散つて終りぬチューリップ   ひと蹴りに四隅の光る水馬   滑落の一瞬蛇の伸びきつて   付添ひの寝床のかたし後の月   取れかかる釦のやうな冬桜 &...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.29 Wed 22:35

第409回坐忘会 令和7年神無月句会

JUGEMテーマ:俳句    開催日:令和7年10月19日(日)  場 所:本部道場 剣道場会議室  参加者:8名  投句者:11名    急な寒さ、男性だけの少人数、少し寂しい会でしたが、投句は近年最高の133句で、句談義はいつもに増して活発でした。  最高得点者は2名、眞澄さん、翠玉さんでした。  今回の兼題は「秋の山」「落ち鮎」「松茸」   ------各自の高得点句を紹介します。--------    惜しみなく乾坤つなぐ百舌鳥の声                ...

座禅修行だより | 2025.10.21 Tue 16:42

2025年10月に作った俳句_1

JUGEMテーマ:俳句   10/1 新米をとぐ妻の手や余念なし 皿しまい妻に茶を置く秋 しんと   10/2 東京の夜の孤独を月見張り   10/3 勤め人なら誰しも、辞めてやると思う日がある。 怒気出でて虫が息呑むしじまあり 木の実踏む靴底秋を砕きけり 辞表まだ夜長に黙すキーボード   10/4 いつもの散歩道、秋の雨が静かに来た。 コスモスやバス停にただ時間あり 散歩足止めて秋雨見上げけり 秋雨や傘も人をも白くして   10/5 子供たちと...

遅き日のつもりて | 2025.10.19 Sun 14:59

柏原眠雨『句集 夕雲雀』(角川書店)より

  2015年 「きたごち」主宰 第4句集   水槽の魚に今年の水足せり   停年の教師もをりぬ卒業歌   春光に弾みてシャドーボクシング   口笛の第九も御用納かな   福引に得し石鹸の福の泡   雪の歌洩れ雪晴の幼稚園   畳屋を継ぐと胸張る卒業子   荒布干す津波塞ぎの扉に掛けて   去り際に案山子拾へるコンバイン   エレベーター雛の売場の前に開く   夏雲や牧に二つの馬の群   ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.18 Sat 18:43

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