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1999年 「狩」同人 第1句集 水着着てエバの隠せしもの隠す 枯れてなほ向日葵太き茎で立つ 一点となりたる凧の糸を持つ 懐手凶のみくじを握りしめ 角出して進路定まるかたつむり 夏痩せの母空箱を捨て惜しむ 木枯の大手搦手城を攻め 咳き込みて打ちあけられぬ胸のうち ままならぬてにをはクリスマス・カード 水澄んでゐて底見えず山泉 汗拭ふ広き額は...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.08.22 Thu 11:03
1992年 つばくらめ死につくまでを護りてゆけ 作者不詳 秋日没り糞尿流し出す舷側 吉田忠一 憎しみもなく首を打つ日寒く 宮本朱明 いま兵が死にゆく暖炉すでに消え 小寺歓二 馬こほる真夜は野犬の眼が光る 岡本圭岳 戦友を焼くことに馴れゐて寒かりき 高田あきら 冬の日や灰に残れる妻の文字 栗生純夫 氷上に坐して漢虜のもの言はず 文雄 蝿が吸ふ捕虜の眼二つとも撃たれ 梶原寅次郎...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.08.21 Wed 20:45
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和6年8月18日(日) 場 所:本部道場 剣道場会議室 参加者:12名 投句者:6名 新設なった剣道場会議室で初めての坐忘会、参加者がこれまで最高の12名、加世さんの初出席、出句数が最高の126句と特出すべきことの多い酷暑の日の会でした。 高得点者が、温雄、桃雲、眞澄、光舟さんの4名。これも初。 特選句のあった眞澄さんが賞品を獲得した。 今回の兼題は「七夕」「盂蘭盆」「花火」 ------各自の高得点句を紹介しま...
座禅修行だより | 2024.08.20 Tue 20:06
昭和55 「鶴」「春燈」会員 竹林のこぼれ日の恋雀かな 菊膾老いては味のある顔に 頬杖仏蛙におん目借られけり なんの実か爆ぜて焚火を驚かす かなづかひ毛糸編む娘にまた質す 松過ぎの凧へろへろとあがりけり 山栗を拾ひをさなき日を拾ふ 広辞林歳時記散らし寝正月 夕焚火双手かざしてみなやさし 蝋梅にとろりと午後の日ざしかな 賭けごとに溺れし祖...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.08.13 Tue 21:06
令和6 「香雨」同人 風鈴に触れてすらりと風通る 昼寝児の顔のぞき込む昼寝覚め 何もなき地を啄みて寒雀 智恵ついて悪知恵ついて夏の果 瀧落ちて樹々も大地も眠らせず くしやみして生まれたての子驚かす 霧襖進めば少しづつ開く 強すぎる風には止まり風車 モンローに似たる一匹金魚鉢 目を閉ぢてはんざきおのれ消しにけり ふり立てし角をつかまれ兜虫 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.08.09 Fri 11:40
昭和56 「馬酔木」同人 第2句集 ほたる見の車の中を螢とぶ 晴るるらし声つつぬけの青葉木菟 猪鍋や酔のまはるが目に見えて 首を振る百合の夜風がとどきをり 盆ちかき仮寝の夢に母のくる 使はれてそりくりかへる蝿叩 駆けゆきて雲となりけり補虫網 弟を泣かせ片手に蝉鳴かせ 灯をつらね旧街道は秋まつり すぐ泣いてもどる端午の紙兜 遠花火全きが見...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.07.30 Tue 19:25
2023年 「晨」同人 「汀」会員 里人 第1句集 探梅の朽ちし祠にゆきあたる 決めかねて仰ぎてゐたる夕焼かな 夕焼を拡げゆきけり豆腐売 思ひ出に身をしづめゐる柚子湯かな 大空のがらんと碧し山眠る 母を待つ窓にたつぷり春夕焼 日は天に那智の大滝轟けり 山のこゑ風の声聞き薬喰 青梅雨のあした産声あがりけり のどけしや雲の近づく観覧車 母の日や百...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.07.23 Tue 19:02
2013年 第1句集 水ぬるむ頃やをみなの蜜もまた 高千穂や記紀このかたの山霞 本日はお日柄も良く花粉症 耳もとに囁く邪鬼や夕桜 佐保姫やうすくれなゐの貝の肉 しなやかにかひな二本や更衣 さみだれや厩舎にこもる馬の息 五月闇生き殺しつつ愛し合ふ 路地裏にソースのにほひ充ち暑し 帰り花咲く散りぎはのやうに咲く 木がらしを行く贅肉を削ぎにゆく ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.07.18 Thu 20:45
2001年 「氷海」「狩」同人 第1句集 木片のごと舟かわく鵙日和 耶蘇の島麦は海際より熟れて 十字架の主に見おろされ土筆つむ 盆の僧海見てゐしが歩き出す 横たへて舟より長き和布刈竿 白塗りのまま背にねむる祭稚児 まだ誰もくぐらず茅の輪匂ひけり ある筈のなき胃にしみて寒の水 とつぷりと暮れてまだ鳴く法師蝉 着ぶくれの一人が遅参戦友会 文机の...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.07.14 Sun 18:36
2001年 「狩」同人 第1句集 枯菊を焚けば菊の香よみがへり 歓声のあとの嘆声揚花火 来客に空より応へ松手入れ 掃初めの塵にまぎれてはづれくじ 川床料理眺めてしばし箸つけず 前足をきつちり揃へ狩の犬 石と貝机上にならべ夏休み 手袋のごみ手袋を脱ぎて取る 耳寄りな話も尽きて日向ぼこ 麦秋や名付け事典に栞して 大夕焼引き返すなら今のうち &nb...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2024.07.09 Tue 21:05
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