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昭和8年 「馬酔木」主宰 第2句集 ひるすぎて薄氷魞をはなれけり 大島を波路の霞へだてけり 白樺を幽かに霧のゆく音か 時計塔日はなごやかに北吹けり 受験生春暁を来て扉に倚れる 窓あけて沈丁の香をいれてやる 渦潮に蝶まひいでておぼつかな 夏蝶に大路かゞやき風吹けり よきめざめみんみん蟬の聲おこる 拳闘は煌々と蟬鳴きつゞく 拳闘は...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.15 Sun 21:34
昭和58年 「麻」主宰 第1句集 絵心の湧いては消ゆる青嵐 へびの瞳は玻璃の瞳ひとに諂はず 日昃ればただの芒に戻りけり お茶の花ほかりと思い出づること 雨冷えやさよならを言ふために待つ 把手廻す背後すすきといわし雲 海展く万緑なだれゆくごとし まぼろしの鬼打つ豆のやはらかし 寒三日月言葉ひとつに身を削り ひと妻の頭上花栗千垂れて 箒持つ楽しき...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.14 Sat 17:04
昭和22 没後に集められた初句集 向日葵や脂ぎりたる鼻のさき 向日葵のゆさりともせぬ重たさよ 向日葵や大審院の庭のさき 紫蘭咲いていささかは岩もあはれなり 榧の木に榧の實のつくさびしさよ たまさかに浪の音して夜の雪なり 竹林の冷かに子と坐つてる 色蔦や陽は篁を荘厳す 物の音の冴える夜だ子も目をあいて 筍掘り掘り菫見つけた 菩提樹の新芽だ引越すにき...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.10 Tue 22:07
昭和18年 「雲母」主宰 第4句集 八重山をうづむる雪に機はじめ まな妻のまなこあまえて春の風邪 つぶらかな眼に人をみる蜥蜴かな 機影ゆく秋闌のうろこ雲 帰還兵爐にウクレレをよこたへぬ ふりやみていはほになじむたまあられ 春灯をみるにもあらず病者の眼 夏雲にたちはだかりて水泳着 しなしなと吾子の手くびや夏を病む 派手ゆかた来て重態のいたましさ ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.08 Sun 22:24
昭和26年 「雲母」主宰 第7句集 一篇の軸を上座に契沖忌 幸福に人のくつおと秋の苑 花供せば靈ちかくゐて秋の晝 葬も了へてなほ靴音を待つ秋夜 花さかる莖のうすいろ曼殊沙華 まらうどに禮をつくして菊白し 機関車の蒸氣が凍てる月明り わらべらに天かがやきて花祭 落ちかかる月をめぐりて歸る雁 墓草をとりしづここころ秋に入る 雁仰ぐなみだごころをた...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.06 Fri 18:48
昭和61 「風」主宰 第8句集 うすらひをしばらく朝日とらへたり 百千鳥浮島に声満ちにけり 乗込鮒枯葉藻屑をかきわけて 秋日沁む白燈台の横顔よ 甘茶仏男女やさしき目をしたり 妻の筆ますらをぶりや花石榴 虫時雨草の戸浮かんばかりかな 山国の雲の迅さや盆の月 通し土間藍の匂ひの爽やかに 鮎喰ひに但馬へ一つ峠越え いてふの実拾ふ鳥打帽で来て  ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.06 Fri 18:32
昭和62年 「諷詠」主宰 第5句集 ぽつぺんは口より遠くにて鳴れり 水馬決して水に濡れてゐず 憎むにはあらざる草を引いてをり 新藷の赤の火照つてをりにけり この國に青田の青のある限り ままごとの中の虚と實赤のまま 栴檀の實の金色(こんじき)に見ゆる距離 薬喰などと思はず食すべし 遠足の雨の氣になる老教諭 兵糧のごとくに書あり冬籠 生け足して生...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.05 Thu 20:25
昭和62年 「諷詠」主宰 第5句集 ぽつぺんは口より遠くにて鳴れり 水馬決して水に濡れてゐず 憎むにはあらざる草を引いてをり 新藷の赤の火照つてをりにけり この國に青田の青のある限り ままごとの中の虚と實赤のまま 栴檀の實の金色(こんじき)に見ゆる距離 薬喰などと思はず食すべし 遠足の雨の氣になる老教諭 兵糧のごとくに書あり冬籠 生け足して生...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.05 Thu 20:23
昭和17年 「馬酔木」主宰 第6句集 壺坐り冬竹のさやぎぎこゆなり すみれ咲き林の径のまた踏まれ 雨ふれば書を読み花にかゝはらず とく起きておのれひとりの春惜む 青葉木菟話はづまぬ人とゐる 早苗伸び猪垣にふれ或は越ゆ 御佛に梅雨の扉(と)ひらきまゐらする 摩崖佛をろがみ植うる峡の田を 秋田犬従き来て霧に先立てる 湧く霧の湧きつぐひまに湖見ゆる ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.03 Tue 19:52
1991年 「圭」会員代表 第5句集 春昼のポスト神父の手紙呑む 卒業証書母に預けて両手空く 骨肉の飛鳥の闇をとぶ螢 虹顕ちていまも飛鳥に坐(います)神 巌頭の氈鹿(かもしか)跳ぶか退くか 放心の水瀧壺を流れ出る 燕来る視界三百六十度 大桜耳しひ眼とぢ声をのむ さるをがせ霧に梳られて老ゆ たゆたひて紅葉降りくる演技力 耳籍さむ山の泉のひとり言 &...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.01 Sun 18:59
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