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石田波郷『句集 臥像』(新甲鳥)より

  昭和29年 「鶴」主宰 第12?句集   尺取虫戦報をひた遠ざかる   夾竹桃戦後の病皆長し   選句せり餅黴けづる妻の辺に   霜の墓抱き起されしとき見たり   咳き臥すや女の膝の聳えをり   胸の上に雁行きし空残りけり   焼跡を出づる遠足何処へ行くや   えごの花一切放下なし得るや   栗咲く香血を喀く前もその後も   よろめきて孤絶の蚊帳をつらんとす   蚯蚓鳴く疲れて怒ることも...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.05.10 Sun 23:34

高野素十『句集 野花集』(新甲鳥)より

  昭和28年 「ホトトギス」同人 第3句集   柔かに出来しと詫びて豆の飯   直指庵 柚一木山椒一木尼一人   わが宿はどこ湖の夕時雨   この橋を自然薯掘りも酒買ひも   句一歩を見舞ふ 病む僧の布団のすそに僧一人   句一歩を悼む 僧死してのこりたるもの一爐かな   虚子庵の春風に今吾等あり   届きたる花見弁当あたたかし   空をゆく一とかたまりの花吹雪   選ばれし神の早乙女十二...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.05.09 Sat 19:33

久保田万太郎『句集 道芝』(友善堂)より

  昭和2年 「春燈」主宰 第1句集 序文:芥川龍之介   双六をひろげて淋し賽一つ   風船のからみし枝の餘寒かな   神田川祭の中をながれけり   灰ふかく立てし火箸の夜長かな   岸釣に小さんの俥とほりけり   ひぐらしに燈火はやき一と間かな   竹馬やいろはにほへとちりぢりに   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.05.06 Wed 18:00

『車谷長吉句集 改訂版』(沖積舎)より

  平成15年 直木賞作家 第1句集   青嵐父は歯を剥き鎌を研ぐ   秋の蠅忘れたきこと思ひ出す   児ら去りて壜の中なる蝗かな   明日香路の石たづぬるやきりぎりす   大寒や兇器のごとく時計鳴る   去年今年蟹は横行く俺も行く   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.05.04 Mon 18:20

桐山太志『句集 耳梨』(ふらんす堂)より

  2023年 「鷹」同人 「鷹」俳句賞 第1句集   寒鯉を分けて寒鯉すすみけり   宿酔のまなこに沁むる若葉かな   自宅兼教会糸瓜咲きにけり   囀や資材置場の水たまり   小雨ふる庭の明るき子規忌かな   物置にグローブにほふ帰省かな   旅先のやうに住む町草の絮   有史より先史あかるき木の実かな   山焼の匂ふ華厳の闇深し   はらはらと水ふり落とし滝聳ゆ   そこいらに子供遊ば...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.05.01 Fri 21:41

川嶋一美『句集 空の素顔』(本阿弥書店)より

  2009年 第21回俳壇賞 「青垣の会」会員   蝶の恋空の窪んでゐるところ   国道二号地割れのままに凍りけり   罹災証明そのほか寒き列ばかり   合格子しばらく拳解かざりし   ひとつづつ星もどり来る大焼野   ちよつと恋せり草鉄砲上手にて   箱庭に同じ日暮の来てゐたり   草をもて草に触れ行く秋の山   秋声や消印の北軽井沢   雪卸すいい青年になつてゐし   瑠璃色になるべく急ぐ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.04.30 Thu 21:47

安藤孝助『句集 鬼瘤』(梅里書房)より

  2012年 「濱」同人 第1句集   花冷えの疲れ足裏に熱(ほて)りをり   焚火踏み消して土工等去りにけり   牛番の犬の眠りて良夜更く   短夜の書くことあまた農日記   生れし牛へ寒の水掛け起たせけり   牛売りし夜の燗酒を熱くせり   咲きみちて何処か揺れをり大桜   捩花や農継ぎてはや五十年   牛を飼ふ最後と蚊遣焚きにけり   山上を占むる牧場雲の峰   見失ふ蝮に草の闇にほふ ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.04.30 Thu 11:29

山西雅子『句集 雨滴』(角川文化振興財団)より

  2023年 「舞」主宰 第3句集   闇汁に鳴き寄るものの頭を撫でつ   潮くさき髪をほぐせる初湯かな   寒の雨傘一本を頼みとし   黒髪のすらりと茅の輪くぐりけり   風が木を木が木を撲ちて冬はじまる   老鶯や画筆の先に水を足し   貴人の烏帽子下ろしし岩涼し   寝床より触るる畳や秋の蟬   油物揚げて一人の夜長かな   声たてず古き映画と年惜しむ   荒波のごとき走り根去年...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.04.29 Wed 19:17

西村和子『句集 素秋』(朔出版)

  2025年 「知音」代表 第9句集   女狐を上座に招き花の宴   駅員の申し送りに燕の巣   囀りもチュイルリーとぞくり返し   沖縄忌訪ふは問はるることなりき   さくらんぼふふむや愛語生まれくる   避暑客の見知りたれども知り合はず   弘法の無手(むず)と挿したる曼殊沙華   偕老の叶はざりける屠蘇を酌む   伊吹山雪の拳骨固めたり   大いなる水の器の初霞   雨音にまさる瀬音や鮎...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.04.27 Mon 18:43

阿波野青畝『句集 一九九三年』(角川書店)より

      平成5年 「かつらぎ」主宰 最終句集   古書で購入した句集。 所持者の書き込みもよかった。 「かつらぎ」の会員だろうか。元句を隣に書いているものもあったので。 文法間違いや添削もしていて、よい添削もあった。著名な俳人の句でも違和感を感じることは大切。 明治生まれで平成4年まで生きておられたことは存じ上げず。「デジタル」「青色申告」といった言葉も使っているのには驚き。最後までいきいきとした句を詠まれたことがわかる。   ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.04.23 Thu 18:52

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