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2016年 「鱗」同人 第2句集 遠足児邪馬台国を駆けまはる ジーンズの裾の重たき濃あぢさゐ 半夏生もう昼でなくよるでなく 遠郭公気を付けのまま寝袋に びしよ濡れの少年とほる立葵 巨き荷とベンチに睡る冬帽子 六枚に散つて終りぬチューリップ ひと蹴りに四隅の光る水馬 滑落の一瞬蛇の伸びきつて 付添ひの寝床のかたし後の月 取れかかる釦のやうな冬桜 &...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.29 Wed 22:35
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和7年10月19日(日) 場 所:本部道場 剣道場会議室 参加者:8名 投句者:11名 急な寒さ、男性だけの少人数、少し寂しい会でしたが、投句は近年最高の133句で、句談義はいつもに増して活発でした。 最高得点者は2名、眞澄さん、翠玉さんでした。 今回の兼題は「秋の山」「落ち鮎」「松茸」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 惜しみなく乾坤つなぐ百舌鳥の声 ...
座禅修行だより | 2025.10.21 Tue 16:42
JUGEMテーマ:俳句 10/1 新米をとぐ妻の手や余念なし 皿しまい妻に茶を置く秋 しんと 10/2 東京の夜の孤独を月見張り 10/3 勤め人なら誰しも、辞めてやると思う日がある。 怒気出でて虫が息呑むしじまあり 木の実踏む靴底秋を砕きけり 辞表まだ夜長に黙すキーボード 10/4 いつもの散歩道、秋の雨が静かに来た。 コスモスやバス停にただ時間あり 散歩足止めて秋雨見上げけり 秋雨や傘も人をも白くして 10/5 子供たちと...
遅き日のつもりて | 2025.10.19 Sun 14:59
2015年 「きたごち」主宰 第4句集 水槽の魚に今年の水足せり 停年の教師もをりぬ卒業歌 春光に弾みてシャドーボクシング 口笛の第九も御用納かな 福引に得し石鹸の福の泡 雪の歌洩れ雪晴の幼稚園 畳屋を継ぐと胸張る卒業子 荒布干す津波塞ぎの扉に掛けて 去り際に案山子拾へるコンバイン エレベーター雛の売場の前に開く 夏雲や牧に二つの馬の群 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.18 Sat 18:43
2025年 「群青」「南風」会員 第1句集 スキーリフト夜はなにものとすれちがふ 天明とかすかに読めて苔の花 七人が水着に変はる昼の樹下 鳥交るえやみ籠もりの町なかを あるはずの金木犀へ夜の瞳 うち棄ててある縄跳に遠くこゑ かたはらを竹のつらぬく寒椿 咲かされてゐるパンジーの寒い丘 霧の麺麭取出す霧の袋より 透明な蚊の来てゐたり冬の窓 日の暮や雪...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.14 Tue 22:01
平成29 「鷹」同人 第2句集 蒲公英の絮いまとぶかいまとぶか 物件と呼ばれて我が家柿青し わが墓は要らぬと思ふ墓洗ふ 志ん生の呂律たのしむ夜長かな 凍滝の見えざる飛沫浴びをりし いまはなる母今生の氷菓舐む 昼寝覚め妻が戻つて来てをりぬ 死者讃めつ貶しつ通夜の冷し酒 しはぶきの聞こえて妻のまだ縫へる 銀河系微生物たり懐手 斧始め渓のやまびこ目...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.11 Sat 18:57
2008年 「白桃」同人 第1句集 見下ろして奈落の色の曼珠沙華 汝のもとへ桜の中をぬけて来し 真黒な猫に生まれて月下なり 風花を見てゐる何も見てをらず 花衣だれのものでもないわたし ぼんなうの夜なり蛍また蛍 水煙あげ凍瀧の光りだす 待ち伏せの白洲正子を読初に 櫂のなき舟に雛をのせにけり ゆるやかに流れる雛を少し追ふ 道行を唖蝉に飛びつかれたり ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.05 Sun 21:22
2025年 「ひいらぎ」同人 第1句集 海鳴りのごとき起立や卒業す 咲き初めし藤棚に日のざんざ漏れ 青天に解き放たれて銀杏散る 大岩を鷲摑みして冬木立つ 産声を待ちかねて年改まる 子の頭玉と支へて髪洗ふ わが顔の映る吾子の目昼寝覚む 半眼に母を認めて昼寝覚 大橋に国旗独立記念の日 ビル群に舌なめづりや稲光 父呼んで母呼んで摘む土筆かな  ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.10.02 Thu 19:04
昭和54 「風」同人 子山羊はねて青草の中茶色の目 蝶捕らむと走れば先に乳房がゆれ 昼は疲れ夜は孤独な田掻牛 端午の日崖高く行く郵便夫 信仰をもちて冬帽ふかく被る 夜道たのし子を持ち金魚玉を買ひ 雪橇に日をのせ子乗せ青菜のす きな粉餅木の葉を皿に童子仏 蝶はずみ出る縁の下真暗がり 子寝かせし手足をひらき夜泳ぐ 立春のまだ垂れつけぬ白だんご  ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.09.26 Fri 19:56
2005年 「しらたま句会」主宰 「雷鳥」同人 第2句集 菜の花へ死ねないわたし水あかり 一本のペニスは冬の草のいろ コスモスへ放物線の手と足と 猟犬に女ざかりを嗅がれおり 春雷や自慰ゆるゆると果てている 恋人をむざんに殺す夏の夢 逢いたくて二月の廊下踏み鳴らす 風花を胸に飾りて水商売 花吹雪双手に享けて病んでいる 永き日の幼女いつまできつねの目 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.09.23 Tue 19:48
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