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沢木欣一『句集 往還』(角川書店)より

  昭和61 「風」主宰 第8句集   うすらひをしばらく朝日とらへたり   百千鳥浮島に声満ちにけり   乗込鮒枯葉藻屑をかきわけて   秋日沁む白燈台の横顔よ   甘茶仏男女やさしき目をしたり   妻の筆ますらをぶりや花石榴   虫時雨草の戸浮かんばかりかな   山国の雲の迅さや盆の月   通し土間藍の匂ひの爽やかに   鮎喰ひに但馬へ一つ峠越え   いてふの実拾ふ鳥打帽で来て  ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.06 Fri 18:32

後藤比奈夫『句集 花びら柚子』(角川書店)より

  昭和62年 「諷詠」主宰 第5句集   ぽつぺんは口より遠くにて鳴れり   水馬決して水に濡れてゐず   憎むにはあらざる草を引いてをり   新藷の赤の火照つてをりにけり   この國に青田の青のある限り   ままごとの中の虚と實赤のまま   栴檀の實の金色(こんじき)に見ゆる距離   薬喰などと思はず食すべし   遠足の雨の氣になる老教諭   兵糧のごとくに書あり冬籠   生け足して生...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.05 Thu 20:25

後藤比奈男夫『句集 花びら柚子』(角川書店)より

  昭和62年 「諷詠」主宰 第5句集   ぽつぺんは口より遠くにて鳴れり   水馬決して水に濡れてゐず   憎むにはあらざる草を引いてをり   新藷の赤の火照つてをりにけり   この國に青田の青のある限り   ままごとの中の虚と實赤のまま   栴檀の實の金色(こんじき)に見ゆる距離   薬喰などと思はず食すべし   遠足の雨の氣になる老教諭   兵糧のごとくに書あり冬籠   生け足して生...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.05 Thu 20:23

水原秋櫻子『句集 古鏡』(甲鳥書林)より

  昭和17年 「馬酔木」主宰 第6句集   壺坐り冬竹のさやぎぎこゆなり   すみれ咲き林の径のまた踏まれ   雨ふれば書を読み花にかゝはらず   とく起きておのれひとりの春惜む   青葉木菟話はづまぬ人とゐる   早苗伸び猪垣にふれ或は越ゆ   御佛に梅雨の扉(と)ひらきまゐらする   摩崖佛をろがみ植うる峡の田を   秋田犬従き来て霧に先立てる   湧く霧の湧きつぐひまに湖見ゆる   ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.03 Tue 19:52

津田清子『句集 七重』(編集工房ノア)より

  1991年 「圭」会員代表 第5句集   春昼のポスト神父の手紙呑む   卒業証書母に預けて両手空く   骨肉の飛鳥の闇をとぶ螢   虹顕ちていまも飛鳥に坐(います)神   巌頭の氈鹿(かもしか)跳ぶか退くか   放心の水瀧壺を流れ出る   燕来る視界三百六十度   大桜耳しひ眼とぢ声をのむ   さるをがせ霧に梳られて老ゆ   たゆたひて紅葉降りくる演技力   耳籍さむ山の泉のひとり言 &...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.03.01 Sun 18:59

沢木欣一『句集 眼前』(角川書店)より

  初花の白漂へり中空に   栗の花妻亡き後は脳軟化   秋天へ着流しのまゝ逝き給ふ   ベンチより大き手を垂れ昼寝人   一幹にすがり無数の蝉の声   黒土の音と思へり落葉掻き   富士浮けり霞の厚さ抽ん出て   白玉もゼリーも好きな男かな   秋暑し電話器の紐ねぢれ癖   深淵の上一枝の冬紅葉   桃の花母は天寿を全うし   うづたかき雑本の嵩ちゝろ虫   いてふ散り夕日あかるくな...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.02.26 Thu 19:16

松尾澄子『句集 初夢』(北溟社)より

    2011年 「白桃」同人 第1句集   途中まであとは母継ぐ手鞠唄   歌留多とる畳の張つてきたりけり   手鞠唄てまりをついて思ひ出す   ゆらしみて音あたたかき戎笹   髪切つて大きく見ゆる卒業子   逃水を追ひかけ後ろにも逃水   装へば母のよろこぶ桃の昼   車よりまづ風船の下りてきし   絶筆のあとの余白や冴返る   卒業子散りゆくあだ名呼び合うて   逆縁のあとの長生...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.02.19 Thu 19:50

第413回坐忘会 令和8年如月句会

JUGEMテーマ:俳句   開催日:令和8年2月15日(日) 場 所:本部道場 剣道場会議室 参加者:9名  投句者:10名    寒さも先が見えた感触のある日でした。他の行事と重なり、参加者が少なくなりましたが、投句総数はいつもの139句でした。  最高得点者は前回に続き“眞澄さん”でした。  今回の兼題は「春浅し」「梅」「海苔」   ------各自の高得点句を紹介します。--------   ※今生は愚直がよかり梅の花   幽谷先生・  春浅し石の温みを探...

座禅修行だより | 2026.02.18 Wed 16:18

橋?石『句集 卯』(白燕発行所)より

  昭和53年 「白燕」主宰 第6句集   白菜を音立てて切る老詩人   古里の裾ほつれたり川蜻蛉   炎天に出て洩らしたる微笑かな   散る桜向うからもの云いたげに   春眠や両の手足は地の果に   ゆまるとき雑木若葉の優しけれ   かきつばた老いて惚るるは晴るるなり   青鷺が翔ち阿闍梨の名憶い出す   二階から降りて用なき石蕗日和   JUGEMテーマ:俳句

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.02.14 Sat 17:32

柴田奈美『句集 天啓』(本阿弥書店)より

  1997年 「天佰」同人 第1句集   蛍籠日々点る火の減つてきて   花火師が船で中州へ送られる   菰解かれ蘇鉄鱗の肌を見す   白鳥の着水鴨の陣中に   備前焼買ふ活けてある椿ごと   稲架襖暴走族が照らし過ぐ   退院す紫陽花変化し尽くして   神なればこの瀧凍つることはなし   軍手はめ案山子五本の指を持つ   子等揚げてプールの水を休ませる   遠足が皆駆け出せり大砂丘  ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.02.10 Tue 09:27

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