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俳句
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あべみゑこ『句集 寒咲きあやめ』(本阿弥書店)より

    2017年 「松の花」同人 第2句集   どうやら無月ステーキの匂ひ来る   立冬の五感すべての尖りかな   ベートーベンのやうな二月の青鷺よ   夏雲やスペインの土真つ赤赤   少年の臍美しく泳ぎ出す   ねぎ坊主個性を出せと言はれても   篝火のこぼれて鵜飼始まりぬ   山羊の髭色なき風を振り分けて   手も足も胸に畳みて果てし蝉   鰯雲ハーレーダビッドソン発車   頷かぬ子に...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.04.03 Wed 20:58

柴田奈美『句集 黒き帆』(ふらんす堂)より

    2007年 「銀化」「天弓」同人 第2句集   妬心とはこの色鶏頭かたまつて   マフラーを解けば粉雪部屋に舞ふ   男除けの盾にはあらず白日傘   神々の戦稲妻二打三打   風鈴の舌に乾きし風当たる   蜩や静かにその人を赦す   白息の続く限りを弁解す   この恋はなかつたことに冬椿   踊らされてゐただけのこと藍浴衣   つけ睫ほどの重さや春愁   風鈴を吊るす男を踏み台に &...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.04.02 Tue 00:31

第390回坐忘会 令和6年弥生句会

JUGEMテーマ:俳句     開催日:令和6年3月17日(日)   場 所:本部道場 南寮会議室   参加者:9名  投句者:8名    幽谷先生の紹介でベテラン高齢の“万千代さん”からの投句がありました。  兼題「山笑う」が人気で多くの出句がありました。  激しい得点争いでしたが、最高得点者は“眞澄さん”でした。    今回の兼題は「山笑う」「若鮎」「花菜漬け」   ------各自の高得点句を紹介します。--------             ...

座禅修行だより | 2024.03.28 Thu 10:15

森田純一郎『句集 街道』(東京四季出版)より

    2024年 「かつらぎ」主宰 第4句集   色持たぬ忠雄の館冬に入る   また雨か呟き聞こえ峠の忌   玉虫の飛ぶや物部氏の墳に   縁日に日除はみ出す物多し   義援乞ふ声涸れ募金箱の灼け   郡山廓跡にも金魚飼ふ   人も樹も背高き国に黄落す   間なく去る祖国の秋を惜しみけり   客は我一人聖夜の理髪店   黒ビール干してEU離脱問ふ   絮飛ばしたんぽぽのただ突つ立てる  ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.27 Wed 19:40

新谷壯夫『句集 山懐』(俳句アトラス)より

    令和1 「鳰の子」同人 第1句集 越えてきし雪嶺仰ぐ野天風呂 万葉の地を一望に登高す 生煮えの返事が多し着ぶくれて 一切の音を消し去り瀧の落つ 恵方とて子の住む国へはるばると 駆け抜くる風のかたまり競べ馬 結論を迫る御仁にまあビール 百座まで残すは五岳汗涼し 置き去りのあの日あの時フクシマ春 お松明練行衆のシルエット 身動きのできぬ鉾町こんちきちん 猫の尾のふれて弾ける鳳仙花 ふるまひは地酒地魚浦祭 しくじりも芸のうちなり猿回し 豆撒を...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.26 Tue 19:36

大田羅漢子『句集 喜寿』(文學の森)より

    平成18 「赤楊の木」同人 第1句集   咳く度に帽灯ゆれてゐる坑夫   虹消ゆる人棒立ちとなりにけり   坑夫辞めて農に生きんか葱坊主   流産の汗拭きやれば妻泣けり   立ち上る波のうしろの五月闇   白き息四方より一教師に満つ   河童忌の墨のたちまち乾くかな   山頭火忌の穭田を通りけり   かまくらの中のぬくさを誰も言ふ   耕すやひとりに深き峡の空   黒豆のふ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.23 Sat 00:33

酒井久美子『句集 絵本の海』(ふらんす堂)より

    2024年 「玉梓」同人 第1句集   冬日射まつすぐ生きよと父の声   火を追ふ火闇煌々とお山焼   生き急ぐなかれと伏すや春の風邪   お山焼炎太古の闇を駆く   落花頻り父を葬りし日のやうに   行く春や弥陀半眼に光るもの   げんげ田に心の隙間埋めに行く   母在ますただそれだけのこと小六月   解体の日までは生家武具飾る   銀杏散る父に背きし子も父に   海神へ夕焼のレッ...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.21 Thu 12:33

最近の句会

二回分の会記です。 一回目はざっくりと。   今までに作った俳句に絵を添えてもらいました。 俳句は文芸としてはそれ自体で鑑賞するものなので、 なまじ絵がつくと説明的過ぎて蛇足になる可能性もあります。 そして「粋」の心としてはさっと作っておしまいという潔さもあります。   しかし、それはそれとして一句一句を大切にするという事も大事です。 俳句は粗製乱造して数を競うものではなく、 心が動いた瞬間を記録する媒体としての役割もあるからです。 改めて絵を描いて飾ってみる...

小金井句会記 | 2024.03.20 Wed 20:45

犬飼孝昌『句集 土』(菜の花会)より

    平成4 「菜の花」同人 第1句集   着膨れて肩で押すドアすぐしまる   村雪解ビニールハウスきらめける   月の夜の稲穂一粒毎見ゆる   悴む手ほぐし子の嘘聞きてをり   春愁の色鉛筆を鋭く削る   飛んでゐる限り華麗に秋揚羽   木の瘤にまろく雪積み日の暮るる   野焼せし夜は卵黄のごとき月   西東不明の任地犬ふぐり   向きあへる鴟尾のよき距離朧月   分校の門の際から田...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.18 Mon 20:08

伊藤政美『句集 二十代抄』(菜の花会)より

    平成25 「菜の花」主宰 第一句集『二十代』のリメイク   雨の中雨の走れる白雨かな   稲雀追われ隣の田に下りる   やわらかき肩とふれゆく秋祭   野を枯らし尽し凩人に吹く   燐寸擦るや夜の雪景動揺す   万緑へ柩軽々出て行けり   海明ける昨夜のビール瓶が立ち   祭の天澄み鶏の声なき死   虹消えし野をいきいきと妻帰る   白鷺も薄目して飛ぶ昼の月   胡桃割りくるみの...

《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.14 Thu 20:56

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