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昭和51 「風」同人 そら豆はまことに青き味したり うすものを着て雲のゆくたのしさよ 菜の花がしあはせさうに黄色して チューリップ喜びだけを持つてゐる ふだん着でふだんの心桃の花 年暮るゝ何に寄らまく柱あり 鶏頭を三尺離れもの思ふ 春雷や胸の上なる夜の厚み 乳母車の車輪がつけてゆく春泥 冬薔薇紅く咲かんと黒みもつ 雨の傘たたみて春の灯を流す &nb...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.05.04 Sun 20:07
2025年 「火星」副主宰 第2句集 箒目のそこより流れすみれ草 風花やむらさき色のキャベツ畑 巫の声なく笑ふ霜日和 青空より雀降り来る寒さかな 日を返す色となりけり柿若葉 野遊の途中に拝す震災碑 春の旅終へし畳に団子虫 神々を呼ばへば風が大原志 空を読む頤に冬立ちにけり 定形外郵便で来し鱵干 青梅雨やモップの走る体育館 夏果て...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.05.01 Thu 22:41
2016年 「汀」同人 「泉」会員 第一句集 寒林にわれも一樹と思ふまで 飛び石に乾いてゆきし素足かな 青梅のこつんと影を叩きけり 初霜や真空管のアンプに灯 頬杖に雲ちぎれゆく漱石忌 湧きだして八手の花となりにけり 石垣になだるる樹影春深き 走り出す水洟の子やよく走る 鍵穴に鍵のぶつかる春の風邪 新松子言の葉ひとつひとつ置く JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.04.30 Wed 08:43
2019年 「円錐」「遊牧」「街」「小熊座」同人 第1句集 目と耳を置いて消えたる雪うさぎ うららかや耳掻くときは後ろ足 花野ゆく貨車の窓から馬の頸 もう二度と蝉は通らぬ蝉の穴 迷ひ箸のやうに蜻蛉の止まりたる 二人きりなのに耳打ち小米花 落しても割れないグラス久女の忌 あいうえお順に呼ばれて卒業す プール出るときの地球の重さかな 川音は郡上踊のはじ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.04.26 Sat 10:15
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和7年4月20日(日) 場 所:本部道場 南寮会議室 参加者:11名 投句者:8名 一日の寒暖差が激しく体調管理が難しい日であった。 賛助会員の内田勝利さんが新加入され、また賑やかになった。 最高得点者は 前回に引き続き、光舟さんでした。 今回の兼題は「踏青」「長閑」「木蓮」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 一人より二人か淋し宇治新茶 幽谷先生・ ※長閑さや茶筅の音に鳥の声 ...
座禅修行だより | 2025.04.22 Tue 11:33
平成22 「狩」同人 第4句集 くれなゐを尽してゐしに落椿 鮎といふ美しきもの焼き焦がす 眠りより覚めて大白鳥となる 雪のほかにはよるべなき雪女 悴む手もてロザリオを渡さるる 炎天に立つ鉄骨のこと思ふ 緑蔭を出てこれからが正念場 悴む手つつむその手も悴めり とむらひの終りてもとの桃の村 鮟鱇のその次の世も鮟鱇か 裸木にこころ添はすも...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.04.18 Fri 21:55
平成30 「運河」主宰 第14句集 妻恐れゐし雀蜂打ち殺す 雷に手ごろな高さ神杉は 礁越す波は立ち来ず日の盛 朴落葉喜ぶ人のため拾ふ 狼に似る吠え方も狩の犬 磐座に鶏旦の日の届きけり 深吉野の余花を求めて歩きけり 片付けの後に酒出て地蔵盆 山上の月澄む東吉野村 末社へは抱かれて来たり七五三 橡の樹の熊の爪痕なまなまし 遅刻...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.04.07 Mon 21:45
風船をついて少女の浮き上がる いつまでも少年どこまでも夏野 聖五月フレスコ画より風生るる 朝の森薄刃のやうに涼気過ぐ 帯しかと締め炎天に崩れざる 炎天を来て一水を身に通す 錆鮎の釣られ瀬音の高まれり 嶺々を継ぎゆくひかり秋燕 ゆくりなく夜鹿の群れをやりすごす 秋灯に座し目こぼしの句を選りぬ 人に和を説き望月の嶺仰ぐ 心澄む真水に月を掬ひけ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.04.02 Wed 20:44
2015年 「燎」同人 第1句集 犇めきて流氷海を眠らしむ 妻今も八つ年下新茶汲む セーターの赤を着てみし妻の留守 毛皮脱ぎ普段の妻に戻りけり 笹鳴や母の遺品に父のもの 初桜遠くへ行けぬ母と来て しばたたく驢馬の睫毛や秋深む 塵ひとつなき僧房や今朝の冬 戦なき空澄みきつて赤とんぼ 眼の合ひしゴリラに御慶述べにけり 声掛けしばかりに雪を掻く羽目に ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.03.30 Sun 23:27
2013年 「氷室」編集長 第2句集 吹くほどに風尖りゆく青芒 洗ひ髪海原の底歩きたし いざ吹かむ孔美しき瓢の笛 紙雛ちんとならべて保健室 篳篥に舞ひはじめたる夜の桜 朝寒の山羊に食べさす豆腐殻 虫売に風の出てくる日暮かな たれもかも花人といふ親しさよ 六道の辻をすたすた生身魂 盆波の暗き高さのととのはず 離任して出づる正門陽炎へる &...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2025.03.29 Sat 19:46
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