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1996年 「菜の花」同人 第1句集 ドア細く開けて雪ん子入れてやる 軒先につららが太る喪の家族 一戸づつ出てはかげろふ郵便夫 夕日射すすでに冷たき松の幹 夕立に打たれしものを全て脱ぐ 月が出るつらら太れるだけ太り 墓の影靴に届きてあたたかし 受験子に大きな靴の友来たる 月の出に間のあり瓜を揉んでをり 踏石のどこも濡らさず蛇渉る 滝壷にとき...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.10 Sun 21:05
平成2 「運河」「春日野」同人 第1句集 猫通り犬通りゆく蕗の薹 風花のとび行けるもの消えしもの 月浴びてゐること知らず線路工 日輪の円の中にも雪降れり 薄氷を指で沈めて手を洗ふ うららかや島の黒牛犬と寝て 長梅雨や犬がしきりに小屋齧る 十津川のトンネルどこも滴れる 網戸の目へこませ覗く犬の鼻 梅雨濡れの朝刊一枚づつはがす 山辛夷手をか...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.04 Mon 21:27
平成24 「朱雀」同人 第1句集 右よしの左いせぢや風薫る 村小町踊りの背に団扇差し 掌の蛍に温みあるごとく 落日のさらけ出したる大枯野 ポケットの中に鳴り出す初電話 長老の一番乗りの寒稽古 牛蛙鳴き出し句座の盛り上がる 熱帯夜柱で冷やす足の裏 雲の峰龍馬が眠る東山 着ぶくれを叩きて探すドアの鍵 悴む手摺りてはじまる珠算塾 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.03.01 Fri 19:19
2008年 「苑」主宰 第十句集 大袈裟に風を演出雪柳 備へてもいくさはするな武者幟 おおと呼ぶ禰宜のテノール山開 百層の窓の夕焼落伍なし 片蔭を刺客のごとく急ぐなり 榠櫨据ゑ一対一の黙くらべ 存分に鬼舞はせけり神の留守 人の世を見過ぎし十畳凧おろす 野火奉行武蔵のごとく棒かざす タップでも踏もか地虫に出でよとて 囀の此処を静かな場所といふ 日本刀抜けば飛びつく新樹光 孤独なる父の日競馬場にても 海遊館 まんばうと玻璃対面や文化の日 帰省...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.02.22 Thu 21:51
1時間ほどの滞在で日南線終点の『志布志駅』を折り返して『南宮崎駅』で日豊本線に乗り換え、『延岡駅』でまた乗り換え『佐伯駅』までが本日の行程だが、『延岡駅』までの各駅停車列車は1日17本出ているが、『延岡駅』の先は1日1本しか出ていない。 【写真−1 駅前に立って空の広さに気付かされる】 写真−1は『志布志駅』から駅前を見た様子で、真っ直ぐ伸びる道にはコンテナ車が停まりその先は港へ通じ、左側の建物は商業施設の『サンポートしぶしアピア』で、この場所には志布志線と大隅線の線路...
セブ島工房 | 2024.02.19 Mon 20:09
1998年 「天狼」会友 「築港」同人 第1句集 乳母車押しだんじりの後につく 滝あつてその又上に行者滝 豆を蒔く高階の鬼逃げ場なし 福娘少し傾く金烏帽子 小児科に子の丈ほどの聖樹あり 時代祭式部と納言同乗す 売り声は上げず売りゐる懸想文 遠雷を小言のごとく聞き流し 国宝も寺宝も見せて紅葉寺 地下街に修行僧立つ聖樹立つ 百人一首恋札ばかりとり...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.02.18 Sun 22:32
昭和22 第2句集 野の藤はひくきより垂り吾に垂る 春月の明るさをいひ且つともす 硯洗ふ墨あをあをと流れけり 濤うちし音返りゆく障子かな 朝刊に日いつぱいや蜂あゆむ 冬の月明るきがまま門(と)を閉ざす 洋子生る 天の川今瀧なせり産聲を 着きてすぐわかれの言葉露の夜 春潮に指をぬらして人弔ふ ひと日臥し卯の花腐し美しや 生々と切株にほふ雲...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.02.15 Thu 23:28
2010年 「狩」同人 第1句集 背泳を時には見せて鯉幟 向日葵の丈の止まらず休耕地 藍甕の藍の息づく土間の冷え 耳遠き父が捉へし初音かな 真つ先に犬駆け込めり避暑の荘 保育所に泣く子を預け休暇明け 新胡麻を砂金のごとくたなごころ 肩肘を張りたるままの捨て案山子 着ぶくれて顔まで丸くなりしかな 忙しき母を素通り風邪の神 幕の内二段重ねに初芝...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.02.15 Thu 21:32
平成30 「握手」「沖」同人 第1句集 まんなかに母在る幸や雑煮吹く 花蜂の8の字飛びのビブラート 蚕豆を剥くもうひとり子の欲しき 亡き人の一語一語や龍の玉 カフカ読む秒針の音冴えて来し 父の日やオイルのまはるフライパン 十二月八日元栓固締めす 漢字帳に母がいつぱい日脚伸ぶ 草波に浮くをおぼえて蜥蜴の子 お日柄も枝ぶりもよき巣立かな 蝉の森投...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2024.02.13 Tue 20:44
JUGEMテーマ:俳句 開催日:令和6年2月11日(日) 場 所:本部道場 南寮会議室 参加者:10名 投句者:7名 旧正月と思えぬ暖かさ。多くの参加者と多くの投句で計119句を対象に、活発な発言が相次ぐ賑やかな会でした。 最高得点者は“のり子さん”でした。 今回の兼題は「梅見」「初音」「春浅し」 ------各自の高得点句を紹介します。-------- 牡丹雪銀座二丁目三丁目 幽...
座禅修行だより | 2024.02.12 Mon 11:42
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