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水原秋櫻子『句集 磐梯』(甲鳥書林)より

  昭和18年 「馬酔木」主宰 第8?句集   冬霧にぬれてぞ祈る勝たせたまへ   春の雪天地(あめつり)を浄め適亡ぶ   いくさ神仰ぐ萬朶の花の下(もと)   瑠璃の影魚にしたがふ秋日和   案内する提灯待てり後の月   筆とりて我等立たなむ明治節   うちひらく傘にあかるき冬紅葉   戦捷つ小春や男の子生(あ)れにける   この男の子風邪な引かせそ国のために   ますらをの名をこそ仰げ紀元節 ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.25 Sat 19:50

室生犀星『句集 遠野集』(五月書房)より

    昭和34年 最終句集 序句:風呂桶に犀星のゐる夜寒かな 芥川龍之介   春の山らくだのごとくならびけり   雪ふると言ひしばかりの人しづか   枯草のなかに賑ふ春の雨   をとめごの菜引き見てゐる日永かな   昼深くありのぢごくのつづきけり   東(ひんがし)に芭蕉の花の向きにけり   馬の子はつながで行くよ秋の暮   鶏頭のくろずみて立つしぐれかな   そのなかに芽の吹く榾のまじりけり &...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.21 Tue 20:06

野見山ひふみ『句集 秋の暮』(創美社)より

  昭和33年 野見山朱鳥の妻 「菜殻火」主宰 第1句集   毛糸編むゆるき指輪のまはりがち   風邪の子の頬とりんごと並びある   麻酔打ち春爛漫を眠るなり   手袋をかんで映画を見て泣いて   洗ひ髪乾く間を子に絵本よむ   前髪のカールの額汗ばめる   病み臥せし日のままコートかかりをり   この家に住みつく心髪洗ふ   積る雪降る雪いまだ名なき児に   花冷やみどり児と居て吾れ大事 &nb...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.19 Sun 18:37

沢木欣一『句集 交響』(角川書店)より

  平成11年 「風」主宰 第11句集   「あとがき」より 「幼稚で凡俗な日常生活の私小説的な報告に終っていないかを怖れる」   着ぶくれてつまづくなかれ本の山   あめつちのみどりの極み雉子走る   うまごやし仔牛の脚のしなやかに   鰤起したちまち窓を打つ霰   み仏の木目に沁みる冬茜   食卓に睡眠薬とさくらんぼ   短夜の夢に追ひつめられてゐし   白肌の大松茸はカナダもの   細見綾...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.18 Sat 22:37

梶山千鶴子『句集 国境』(れもん社)より

  昭和47年 「れもん」同人 後「きりん」主宰 第1句集   国境の氷柱太りしまま昏るる   初しぐれ旅はをとこを饒舌に   大仏を仰ぐ青年陽炎へる   海女小屋に潮の重みの朝日さす   マシマロのやうな日が昏れ三日過ぐ   乳房まで灼け熱島の女肥ゆ   玉砕の崖へ西日のずり落ちる   椎の花匂ふや家庭裁判所   夕立や吉水院を降りこめて   残雪や佐渡金山を煌めかす   JUGEMテーマ:俳...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.17 Fri 19:28

加倉井秋を『句集 午後の窓』(琅玕洞)より

  1955年 「冬草」主宰 第2句集   干潟踏むさびしき貌をみかへられ   枇杷挘ぎし掌のつめたさのいつまでも   月明の東西の門うち対ふ   いつからとなくどこからとなく霞む   クリスマス気分にいつの間にか吾も   雪の夜は厨辺の妻さへ遠し   梅雨寒の口に拳をあてて咳く   炎天や口から釘を出しては打つ   昼寝より覚めて鋸ひく音す   ごみ箱に乗りメーデーの列を見る   垂ら...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.14 Tue 19:56

原石鼎『句集 花影』(改造社)より

  昭和12年 「鹿火屋」主宰 第1句集   頂上や殊に野菊の吹かれをり   切株に虚空さまよふ枯尾花   高々と蝶こゆる谷の深さかな   花影婆娑と踏むべくありぬ岨の月   老仙のあぐらにくらき蚊遣かな   淋しさにまだ銅鑼うつや鹿火屋守   蔓踏んで一山の露動きけり   秋風や模様のちがふ皿二つ   鞠のごとく狸おちけり射とめたる   暮るゝものに雪片くらくとまりけり   牛のせな僅か...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.10 Fri 20:10

第418回 坐忘会 令和8年文月 「じゅん菜池緑地」 吟行会

JUGEMテーマ:俳句   開催日 : 令和8年 7月5日(日) 場  所  : 「じゅん菜池緑地」 吟行会 参加者   : 13名   蒸し暑い日が続いていますね。皆さまお変わりないでしょうか? さて、今月は 本部道場から程近い「じゅん菜池緑地」にて 吟行会を行いました。       兼題は、「七月」と「水」。 39句の投句があり、最高得点者は、眞澄さんと翠玉でした。   ------各自の高得点句を紹介します。--------   じゅん菜池波紋の先...

座禅修行だより | 2026.07.08 Wed 21:51

沢木欣一『句集 白鳥』(角川書店)より

  平成7年 「風」主宰 第10句集   猫の恋芸術院の塀の上   土筆野に子を抱きたまふ観世音   陰(ほと)神の辺に落椿べたべたと   春昼や男神なで女去る   海山の間(あひ)にひとりの田草取り   逆らひつ流されにけりあめんばう   人怖れずアメリカ産のかいつぶり   ひきがへるやさしき声を夜もすがら   土に還れぬ兵馬八千秋の声   冬日向離れ離れに愚父愚息   桜餅喰べ喪心の続...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.07 Tue 18:18

松本たかし『句集 野守』(笛発行所)より

  昭和21年 「笛」主宰 第3句集   通り雨踊りとほして霽れにけり   暦売古き言の葉まをしけり   仕る手に笛もなし古雛   秋晴の何処かに杖を忘れけり   病床に上げし面や下萌ゆる   柄を立てて吹き飛んでくる団扇かな   灯の数の殖えて淋しき十夜かな   鶏頭に飛び来る雨の迅さかな   鶏頭の首(かうべ)を垂れて枯れんとす   どん底を木曽川の行く枯野かな   恵那の雪ひとまづ消...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.07.02 Thu 19:32

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