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昭和22年 「天狼」主宰 第6句集 甘藷(いも)を地に得たり累々たらねども これを見て美濃の豊かさ富有柿 海に出て木枯帰るところなし 寒月や湯屋に行く子の駆け出して せりせりと薄氷杖のなすまゝに 土堤を外(そ)れ枯野の犬となりゆけり 雪霏々と数刻前に異ならず 沈丁の香や一邸のものならず 妙齢の息しづかにて春の昼 小百足虫のしづかに来る枕上 夢...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.20 Sun 20:53
1998年。 無所属。 吉本隆明の妻で、ばななの母。 句歴2年で句集を上梓。 吉本ばなな、黒田杏子、水原紫苑らが寄稿。 春愁や虚空(そら)に動かぬ飛行船 脳幹に静かにつもる桜花 香を辿り返し見にゆく沈丁花 卒業歌より始まりし幾別離 五感みな溶けて桜の海に入る 光陰は矢なれどしばしこの駘蕩に 渺々と落花眠るも夢に落花 立葵おのもおのもの空を持つ 遺書もなき自死もあるら...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.18 Fri 08:48
昭和53年 「濱」同人 冬の霧アルミの如き日かかれり 雀らと同じ地隙に(ちげき)に冬ごもる 壕を出て枯野の夕日一身に ノルマ終へず共に焚火にうづくまる かばねにかける乾草(かんそう)のみが凍てずあり 木の芽雨母に従ひ得ぬ縁談 浴衣の胸ややにはだけし師と夕餉 炎天の身を支へをり膝頭 神無月夕日をうけて山坐る 雪の湯の横顔兵のきびしさに 亡き妻の植...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.17 Thu 20:22
昭和11年 第1句集 頭の中で白い夏野となつてゐる 露の玉朝餉のひまもくづれざる 雑草の露のひかりに電車くる いま人が死にゆくいへも花のかげ ちるさくら海あをければ海へちる 目にいたし穂麦のひかり海よりも やはらかき小径とおもふ月あかり 月光をふめばとほくに土こたふ 山鳩よみればまはりに雪がふる 飛びし蛾の黄の残光を闇放つ 蛾の来ぬ夜嵐吹き荒れ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.16 Wed 19:52
昭和5年 <春> 春立つや六枚屏風六歌仙 春寒の人の在らざる火燵かな 旅せんと思ひし春も暮れにけり 行春や到るところに遅桜 此村を出でばやと思ふ畦を焼く 花種の嚢破れて函の中 曲水や椿も流れ来たりけり 葛城の神臠はせ青き踏む ふらこゝに二人乗りけり花の中 春風や闘志抱きて丘に立つ 陽炎に包まれ遊ぶ子供かな 春雨や忽ちくもる鷹が峯 &...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.14 Mon 22:14
平成13年 「濱」同人 磨きあげ冬の鏡の傷を知る 母の日を病む子の視野の中出でず 鳥曇泣顔は子に見せられず 母に吹き母に届かぬシャボン玉 合掌して更に涼しくなりにけり 春愁大人も抱きて縫ひぐるみ 川岐れともに月光奪ひあふ 一灯に母子の浄土白障子 洗はれて月光を被る水観音 ケーキ売り尽してよりのクリスマス 父病めば泣くところなし秋の暮 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.11 Fri 20:43
1999年 ・『花粉航海』より 暗室より水の音する母の情事 母を消す火事の中なる鏡台に 便所より青空見えて啄木忌 一塊の肉となる牛家族の冬 書物の起源てのひら閉じひらき 方言かなし菫に語り及ぶとき 遠花火人妻の手がわが肩に この家も誰かが道化揚羽高し 旅に病んで銀河に溺死することも 桃太る夜は怒りを詩にこめて 葱坊主どこをふり向きても故郷 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.10 Thu 20:27
JUGEMテーマ:俳句 開催日 : 令和8年9月6日(日) 場 所 : 本部道場 剣道場会議室 参加者 : 14名 8月も終わる頃、道場の元気過ぎる草々が気になり、涼しい時間帯に草取りをしました。 洞戸道場から頂いた杉苔も半分を地植えし、少しずつ整えていった週末の事です。土曜座禅会が終わると、私の心が歌い始めました。 (♪いつものように幕が開き〜、光舟さんの草刈り機の音〜、届いた調べは〜、玄人跣がありました〜♪) その後、所用を済ませて道場に戻ると、あ...
座禅修行だより | 2026.09.07 Mon 16:59
平成2年 「濱」同人 ちかぢかと銀河室生へ渡りけり 孤の蟻や男闘はねば寂し 雪に説く新刀は先づ切れてこそ 大露や刻たつぷりと今日のあり 幣を執る氏一系や白しやうぶ おだやかな死をほめ合うて虫の夜 雲に鳥子の消息は妻を経て 初富士の天つ袴として立てり 竹さ揺るさへ冬麗の谿のこゑ 塀塗つて立夏一日よごれけり 諸菩薩のみだれず侍せり涅槃変 ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.06 Sun 19:50
昭和14年 「萬緑」主宰 第2句集 妻二タ夜あらず二タ夜の天の川 晩夏光バツトの函に詩を誌す 灯蛾は夜々減れど戦報相つげり 燭の灯を煙草火としつチエホフ忌 池の中冬木の影は底知れず 妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る 優曇華やしづかなる代は復と来まじ あかんぼの舌の強さや飛び飛ぶ雪 萬緑の中や吾子の歯生え初むる せんなさに冬日の砂を蹴てもみし 撫でゝあ...
《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.08.30 Sun 19:00
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