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2007年 「京鹿子」主宰 第7句集 夏料理まづ風といふ一品を 満月の一願のごとかかりけり 木洩れ日のゆらぎに秋のひそみゐて 道しるべどこを指しても露ばかり 枯れきれば今日も日なたとなる中洲 遠回りして野の梅のまだ固し いしだたみ髄まで濡れて春めけり 信州の空ことごとく青りんご 鉾の灯のともりてなづむ山となる 鉾すすむその高さにて厄はらひ 手のなりに風をしづめのをどりなる あまさずに湖国を入れて秋天下 鳥ぐもり湖国はけふも遠目ぐせ チューリッ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.28 Thu 20:00
平成10 「京鹿子」主宰 第11句集 ハァーと唄ひ出す初春の島めぐり 兎千生んで辛夷は花の木に 柏餅剥き柏の木思ふかな 鮨桶を緊むあかがねとなるも良し 露散るや破片合はせて土器一壺 牡丹枯れ一木づつの花名札 雨をもて木を騒がすも目借どき いちじくや明治の母の口ごたへ 旧正の箒の先の紅の糸 あんず苗子育て終へて実育てに JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.23 Sat 18:48
平成14 「京鹿子」主宰 第4句集 雲とまた喋りはじめて四月の木 あまりにも度忘れ黄葉をのけてみる 点滴に春の雲溶けおりてくる 人きらふこと花冷にかこつけて 穴まどひそらのあをさにふと曳かれ ひとすみに余花あるそんな宇治の昼 ひとすぢの草ひとすぢの糸とんぼ 白日傘入れてはじまる森の午後 さくらんぼグラスに沈め晩婚論 ただならぬ目つきは瀧を見しゆゑか うららかな野のまん中の途中下車 いなづまや百鬼のをどる草の上 コスモスはただいま多重放送中 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.18 Mon 20:53
1998年 「京鹿子」同人 第1句集 柚子に刃を入れてわたしは浮かんでいる 榠樝投げ榠樝とる子ら空うてり 寒林をまっすぐ抜ける角度あり コスモスを泳ぎふるさと遠すぎる いちにちは雪の白さのままでいる 鉄線花別れ話を図解して 飲んでも呑んでも凍星がついてくる いち日を激しく茄子はやわらかく 遠花火恋のくだりは顎をひき 白菜を裂く音だけで今朝はいい さっきまでの椿の空間が重い 夏掛や遠からずくる死の形 こすもす揺れる行きたいところあるよ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.14 Thu 19:41
平成31 「京鹿子」同人 第1句集 受験子の入りて校門静もれり 花明り小橋それぞれ名を持てる 月見草寄せ来る波のうら翳る 筆太の城主の手紙紙魚走る 夫の捥ぐ梅エプロンに受けにけり あぢさゐや捨てると決めしピアノ弾く 天平の塔より高き夏の蝶 新米の旗翻り近江晴 教壇を去る日の近く日脚伸ぶ たこ焼を生業として冬の汗 紙漉の水重くなる夕茜 湖北なる暑さ二寸の大根焚 小春日や神馬の鞍の干してあり 初春の一刀彫の馬匂ふ 花すすき安土の風をは...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.11 Mon 22:33
平成23 「笹」同人 第一句集 春光や刷り上りたる夫の著書 夫帰り牡蠣グラタンの煮え滾る なでしこの切れこみ深くなびきけり 観覧車てつぺんに来て春の海 茜空残りてをりぬ夏料理 初ものの林檎これより信濃路へ みちのくのひとめぼれなる刈田かな 白鳥の舞の始終をみとどけぬ 母の日や花屋の角に待ち合はせ 東の空の明るき桜かな 稜線や羽根をななめに鷹渡る JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.07 Thu 23:33
JUGEMテーマ:俳句 前回2023年3月に道場近くのじゅんさい池を取り上げたが、その続きに、眞間山の枝垂桜をご紹介したい。 10年位前、静座会(耳順会)に参加させて頂いた。坐禅のあとのお茶の時間に、参加者は、いろいろ雑談、話題提供などしていたが、古参の方から「富安風生(とみやすふうせい)の 『まさをなる空よりしだれざくらかな』の句によって、市川・真間の弘法寺の枝垂桜が全国的に有名になった。」と言う話をお聞きした。まだ筆者は俳句を始めていなかったので、このお話により、富安風生が...
座禅ブログ | 2023.12.05 Tue 13:12
平成19 「運河」主宰 第9句集 懸想文売の狐目忘られず 悪たれの戻りてゐたる春祭 ぼうたんの散りざま淫らとも違ふ 一歩踏み出して動かず山椒魚 板の間は晒屋根なり岩魚焼く 蝮捕前歯一本出し笑ふ 夏帯の後ろ姿も見よといふ 日の昇る前の青空初氷 人選ぶごとき目差梟は 大き死のあとに重き死年の暮 太刀佩かせたる正月の死人(しびと)かな 初観音臍のめでたき仏かな 小刻みの影が正直目高の子 楢林椚林や夏の霜 福相と思ふ眠れる半裂を 山桜紅葉拾ふ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.12.03 Sun 22:31
平成24 「白桃」同人 第1句集 散らさずに登るすべなし萩の磴 落椿その上にまた落椿 淡きとも濃きともうつし世の桜 雛飾る部屋あたためてをりしかな 父の日や飴玉に口なぐさめて 血の薄くなりたるおもひ曼珠沙華 正座せり飾りをはりし雛の前 秋冷の潮鳴りを聴く力石 大空のいちばん底の袋掛 冬満月銀杏は白き木なりけり 秋簾子が来て巻いてゆきにけり 飛花落花峠の風もさくら色 時雨来て声高となる朝の市 暗闇をほぐして辛夷ひらきけり 金亀虫押さへし指...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.11.28 Tue 21:52
ひさしぶりの吟行です。 葩さんの海が見たいという要望で葛西臨海公園にやってきました。 今回は初参加の宗治さんもいらしたので、俳句の作り方を少し説明しました。 俳句は花鳥風詠が主流ですが、これをざっくり天地人の三要素で分けます。 天は天候、天体、雲、光、鳥など。 地は地形、風土、動植物、固形物など。 人は人工物や人為的な行為などです。 この中にさらに大小があります。大きいものばかりだと雄大ですが茫洋とした句に。 ...
小金井句会記 | 2023.11.21 Tue 09:45
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