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平成20。 「馬酔木」会員。 第一句集。 うなじ吹く茅花ながしや子の忌来る 夜学子の眠りに肩を貸す電車 雁渡し人みな羽織るものを持ち 幼らのサドル上げるや春隣 喜怒淡くなりゆく齢龍の玉 息白き子の言い訳を信じをり 亡き兵の妻も逝きたり梅二月 戻り来し合格の子を握手攻め 色ゴムで括る童女の祭髪 講義けふ出エジプト記風薫る 笑むのみの遺影の夫に寒さ言ふ 夜濯やざぶざぶ水に八当り 無言館めぐる無言や昼の虫 どちらからともなく和解日脚伸ぶ  ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.07.09 Sun 19:47
2015年。 「天塚」主宰。第2句集。 初旅はいつも古里母在はす 若布刈舟波の機嫌を波に問ひ 呼び止めるやうにほうたる肩にきし ほたる村土橋・石橋・板の橋 軽く舞ひ重く歩みて月見能 軽々と武蔵を担ぐ菊師かな 福音のごとき黄葉拾ひけり 掃初めは吾子のこぼせしビスケット 燃えしぶるものは叩かれ野焼きの火 まなじりを濡らし遠目の孕馬 牛蛙棚田の闇を膨らます 行者道蛍袋は白ばかり 淡海や碁石散らしに浮寝鳥 よちよちがはひはひを呼び初笑ひ 初稽古襖を...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.07.07 Fri 14:36
2023年。 「橘」同人。第1句集。 クリスマス電車一両握り寝る 花杏その名の吾子と樹を見上げ 福耳の母と座りて虫を聞く 胸板の水鉄砲の的となる 立冬や和菓子の包み折り鶴に 逆立ちをひよいと妻決め春立ちぬ 鉛筆に森の匂や入学す 昼寝子の左手に小指握らるる 巨艦めく東京駅舎冬の月 胸丈に強き子のパス春来る 母の手を父の手に置く卒園児 ぼすぼすとボールペン押す啄木忌 食卓に七人揃ふ良夜かな 吹き抜けの立方体に大聖樹 JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.07.06 Thu 19:12
平成23。 「馬酔木」同人。第1句集。 迎火を焚き続けきし母に焚く 枯るるもの枯れて磧の石叩 大寒の草の骨踏む別れかな 出願も受験も雪となりにけり 鳰潜き釣瓶落しの湖緊る 面影の母は老いざる手鞠唄 霧濡れの少女紙梳く登山宿 杉山に杉の香一番星涼し 落葉また落葉を呼びて暮れゆけり 水底を水流れ水澄みにけり 天気図に太陽溢れ五月来ぬ 残生の仄見えてくる夜寒かな JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.07.02 Sun 12:59
2011年。 「花暦」主宰。第5句集。 初句座の一つ足したる机かな CT検査終へ汗のもの着用す みづうみの風の涼しや柱背に 瞽女唄を一途に藍の秋袷 幼ナ手のゴム風船の飛びたがり 末枯るる学問の灯はひとりの灯 塵捨てに出る乗初の昇降機 山荘の一と間一と間の秋惜しむ 風涼し乗船前を木の椅子に 青芭蕉風の一刀浴びにけり 原爆忌空あるかぎり忘れまじ 躑躅密生呼吸困難かもしれぬ しなのなる山を遠見の川涼み JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.25 Sun 20:56
平成1。 「天狼」同人。第2句集。 遠天に峰雲菩薩立ち給ふ 終に揃はず酔漢の踊の手 栗飯の栗は龍神村のもの 密教の山断崖に藤の房 試し打つ祭太鼓の皮の張り 櫓より降りて踊の輪に入れり 雲板を強打一山蝉時雨 病床に居ずまひ正し年の礼 躍る輪の吾に蹤きくる吾が患者 葉牡丹の渦に飛込む玉霰 湧きつづく霊山の霧無尽蔵 月読の光が照らす初詣 大根を診察室に置いてゆく 国生みの島に棚引く初霞 上人の籠りし窟の岩の冷え JUGEMテーマ:俳句...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.20 Tue 11:20
2011年。 「狩」同人。第1句集。 買初めの本の匂ひを抱き戻る 折りあがる女雛を待てる男雛かな 花吹雪幌かけてゆく乳母車 風上へ合図野焼きの火を放つ 磯遊びせし夜の風呂にこぼれ砂 人波の上に真白き破魔矢かな 老いの身にふりだしの出て絵双六 ものの芽の力溜めゐる尖りかな 頂上をすこし貰ひて掻氷 イタリアのやうなブーツで落葉踏む 病ひには互ひに触れず日向ぼこ 水餅の焼かるるまでの仔細かな 風光る恋のラケット重ね置き 氷より匙のつめたきかき氷 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.13 Tue 12:11
1999年。第7句集。 眼前の宙吊の蛇退きなさい 枯木山燃えぬ落日など要らぬ とりあへず死んでみせたる火取蟲 斧打ちこむ死んでゆく木の餞に 揚雲雀そこならば病む友見えむ そこに居ただけでにんげんが消えた 夏 手鞠うた見も知らぬ國経めぐりて JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.07 Wed 22:00
昭和63。 「狩」同人。第1句集。 じやんけんの石ばかり出すちやんちやんこ 蝉の声減りゆく日々よ母訪はな なぞなぞの父から母へ暖炉の夜 息かけて両手はげます紙漉女 肉片のごとく重なり落椿 子の籠を先に満たして蓬摘み おとし穴遊びのむかし花ざくろ 留守の間の嵩あきらかに柿落葉 数へ日や駅前にとぶ新聞紙 一息に口上を述べ春著の子 指先に目のあるごとく粽結ふ どの段も水に均され花山葵 寒き夜の反故をまるめる音ひとつ 地の窪はみな水ためて手鞠花 ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.04 Sun 11:28
1988年。第3句集。 石の家月光深きところまで 梟に熟睡のときのついに来ず 天に月地にありふれた流離譚 まつろわぬ者として負う花衣 長汀は死魚点々と夏の暮 長病みの手首は秋を知りつくし 逝く夏や芸人の大足をみて かくまでに人をへだてて蒼鷹 ひえびえと来るものを知る黒髪(かみ)の芯 日盛りを長方形の箱がくる 半身は夢半身は雪の中 心臓を押さえた形に冬の蝶 梟を見にゆき一人帰り来ず JUGEMテーマ:俳句
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2023.06.03 Sat 11:15
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