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JUGEMテーマ:戯言 温くなったペットボトルの水で、噛み砕いた錠剤を飲み込む。それは指示に反する振る舞いだけれど、私のことを一番知っているのは私だから、タイミングは私が決めるしかない。風がゆるい日が続いている。午後に通り雨が降るときも、真っ直ぐに雨滴が落ちてくる。疲れた私を潤してくれるのは、それが本当に真っ直ぐに落下してくるからだ。真っ直ぐに落下するそれは、どこからも飛来していない。ただ私が信じる中天から落ちてくる感じがして、だからそれは純粋な潤いのような気がして、癒やされる感...
pale asymmetry | 2025.09.16 Tue 18:18
JUGEMテーマ:戯言 沈黙の部屋では、会話が交わされている。囁き声で、ここではない何処かの様子が語られている。沈黙の部屋では誰も沈黙していなかった。それが当たり前のことのように、この世界から乖離した風景について話し合われていた。誰もが平坦なイントネーションで話し、語気を強めることも声を荒げることも一切ない。もちろん熱を込めて語る者もいなかった。そう言う意味で、そこは沈黙の部屋なのだろうと私は理解した。つまりそこで交わされていた会話は、あるいは囁かれていた言語は、全く必要のない会...
pale asymmetry | 2025.09.15 Mon 17:51
JUGEMテーマ:戯言 早朝の空は立ち上がる白雲に縁取られていて、世界の輪郭はまん丸なのだということを私に教えていた。そのまん丸の中心点はまさに中点にあって、そこには青白い半月が鎮座していた。今朝のこの風景はあの半月が支配しているのだと私は気づく。あるいは、その半月が私を支配しているのだと理解する。だからどこにも行けない。私はここに立ち尽くして、行く末を思い描かなければいけないのだ。自分がどのような過程を経て終わりに向かうのかを、事細かに空想しなければいけないのだ。そしてそれは完...
pale asymmetry | 2025.09.14 Sun 18:17
JUGEMテーマ:戯言 蝶について考える。頻繁に考えてしまう。それが舞い飛ぶ風景についてだとか、そのパタパタが伝播する効果についてだとかではない。そういうことではなくて、蝶そのものの奥底について考えてしまうのだ。だから私が考えているのは、本当は蝶についてではないのかもしれない。それは例えばネズミについてなのかもしれない。カエルについてなのかもしれない。あるいは天使についてなのかもしれないし、人魚についてなのかもしれない。でももちろんそんなことについて考えているわけではない。これは...
pale asymmetry | 2025.09.12 Fri 20:25
JUGEMテーマ:戯言 庭の漆が仄かな朱に染まっている。暑い日々が続いているのに、この子は秋を感じているのだろうか。それとも私たちよりもずっと切実に秋の訪れを願っているのだろうか。早朝から陽光は鋭利で、肌を切り裂いてくる。でも庭の植物たちはそれを真っ向から弾いて煌めいている。人間はどこまでも脆い生命体なのだなと思う。その中でも私は本当に脆い。風がゆるやかだから、空気は真っ直ぐ上昇しているように感じる。庭から中天に色々な事象が奪われているようだ。あるいは様々な事象が捧げられているよ...
pale asymmetry | 2025.09.10 Wed 17:48
JUGEMテーマ:戯言 実際のところ、独楽は世界を攪拌しているのだという。ただその独楽が実体だという保証は何処にもない。というか、この世界には実体などありはしない。あるのは宇宙であり、それは無数の宇宙であり、無数の思念体が生み出している宇宙なのだ。つまり宇宙とは幻影なのだから、それが重力論だ、超弦理論だ、暗黒物質だと解析しようとしても、上手く行くはずがないのだ。あるいはそれは逆に考えると、何でもありの自由自在だと言うことも出来るだろう。そういうわけで、実体であろうとなかろうと独楽...
pale asymmetry | 2025.09.08 Mon 18:24
JUGEMテーマ:戯言 わだかまる破片は、そのままにしておく。気にならないというわけではないのだけれど、それに構っている暇がないのが現状。破片の方は私が大いに気にすることを望んでいるのかもしれないけれど、時間に追われているのでじっくりと見つめることなんてできない。たとえばそれが痛みをもたらすとしても、鮮血が滲むとしても、それよりも前にかたづけなければいけないことが私にはあるのだ。それも速やかに。無視するわけではないけれど、わだかまるままに進んでいくしかない。苛立ちや違和感を抱える...
pale asymmetry | 2025.09.03 Wed 18:18
JUGEMテーマ:戯言 丁寧に折りたたむ。折っても折っても、上手にたためていないような気がする。それでも折りたたまなければいけない。そうでなければ次の地図を開くことができないから。大きなテーブルの上で開いたはずなのに、最初の地図はすぐにテーブルを埋め尽くしてしまった。次の地図を開きたければ、最初の地図をたたまなければいけない。そして私は次の地図が必要なのだ。今開いている地図ではこの先に進めないから。でもまだ書き込むべき地図記号が足りないように思えてしまう。このままたたんで良いもの...
pale asymmetry | 2025.09.02 Tue 16:55
JUGEMテーマ:戯言 寝不足の朝に、カーテンの隙間から外を覗く。硬質的な青空が見えるけれど、風景は濡れていた。雨が降ったのだろう。そしてすでに去ったあとなのだろう。雨はもう次の場所で、次の風景を潤している。この場所は緩やかに乾いていくのだ。雨が沈ませていた眠りは、そのまま果てのない深海に沈んでいく。乾いた覚醒が徐々に浮かび上がってくるのを感じる。外の風景は少し涼しげ。でもその本当は解らない。部屋はエアコンディショナーに完全に支配されていて、私自身もそれに身を委ねているから。どう...
pale asymmetry | 2025.08.30 Sat 17:48
JUGEMテーマ:戯言 私たちはテラス席で、ミシンを見つけたりしてはしゃいでしまう。平日の昼なのに、店は混み合っている。心地よい風が流れているのに、皆店内の調った空調のなかに逃げ込んでいる。テラス席は私たちが占拠し、現実は非現実を帯びている。私たちだけが生命体で、他の人たちはデジタルビーイングかもしれない。そんなことをふと思う。硝子窓から店内の様子が見えるけれど、あれは硝子ではなくモニタかもしれない。店内なんて実はなくて、その様子はモニタに映された映像なのかもしれない。それならも...
pale asymmetry | 2025.08.29 Fri 15:51
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