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JUGEMテーマ:戯言 顎を上げれば半月。今朝の予報では絶え間ない雨だったはずなのに、空は薄雲と青。その薄雲と同じくらい白い月。方舟ならば転覆している。生命は世界から失われている。でもそれを見つめている私は生命。だからそれは異なる世界線の話。そこから顔を覗かせている月なのだろう。転覆する方舟の世界には、もう青空しかない。その青空を見つめる生命はいない。その生命を見守る神様もいない。遠い銀河の真ん中から知性体が訪れたとしても、魅力を感じずに立ち去るだろう。そして私はこちら側。方舟が...
pale asymmetry | 2024.09.24 Tue 20:31
JUGEMテーマ:戯言 「翼なんていらないよ」 灰色の鳥は言う。コバルト色の瞳は私を見つめていない。私もその鳥と視線を絡めたりしない。鳥はどこにも存在しないし、同じ意味で私も存在しない。空の半分は鬱々とした分厚い雲に覆われていて、残りの半分はパステル調の青が広がっている。どちらも本物の空だというのなら、同じ強度でどちらも偽物だろう。あるいは双方が双方に擬態しているのかもしれない。その結果として入れ替わっただけという可能性も否定できない。何にしても私と鳥との距離は、微妙に近く微妙に...
pale asymmetry | 2024.09.23 Mon 20:58
JUGEMテーマ:戯言 小さな記号の上に立つ。小さすぎて両足を乗せることが出来ないから、片足だけ、そのつま先だけを乗せて立つ。バランスを取るのが難しい。バランスを取るから難しい。倒れることが容易いなら、倒れてしまう方が良いに決まっているのに、バランスをとり続けようとしてしまう。不細工にバランスを取ることが綺麗なのだと思ってしまうのは、何処かで誰かに植え付けられた強迫観念だろうか。よく解らないけれど、私はバランスを取ることをやめられないのだから刹那が永遠に繋がってしまうのだ。そして...
pale asymmetry | 2024.09.22 Sun 21:01
JUGEMテーマ:戯言 その扉は正しい扉ではなかった。何をもって正しい扉だと定義するのかはよく解らなかったけれど、私の直感がそうだと告げていたのだ。だから本来ならばその扉を開くべきではないのだった。けれど開かなければ先には進めなかった。他にも扉は無数にあったけれど、その全てに鍵がかかっていたからだ。私はその鍵がかかった扉のどれかを選んで、その鍵を粉微塵に破壊して開くのが良いのかもしれない。けれどそれはスマートな方法ではないだろう。ただ少し引っかかる。鍵のかかっていないこの扉は、ス...
pale asymmetry | 2024.09.21 Sat 21:14
JUGEMテーマ:戯言 最早滑稽だと思えたから、笑いが込み上げてきた。このタイムラグは何だろう。僕はコミュニケートに傾いているのだろうか。回線の向こう側の誰かは、どうだろうか。もっとも、回線の向こう側に本当に誰かがいるとは限らない。そこにいるのは集積回路で、このコミュニケーションは架空のそれかもしれない。僕はダンジョンゲームの中にいて、モブキャラとの会話で謎を解こうとしているのかもしれない。だからこんな微妙なタイムラグが生じるのだろう。それ自体は特に不快には思わない。いや、もうそ...
pale asymmetry | 2024.09.19 Thu 20:02
JUGEMテーマ:戯言 蹴り上げた鞠は麻の葉模様を纏っていた。地色は朱、模様は金。それは迷うことがないように。だから鞠は迷うことはない。迷っているのはつまり私の方で、鞠が舞う宙を見上げることが出来ない。小雨が渦を巻くそこには、私が求めているゲインはない。それを得たからと言って私が跳躍できるわけではないし、鞠と一緒にこの星を離脱できるわけでもないけれど、例えばヒストリックカーから手を振る魔女に、その疾走は無力だと叫ぶくらいの勢いを身につけることが出来るはずだ。けれどゲインは見当たら...
pale asymmetry | 2024.09.18 Wed 20:23
JUGEMテーマ:戯言 何処かに道があるのなら、それを歩くのが良いのかもしれない。でもそれが私の道ではないのなら、ただ傷つくだけになってしまうかもしれない。それが誰かの道ならば、その誰かに笑われるか呆れられるかもしれない。自分が自分の道を歩いているのならば、どんなに滑稽であっても、誰かに嘲笑われたとしても、たぶん愉しめるだろう。傷つくこともなければ、痛みに震えることもないだろう。道の先が全く見えなくても、そのおかげで様々なイメージを想起させることが出来るだろう。そしてそのイメージ...
pale asymmetry | 2024.09.17 Tue 20:22
JUGEMテーマ:戯言 少し疲れが溜まっていると感じたとき、私は時間に関係なくベッドに倒れ込み、イマジナリーツインを思い浮かべる。私は含まれない、空想上の双子。同じ顔をしてるけれど、一方は赤いドレスを着ていて、もう一方は白いドレスを着ている。私は便宜上赤いドレスの少女をルージュ、白いドレスの少女をアイボリーと呼んでいる。イマジナリーツインはただ向かい合って微笑み合い、静かにやわらかく会話する。他には何もしない。薄暗い部屋で仄かに燃えるキャンドルを前にして、寄り添いただ会話するのだ...
pale asymmetry | 2024.09.16 Mon 18:33
JUGEMテーマ:戯言 単純に、綺麗な箪笥だと思った。朱色がかった茶色で、ところどころ黒く陰った色をしている箪笥だった。もともとそんな色だったのか、それとも年月と共にそういう色になったのかはよく解らなかった。でも相当に古い箪笥であることは確かだった。部屋の弱い照明に艶やかな面を晒していたけれど、その艶は昔はもっと強かったのだろうと思われた。 「僕の愛する人です」 祖父はそう言ってはにかんだ。 「引き出しを開けてもいいですか?」 私が尋ねると祖父は静かに頷く。だから、こ...
pale asymmetry | 2024.09.15 Sun 18:42
JUGEMテーマ:戯言 突然のコール。遠い時間からのコール。「アーマライトライフルはまだ扱えるかい?」と懐かしい声。それは暗号だ。そんな暗号をやりとりしていた頃もあったのだろう。彼の中では、私というキャラクターはその頃のまま凍り付いているのだろう。私の方はと言うと、彼のキャラクターはもう憶えていない。そしてその頃の私のキャラクターも憶えていない。だから上手く受け答えできなかった。彼と私はもう別の言語を話している。彼にもそれは解っただろうか。彼がそれに気づいていれば良いのだけれど。...
pale asymmetry | 2024.09.14 Sat 18:38
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