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JUGEMテーマ:戯言 探しているのはあの日の風景だろうか。それともその風景のなかで拾った石ころだろうか。どこにでも転がっていそうなそれを、私は何故か拾い上げずにはいられなかったのだ。長く持っていれば、ある日突然宝石のように輝き出すかもしれないと思えたのだった。自分で磨いてみようとは思わなかった。だからそれは程なく机の引き出しの奥に追いやられ、それから押し入れの奥に追いやられ、今となってはどこにあるのか解らない。あるいは家中を探し回っても見つけ出すことは出来ないかもしれない。する...
pale asymmetry | 2025.10.17 Fri 18:18
JUGEMテーマ:戯言 庭に水を撒く。ホースから勢いよく噴き出した水流が敷石にかかり、そこに集っていた小さな白い蝶たちが一斉に舞い上がる。と思ったら、それは散り落ちた白い花びらだった。それが水の勢いで弾き飛ばされて、一瞬風に踊っただけだった。けれど私は考える。本当にそうだろうか。それは確かに直前まで蝶だったのではないだろうか。水を浴びて翻弄された瞬間、花びらに変換されてしまったのかも。それは世界の悪戯だったのかも。私に向けられた悪戯か、蝶たちに向けられた悪戯か、どちらなのかは解ら...
pale asymmetry | 2025.10.16 Thu 20:09
JUGEMテーマ:戯言 広がる情景は、幻想的な方が良いように思える。だから…… 湖を取り囲む暗く陰った稜線。這うように低いその稜線は、疲れて横たわる架空の獣のように見える。たとえばそれは龍のような。その獣は一日中、躍起になって太陽を喰らおうとしていたのかもしれない。そのせいで疲れ果て、今は凪の湖面に寄り添うように臥している。沈み行く太陽はそれを嘲笑うかのように金色の輝きを盛大に放ち、鮮やかな黄金の影を湖面に長く伸ばしている。 情景に人物が加わる。それはシンプル...
pale asymmetry | 2025.10.15 Wed 21:22
JUGEMテーマ:戯言 まずはシンプルに。 爽やかな色合いの花で装飾された麦わら帽子を被る彼女は、稜線の向こうに沈んでいこうとしている太陽を見つめている。湖面に伸びる金色の帯から滲む輝きが、彼女の長い金髪にさらに金色を塗り重ねている。ゆったりとした白いワンピースが、ゆっくりと冷えていく空気を孕んでゆるやかにしなやかにスカートの裾を揺らめかせている。その白は、太陽の金色には染まらず、それか浮き上がるように清涼な色彩を際立たせていた。 少し幻想的に。 麦わら帽子を装飾する...
pale asymmetry | 2025.10.14 Tue 20:48
JUGEMテーマ:戯言 まずはシンプルに。 湖を取り囲む低い稜線の向こう側に、太陽が沈もうとしている。熟し切った果実を思わせるような橙色に輝き、その色彩を長く影のように湖に伸ばしている。真っ直ぐに引かれた橙の帯は導標のようだ。あるいは凪を纏った水面にかけられた橋梁のようにも見える。何処へ誘う導なのか、何と何を繋ぐ橋なのか、それは分からない。 少し幻想的に。 湖を取り囲む、暗く陰った稜線。這うように低いその稜線は、一日の疲れを癒やすために横たわる龍のようにも見えた。例え...
pale asymmetry | 2025.10.13 Mon 20:22
JUGEMテーマ:戯言 言の葉に溺れなさいとメンターが言う。だから私は堆積する葉に飛び込む。息苦しくはないが、何処までも墜落していくしかない。それらは全て朽葉で、だから私を支えてはくれない。世界を漂う言の葉を適当に採取することが、私の振る舞いを洗練させるのだという。でもそれは本当に採取するべきものなのか。言の葉に溺れることは苦痛ではない。それが朽葉であろうとも。でも言の葉は私の内側から常に溢れかえっている。それを抑えることなど出来はしない。それでもそれを抑制し、朽葉を噛んでそのコ...
pale asymmetry | 2025.10.12 Sun 18:03
JUGEMテーマ:戯言 取り敢えず荷物を降ろしてみる。その場で二三度跳ねてみる。そうやって自分の軽さを確認してみる。そして取り囲む風景の質量を感じ取ってみる。私はそれよりも軽くなければいけない。そう強く思える。その方が、風景の細部まで観察することが出来るから。あるいはそれは観測と言っても良いと思う。そうすることで私自身を観察し、観測することが出来るのだ。結局のところ、私がしたいことはそんなことなんだと思える。全てが自分自身に還元されることを願っているんだ。利己的な行動原理で、私は...
pale asymmetry | 2025.10.11 Sat 11:24
JUGEMテーマ:戯言 早朝に激しい雨。でも嵐は歩みをくねらせたようだ。立ち上がっては蹲り、また立ち上がっては蹲る。そんなことを繰り返しているうちに時間が過ぎていく。考えなければいけないことはたくさんあるように思えるのに、それが何かはよく解らない。全く解らないのならばしなやかにやり過ごすことが出来るのに、僅かなささくれを感じるから、見過ごすことなんて出来ない。でもそのささくれはひどく曖昧で、だからそれに思考を集中させることも出来ない。私は浮き足立っているのかもしれない。そんな理由...
pale asymmetry | 2025.10.10 Fri 11:21
JUGEMテーマ:戯言 青白い空に白青い月が浮かんでいる。青白い空の真ん中に。あの月は孤独だろうか、とふと思う。そう思ってしまうのは、私が孤独だからだろうか。でも孤独だから、この朝を独り占めしている。この空もあの月も、全て私のもの。もちろん同じ空と同じ月を見知らぬ誰かが眺めているだろう。その誰かも孤独を抱えているかもしれない。けれどその孤独は私のそれとは違うから、この朝は私だけのもので、私一人のための朝なのだ。丸い月はけれど満月ではない。どのくらい過ぎていたっけ。そんなには過ぎて...
pale asymmetry | 2025.10.09 Thu 18:06
JUGEMテーマ:戯言 満ちきった潮が岸壁を洗う。風が払い落とした木の葉を、波が沖へと掠っていく。寄せる波と返す波が重なり、浮かび上がった紋様はきっと宇宙の紋様だと思う。これは満ち足りた時間なのではないだろうかと、自分自身に問い掛ける。わたしのずっと奥底にその答えがあるように思えたのだけれど、容易には答えに辿り着けない。とても単純に見える宇宙の紋様が、とても深い理を内包しているせいだろう。掠われた朽葉は来世へと旅立ったのだろうか。あるいは前世に再編入されたのだろうか。払われたので...
pale asymmetry | 2025.10.07 Tue 18:09
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