JUGEMテーマ:戯言 場の雰囲気がギザギザに尖っていたのは、接続が不十分であったり、そもそも接続が存在しなかったりしたというわけではなく、その逆で、過剰な接続が構築されている性ではないかと、私には思えた。その接続があまりにも過剰だったせいで、それぞれのコミュニケーションが完璧に調わければいけないと、その場にいる誰もが思ってしまったのではないだろうか。もちろんそんな完璧に同調するコミュニケーションなどあるわけがない。皆それを十分に理解していたはずなのに、ついついそういうある種の幻...
pale asymmetry | 2025.03.02 Sun 20:15
JUGEMテーマ:戯言 宝石に理由はない。その宝石を手にするのか、放り投げるのか、それを判断する理由なんてない。それは私が決めることではないのだ。それは宝石が決めること。私に喰われるのか、私を喰うのか、私に傷つけられるのか、私を傷つけるのか。全ては宝石の気ままなな嗜好によって決まる。だから扉があるならば、取り敢えず開かなければいけない。無限に並んでいるのなら、無限に開き続けなければいけない。鍵がかかっていても、無限の無限倍の暗証コードを撃ち込まなければいけない。そうすることによっ...
pale asymmetry | 2025.03.01 Sat 18:59
JUGEMテーマ:戯言 とくに何をしたわけでもない。何かをしくじったとも思わない。けれど気がついたらすでに浮き上がっていて、緩やかに揺れていたりする。最近はなかったから、その分戸惑いも大きい。この浮き上がって揺れる感覚が嫌いなわけじゃない。むしろ好きかも。でも心地良く心地悪い。あるいは心地悪いけど心地良い感じ。体内の奥深くからぞわぞわと得体の知れない流れが、密やかに立ち上るような感触。そう、感覚ではなく感触だ。それが私の皮膚を内側から撫で回す。その感触が私の躰を奇妙な渦に巻き込ん...
pale asymmetry | 2025.02.28 Fri 18:36
JUGEMテーマ:戯言 小さな亀裂のせいで、時間の配列がすっかり狂う。といっても、そんなに綿密に組み立てられていたわけではないから、それで私の心持ちまで狂ってしまったというわけではない。ただ狂った時間の配列を綺麗に繋ぎ直すことに気を配る。それも出来るなら狂ったままで綺麗に再配列したくなる。それは可能なような不可能なような微妙な感じがしたりしたけれど、そういう微妙な時間もまた愉しくて、深く考えず、何にもこだわることなく、適当に配列してみたり。適当と言っても雑にならないようにときどき...
pale asymmetry | 2025.02.25 Tue 21:30
JUGEMテーマ:戯言 迷う人、惑う人、迷い惑う人。そんな感じの隣の人。辻褄の合わない振る舞いで、自分自身を混乱させている。でもそれを誰にも問うことは出来ない。沈黙がルールだったから。ただそんなルールがなかったとしても、問うことが出来ただろうか? どのような言葉で問えば良いのかそれすら解らないほど惑っているように見えたから。辻褄の合わないまま、それでも形を整えなければならない。だから無理矢理に無理矢理を重ねて、力任せに進めようとしていた。それで押し進めることが出来たならば、それは...
pale asymmetry | 2025.02.24 Mon 21:02
JUGEMテーマ:戯言 少年は魔術を身につけようとしているのだろう。つまり魔術の実在を信じているのだろう。そしてそれを身につける能力が自身にあるのだということも信じているのだろう。あるいはある意味、自分は選ばれた者なのだという思いもあるのかもしれない。コミックのヒーローみたいに。でも魔術なんてないのだ。世界は魔術によって構築されているわけではない。あるのは技術のみ。魔術ではなく技術で世界は回転している。そのせいでその回転はひどく歪なものかもしれないけれど、それでも技術が絶え間なく...
pale asymmetry | 2025.02.23 Sun 20:59
JUGEMテーマ:戯言 彼あるいは彼女は、壁から張り出したコンクリートの上で丸まっていた。それはとても小さなスペースだったけれど、彼あるいは彼女は器用に全身をそのスペースに填め込んでいた。彼らは液体であるという説を何処かで聞いたことがあったな、とふと考えて、私は足を止める。その張り出しは斜め下、私の膝下くらいの高さ。物干しから風に掠われた衣類が重なり落ちた上に、彼あるいは彼女は丸まったまま目を閉じていた。淡い茶色の縞模様。とても明るいトーンだったから、淡いオレンジと言っても良いく...
pale asymmetry | 2025.02.22 Sat 18:47
JUGEMテーマ:戯言 冷たい雨が風景の全てを装飾していたので、出かける予定を全部キャンセルした。例えば毛布に包まって、一日中うつらうつらしていても良いのだけれど、それを望むほど疲れは感じない。昨夜早く眠りにつき、たっぷりと眠ったからかもしれない。それならとヒーターを強めて、カーテンを開き、ついでに部屋中に傘を開いて並べた。特に意味はない。雨の装飾を、私も纏いたかったのかもしれない。でも冷たい雨は嫌。だから架空の雨を取り込むことにしたのだ。傘は全部で七つ。一つ足りないな、と何故か思...
pale asymmetry | 2025.02.21 Fri 17:49
JUGEMテーマ:戯言 眠気にのし掛かられて、私はキーを打つ。眠気に纏わり付かれて、私はキーを弾く。眠気に巻き取られて、私はキーを連打する。降りそうで降らない雨が、その眠気に拍車をかける。たぶんそういう状況が、現実感を希薄にするからだと思う。つまり踊り出しそうで踊らない雨の気配が。あるいは、歌い出しそうなままいつまでも沈黙を守る雨の暗躍が。けれどこれは宝石のような眠気。だから決して眠ってはいけない。だって眠ってしまったら、あとは泥に落ちるだけだ。あるいは泥に堕ちるだけだから。この...
pale asymmetry | 2025.02.20 Thu 17:51
JUGEMテーマ:戯言 不在の人は、当然ながら何の影響も及ぼすことは出来ない。その上誰もそんな影響など求めていないから、なおのこと不在の人の面影は遠のいて行く。遠のいて逝くと行っても差し支えないほどに。誰かが涙しているような気がする。けれどその涙には何の感情も織り込まれてはいないだろう。だからそういう人がいたとしても、その人は自分が涙していることに気づいていないかもしれない。そしてそれはそのままで良いのだと思う。涙していることに気づかなくても、その人が道を違えることはないだろうか...
pale asymmetry | 2025.02.19 Wed 21:00
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