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JUGEMテーマ:戯言 雨の音を聞きながら、シャワーを浴びる。シャワーの水音で、雨の歌が掻き消される。少しだけ安心して、少しだけ不安になる。シャワーは歌っていない。そのことを不満に感じているわけではないけれど、どちらかと言えば歌っている方が良い。雨は豊かに歌っているけれど、雨で躰を洗うわけにはいかない。歌を浴びたいのかどうか、本当のところはよく解らない。私の皮膚で跳ねて飛び散る雫たちが、何かを教えてくれるかもしれないと目を見張ってみても、何も伝わっては来ない。雫たちに寄りかかろう...
pale asymmetry | 2024.11.07 Thu 18:59
JUGEMテーマ:戯言 世界には常に無数のインフォメーションが流れていて、それが様々なポイントで様々な反応を繰り返している。その流れに触れて反応に巻き込まれることもあれば、自分からインフォメーションを流さなければいけない事もある。本当は、そういうインフォメーションに一切関わらないことが心地良いのだろうけれど、それはこの世界と関わりを持たないことに等しい。それはまず無理なこと。世界と距離を置くことは出来ても、世界と関わらないという選択肢はないだろう。でも実際のところインフォメーショ...
pale asymmetry | 2024.11.06 Wed 19:00
JUGEMテーマ:戯言 何から話せば良いだろう。久しぶりに感じた純粋な悪意。別に凶暴なわけではなく、狡猾なわけでもない。どちらかと言えば稚拙で、滑稽ですらある。それでも悪意は悪意。不快感は際限なく高まっていく。最も不快なのは、時間を奪われていること。その意味を相手が理解していないこと。自身の時間を割いているのだから、私も時間を提供することは当然のことだと思っていること。でも彼の時間と私の時間は等価ではない。彼の時間と私の時間は置き換えが出来ない。たぶんこの先交わることもないから、...
pale asymmetry | 2024.11.05 Tue 18:22
JUGEMテーマ:戯言 垂直の壁を落下するヤギたち。彼らはまだ未成熟なのだ。だから自分の世界を創造することが出来ない。創造するということがどういうことかも知らない。だから多くのことを自身で管理することが出来ない。ただ踊らされるだけだ。ただ踊らされ、垂直の壁を登らされ、そして落下する。落下の痛みに悶え、それが世界と自身の不具合によるものだと理解している。大きな勘違いだ。世界と彼らに不具合が起こるはずはない。彼らはそれぞれ彼らの世界で暮らしているはずなのだから。それなのに不具合を感じ...
pale asymmetry | 2024.11.04 Mon 21:20
JUGEMテーマ:戯言 「この世界に意味のある事象など一つもない」 意味のない人が意味もなく私に囁く。その通りだろう。意味は鉱物のようにその辺りに転がっているものではない。重力波のように微かだが観測できる類いのものでもない。何かことが起こって、その次の瞬間に湧き上がるものだ。湧き上がらせているのはその出来事の渦中にいる者たちだから、それは形成されるものだ。したがって出来事が発生したそのときにはまだ存在しない。それが僅かばかり過去の事象になってから感じてしまうものなのだ。にもかか...
pale asymmetry | 2024.11.02 Sat 21:21
JUGEMテーマ:戯言 世界は回っている。一時も休まずに回っている。だから私たちは常に目が回っている。それを誤魔化して暮らしている。自分は止まっているのだと暗示をかけて、回転を無効化しているのだ。それは嘗て天動説を信じた人たちと同じくらいの強い信仰だろう。でも私は今も動いているのは天空の方だと考えている。地面は動いていない。地面は動きようがない。私は間違っているだろうか。世界には果てがあり、そこは切り立った崖で、身を投げれば永久に落下し続けることになるほど深い谷があるのだ。その底...
pale asymmetry | 2024.11.01 Fri 21:25
JUGEMテーマ:戯言 そのコインには裏しかない。だからそのコインが何かを主張することはない。そして主張しないのならば、何も引き受けることは出来ない。反転することがないから、回転もあり得ない。回転があり得ないのならば空転することもない。空転することがない世界で、彼は虚に傾くしかない。彼が虚に傾くのならば、私は放熱するしかない。もちろん様々な可能性があり、様々な選択肢はある。でもいつだって私たちは最良の選択を求めてしまう。そのために可能性を狭めてしまったとしても。最良の選択が空虚な...
pale asymmetry | 2024.10.29 Tue 18:42
JUGEMテーマ:戯言 細い路地はゆるやかにうねりながら何処までも伸びていた。両側にはひしめくように店舗が並んでいて、その軒先には無数の提灯がぶら下げられていた。それは色とりどりで、配色に意味はなさそうに見えたけれど、じっくりと眺めていると何者かへのメッセージのようにも思えた。例えば遠い銀河の、高度な知性体に向けての挨拶のような。あるいはセーガン博士がこの場にいれば、その色の並びから意味を読み取ってくれたかもしれない。そしてそのまま別の銀河の知性体と会話を始めたかもしれない。もち...
pale asymmetry | 2024.10.28 Mon 21:05
JUGEMテーマ:戯言 目覚めると、寝室の空気はひどく冷たかった。エアコンの設定をしくじったらしい。枕元のリモコンに手を伸ばす。けれどその手はリモコンには届かず、もふもふした何かを掴んだ。そちらに目を向けると、それは灰色の熊の手だった。その熊はベッドの横に寝転がっていて、伸ばした腕を僕の手に添え、真っ直ぐに僕を見つめていた。ベッドと同じくらいのサイズの熊だった。 「おはよう」 灰色の熊が言う。 「おはようございます」 僕は答えた。少し声が掠れている。部屋が冷え切ってい...
pale asymmetry | 2024.10.27 Sun 19:03
JUGEMテーマ:戯言 昨日指先を切った。不自然な振る舞いをしてしまったせいだ。絆創膏を巻いて眠る。今日目覚めたら、赤黒かった。眠ってる間にも出血したのだろう。全部の血が流れ出なくて良かったと思った。馬鹿げた考えだということは解る。指先の小さな傷から止めどなく噴き出す血をイメージして笑ってしまう。そんなことが起こったら、絆創膏だけでなくベッドが血の海になっていただろう。洗濯が大変だ。死んでいるのなら関係ないか。でも誰かに迷惑をかけてしまうな。私は一人暮らしだから、すぐには発見され...
pale asymmetry | 2024.10.25 Fri 20:24
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