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JUGEMテーマ:戯言 八人の少年少女たちが横並びに立ち、私を見つめている。八人という人数は解るのに、少年が何人で少女が何人なのかは解らない。それは揺らいでいるようにも思えるし、そもそも八人全員が少年であり少女でもあったかもしれない。だからそれは八人の少年少女で、少年か少女かは重要ではなく、八人であることが重要なのだ。重要なのだと世界が私に教えている。少年少女たちもその世界の教えに従っている。私はそれに従うつもりがないので、たった一人で少年少女たちと対峙している。これから彼らと争...
pale asymmetry | 2025.08.26 Tue 18:18
JUGEMテーマ:戯言 私たちは旅を続けている。あの子も旅を続けている。並んで歩くことはできなくなったけれど、それどころか全く別の世界の道を進んでいるけれど、今だってあの子の気配を感じることができる。寄り添っているわけではないし、触れ合っているわけでもない。それでもあの子の余韻が私の周囲に漂っているのだ。例えばそれを絡め取って纏うこともできるのかもしれない。でもそれを試みようとは思わない。私たちは別の旅をしていて、それが交わらないことが世界の理なのだ。だから無理矢理あの子を引き寄...
pale asymmetry | 2025.08.25 Mon 09:58
JUGEMテーマ:戯言 たぶん欺かれたのだと思う。相手には欺くつもりはなかったのかもしれないけれど、たぶん悪意はあったのだと思う。それは苦い悪意。あるいは渋い悪意。私がもっと賢ければ、そういう悪意は受け流せたのかもしれない。でも私は阿呆だから、そういう悪意は真正面から受けとめることにしている。まあ、傷つくし、痛みに震えることになるけれど、そういう痛みが私の不健全な心を正立に調整してくれるから。放っておくと私の不健全な心は倒立しがちで、だからそういう傷や痛みは必要なものなのかもしれ...
pale asymmetry | 2025.08.24 Sun 18:21
JUGEMテーマ:戯言 四十数話の物語を立て続けに浴びる。そしてそれは四十数種類の物語だった。何だか乗り物に酔ったみたいなフワフワした感じになる。物語は私を運ぶから。だから四十数カ所へと運ばれ、それも四十数経路で運ばれたというわけ。少し目眩に纏わり付かれて、それが心地良いのか不快なのかがよく解らないほど、強く纏わり付かれたみたい。あるいは両方の感覚が混ざり合っているのかもしれない。でもそれだと私は物語に翻弄されているということになるのだろうか。そういう感覚がうなじに張り付いている...
pale asymmetry | 2025.08.23 Sat 18:43
JUGEMテーマ:戯言 「結論って必要ですか?」 少女はそう問いながら、親指の先をナイフで切る。小さな傷。そこから膨らむ血は、真円描こうとするように膨れ上がるけれど、それには限界があり、いずれは滴るか、それともルビーのような姿で指先に留まるかだろう。でもそれを見届けることはできない。だって少女が結論を嫌うから。 「結果って重要ですか?」 少年はそう問いながら、自らが描いた紋様をぐちゃぐちゃに掻き回す。形を失い、意味を失ったそれは、少年が抱いていた秩序であり、万物の理論だっ...
pale asymmetry | 2025.08.21 Thu 18:10
JUGEMテーマ:戯言 「人魚の肉を食べると、不老不死になるんだって」 「ふーん」 友達は僕の言葉に興味なさそうに頷く。竿の先端が揺らいだ気がしてリールを巻くけれど、何もかかっていない。餌を付け直して、僕はまた竿を振りしならせる。 「人魚が釣れたら、食べたりする?」 僕が訊くと、友達はぼんやりと海面を見つめながら首を振る。 「調理する道具がないから食べられないよ」 「そんなの、連れて帰って家でさばけば良いじゃない」 「人魚を?」 「そう」 僕と友達は顔を合わ...
pale asymmetry | 2025.08.20 Wed 18:24
JUGEMテーマ:戯言 強い濁りのなかで、導を探す。小さな羅針盤の針は頼りなく震え続け、流れとうねりが邪魔をする。巨大なエンジンが突然咆哮し、私は視線を上げて息を飲む。飲み込んだ息は私の躰を駆け回ることなく、すぐに吐き出される。それは機械的な動作で、迷いや惑いが入り込む隙間もない。だから私はその息を自ら震わせて、羅針盤の震えをうち消そうと試みる。でもそれは上手くはいかず、むしろ裏目に出て羅針盤の震えを増幅させてしまう。私は世界に裏切られているのか、それとも私が世界を裏切っているの...
pale asymmetry | 2025.08.18 Mon 17:58
JUGEMテーマ:戯言 世界を切り取ることは、散らばる記号を集束させることと似ている。その記号は目に見えないし、匂いもないし、触れることもできない。だからそれは非在の記号なのだ。存在しない記号を集束させることなどできはしないから、世界を切り取る行為にはある種の虚構が生まれるのだろう。その振る舞いによって架空を描き出し、その架空によって虚を実に変換する。それは魔法に似た振る舞いかもしれないけれど、特別なスキルを必要とするような類いのものではない。ただ目を閉じて、呼吸を整えて、自身の...
pale asymmetry | 2025.08.17 Sun 18:30
JUGEMテーマ:戯言 燃えるという振る舞いは、全ての誕生を表していると思える。溺れるという振る舞いが、全ての消滅を表しているのと同じような思考様式で。それなら燃やすという振る舞いが、創造あるいは再生へと繋がる行為であると考えて、私たちは炎を立ち昇らせるのかもしれない。古から、天へと駆け上る架空の生命体を私たちは思い描いてきた。それらもまた炎を記号化した、あるいは象徴化したある種の儀式なのかもしれない。そんな風に考えてしまうのは、寝不足のせいかもしれない。睡眠の時間が十分なはずな...
pale asymmetry | 2025.08.16 Sat 18:19
JUGEMテーマ:戯言 識らない子らは、自分たちが識らないのだということを識らない。でも満足な振る舞いを纏えていないから、そのことに薄々気づいているはずなのに、その自分の直感に目を向けようとしていないのだろう。識らない自分を自覚することは恥ずかしいことだと考えているようだ。けれど識らないことを識らない方が恥ずかしいことなのに、それは気にならないらしい。たぶん、教えられることに慣れ過ぎているのだろう。導かれることが当たり前のことなのだと思い込んでいるのだろう。世界はそんなに親切では...
pale asymmetry | 2025.08.11 Mon 18:15
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