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JUGEMテーマ:戯言 小さな記号の上に立つ。小さすぎて両足を乗せることが出来ないから、片足だけ、そのつま先だけを乗せて立つ。バランスを取るのが難しい。バランスを取るから難しい。倒れることが容易いなら、倒れてしまう方が良いに決まっているのに、バランスをとり続けようとしてしまう。不細工にバランスを取ることが綺麗なのだと思ってしまうのは、何処かで誰かに植え付けられた強迫観念だろうか。よく解らないけれど、私はバランスを取ることをやめられないのだから刹那が永遠に繋がってしまうのだ。そして...
pale asymmetry | 2024.09.22 Sun 21:01
JUGEMテーマ:戯言 その扉は正しい扉ではなかった。何をもって正しい扉だと定義するのかはよく解らなかったけれど、私の直感がそうだと告げていたのだ。だから本来ならばその扉を開くべきではないのだった。けれど開かなければ先には進めなかった。他にも扉は無数にあったけれど、その全てに鍵がかかっていたからだ。私はその鍵がかかった扉のどれかを選んで、その鍵を粉微塵に破壊して開くのが良いのかもしれない。けれどそれはスマートな方法ではないだろう。ただ少し引っかかる。鍵のかかっていないこの扉は、ス...
pale asymmetry | 2024.09.21 Sat 21:14
JUGEMテーマ:戯言 最早滑稽だと思えたから、笑いが込み上げてきた。このタイムラグは何だろう。僕はコミュニケートに傾いているのだろうか。回線の向こう側の誰かは、どうだろうか。もっとも、回線の向こう側に本当に誰かがいるとは限らない。そこにいるのは集積回路で、このコミュニケーションは架空のそれかもしれない。僕はダンジョンゲームの中にいて、モブキャラとの会話で謎を解こうとしているのかもしれない。だからこんな微妙なタイムラグが生じるのだろう。それ自体は特に不快には思わない。いや、もうそ...
pale asymmetry | 2024.09.19 Thu 20:02
JUGEMテーマ:戯言 蹴り上げた鞠は麻の葉模様を纏っていた。地色は朱、模様は金。それは迷うことがないように。だから鞠は迷うことはない。迷っているのはつまり私の方で、鞠が舞う宙を見上げることが出来ない。小雨が渦を巻くそこには、私が求めているゲインはない。それを得たからと言って私が跳躍できるわけではないし、鞠と一緒にこの星を離脱できるわけでもないけれど、例えばヒストリックカーから手を振る魔女に、その疾走は無力だと叫ぶくらいの勢いを身につけることが出来るはずだ。けれどゲインは見当たら...
pale asymmetry | 2024.09.18 Wed 20:23
JUGEMテーマ:戯言 何処かに道があるのなら、それを歩くのが良いのかもしれない。でもそれが私の道ではないのなら、ただ傷つくだけになってしまうかもしれない。それが誰かの道ならば、その誰かに笑われるか呆れられるかもしれない。自分が自分の道を歩いているのならば、どんなに滑稽であっても、誰かに嘲笑われたとしても、たぶん愉しめるだろう。傷つくこともなければ、痛みに震えることもないだろう。道の先が全く見えなくても、そのおかげで様々なイメージを想起させることが出来るだろう。そしてそのイメージ...
pale asymmetry | 2024.09.17 Tue 20:22
JUGEMテーマ:戯言 少し疲れが溜まっていると感じたとき、私は時間に関係なくベッドに倒れ込み、イマジナリーツインを思い浮かべる。私は含まれない、空想上の双子。同じ顔をしてるけれど、一方は赤いドレスを着ていて、もう一方は白いドレスを着ている。私は便宜上赤いドレスの少女をルージュ、白いドレスの少女をアイボリーと呼んでいる。イマジナリーツインはただ向かい合って微笑み合い、静かにやわらかく会話する。他には何もしない。薄暗い部屋で仄かに燃えるキャンドルを前にして、寄り添いただ会話するのだ...
pale asymmetry | 2024.09.16 Mon 18:33
JUGEMテーマ:戯言 単純に、綺麗な箪笥だと思った。朱色がかった茶色で、ところどころ黒く陰った色をしている箪笥だった。もともとそんな色だったのか、それとも年月と共にそういう色になったのかはよく解らなかった。でも相当に古い箪笥であることは確かだった。部屋の弱い照明に艶やかな面を晒していたけれど、その艶は昔はもっと強かったのだろうと思われた。 「僕の愛する人です」 祖父はそう言ってはにかんだ。 「引き出しを開けてもいいですか?」 私が尋ねると祖父は静かに頷く。だから、こ...
pale asymmetry | 2024.09.15 Sun 18:42
JUGEMテーマ:戯言 突然のコール。遠い時間からのコール。「アーマライトライフルはまだ扱えるかい?」と懐かしい声。それは暗号だ。そんな暗号をやりとりしていた頃もあったのだろう。彼の中では、私というキャラクターはその頃のまま凍り付いているのだろう。私の方はと言うと、彼のキャラクターはもう憶えていない。そしてその頃の私のキャラクターも憶えていない。だから上手く受け答えできなかった。彼と私はもう別の言語を話している。彼にもそれは解っただろうか。彼がそれに気づいていれば良いのだけれど。...
pale asymmetry | 2024.09.14 Sat 18:38
JUGEMテーマ:戯言 カードをシャッフルするなら風切り羽に気をつけて。そんな誰かの声が微かに聞こえる。でもそれは風の音だったかもしれない。突然北に向きを変えた風の、その翻る音だったかも。あるいは波の音だったかもしれない。遠くの海域に落下した人工衛星が起こした引き波が、波打ち際の子猫を掠っていく音だったかも。それとも雷の音か。あるはずのない祭りの最後に、儀式によって無理矢理召喚された雷鳴だったかもしれない。そのどれであったとしても、私は従うしかない。その声を、その響きを疑ってしま...
pale asymmetry | 2024.09.12 Thu 21:20
JUGEMテーマ:戯言 そこら中にばら撒かれている道しるべは全て出鱈目だ。蹴飛ばしたその瞬間に我楽多に成り上がったとしても手遅れだ。「でも道しるべって甘いものだから、出鱈目くらいがちょうど良いのよ」なんて君は嘯く。ラクーンの着ぐるみを纏って安楽椅子で揺れている。その波長は眠気を砕く。過剰な覚醒が僕を我楽多に錆び付かせる。「どうしてそんな格好なんだい?」って君に聞いたら、「魔が差したというところかしら」と笑う。その笑顔は何から何まで偽物だ。それでも偽善は欠片もない。だから僕は安心し...
pale asymmetry | 2024.09.11 Wed 20:03
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