JUGEMテーマ:戯言 さあ弾け、とネットの渦が私に言う。クリック、クリック。次々と窓を開いて、私は奥へ奥へと進む。けれど本当は同じ場所で堂々巡りをしているのかもしれない。そんな気もする。クリック、クリック。それでも私はイルカのように泳ぐ。世界を風景として捉えることなく、簡素な模様の連なりとして認識しながら。手の触れた扉は全て解錠されている。それはあらかじめ約束されている。約束されているからこそ、必ずその約束は破られる。表面上のルールではそれは許されないことだけど、裏側に隠された...
pale asymmetry | 2025.01.17 Fri 20:34
JUGEMテーマ:戯言 取り敢えず扉を閉じる。紋様を精一杯ばら撒いてから。綺麗な紋様かと問われれば、自信を持って頷くことは出来ない。けれど今操れるコードは全て駆使したと言えるだろう。もちろんそれでは十分ではないかもしれない。精一杯やったかどうかは評価の対象事項ではないから、綺麗さが足りなければ扉が再び開くことはないだろう。閉ざされた扉の向こうに私がばら撒いた紋様が、どんな風に蠢くのかはもう解らない。あるいは凍り付いたまま身じろぎもしないかもしれない。そうであれば瞬く間に綺麗さは失...
pale asymmetry | 2025.01.15 Wed 21:24
JUGEMテーマ:戯言 遠くの事象に警告するために狼は唸る。それは遙か遠くの事象だから、遠吠えは太く濃密だ。拡散することなく、渦巻く帯のまま夜を駆けていく。私たちはその声を畏怖しなければいけない。それは厄災を祓う声に違いなかったけれど、ただただその声に甘えていては、尊い事象を失ってしまうから。その声は尊い事象を巻き取りながら夜を駆けるのだ。だから、私たちはそれをしっかりと抱え込まなければいけない。ところが、その尊い事象が何なのか、私たちは見失いがちだ。それは常に傍らにあり、手を伸ば...
pale asymmetry | 2025.01.14 Tue 21:12
JUGEMテーマ:戯言 それは小さな波で、エフェクトとしてはとてもささやかなものだろう。あるいはエフェクトと言えるほどの揺らぎもないかもしれない。私が放った小さな波に、重なるようにやって来た波。二つの波紋が混ざり合って、新しい紋様を描き出す。特に複雑でもない、特に重要でもない、そして特に目を引くものでもない紋様を。それはただ私を心地良くさせるためだけの紋様かもしれない。願わくば、その波を放った誰かも心地良ければ良いのに。そう思うけれど、それはあまり期待できないようにも思える。だっ...
pale asymmetry | 2025.01.13 Mon 20:41
JUGEMテーマ:戯言 蝶の夢を見る。燃え上がる蝶の夢。一頭目の蝶だ。まだくらい早朝、夜半から降り始めた雨がちょうど上がったところ。その雨は純銀色で、それが空気を慎ましやかに沈めている。その沈殿に逆らうように、蝶は鋭角的に燃え上がっている。炎は水色。盛大な熱を放つ水色。それが何を引き継いでいるのかは私には解らない。引き継ぐ? そうだ私の無意識が、その炎が何かを引き継いでいると感じているのだ。それは前世から今世に引き継がれた事象。だからそれを逃してはいけない。出来るだけ多く私のなか...
pale asymmetry | 2025.01.12 Sun 21:12
JUGEMテーマ:戯言 気がつけば、またドラゴンを追い求めている。あらゆる起伏を、あらゆる斑を、あらゆる紋様を、その細部に宿ると信じて探し回る。あるいはただそこに映し出しているだけかもしれない。私の内なるドラゴンを。なら私が見いだそうとしているのはインナードラゴンなのか。それとももっとイマジナリーなドラゴンなのか。何にしてもとても小さなドラゴンだ。折り畳んで余剰空間に仕舞えるほどのサイズなのだろう。だからそれを見いだすこともとても難しい。難しい難しいと呟きながら、私はニンマリして...
pale asymmetry | 2025.01.08 Wed 21:21
JUGEMテーマ:戯言 「それならビワを食べなさいな」 老婦人はどこか嬉々とした声音でそう言いながら冷蔵庫を開ける。中から現れたのは枇杷ではなく、枇杷の色をしたプリンだった。まあ、それはそうだろう。季節が違いすぎるのだから。 「どうぞ、召し上がれ」 漆器の小皿に移されたプリンを受け取り、スプーンで掬い取る。口の中で広がったそれが枇杷の味だったかどうかよく解らなかった。この十何年間、枇杷を食したことがなかったのだ。だから、枇杷の味などすっかり忘れてしまっていた。けれどその味...
pale asymmetry | 2025.01.06 Mon 21:37
JUGEMテーマ:戯言 抑えられない衝動に惑わされている。けれどそれは静かな衝動だ。あるいは不確かな衝動か。それとも断片的な衝動かもしれない。いや、これは衝動ではないかも。理由のない欲求なのかもしれない。理由がない欲求だから、満たすことも出来ない。満たすための具体的な方法が見当たらないのだ。何をどうしたって、的外れな振る舞いになってしまう。何が正解なのか解らないから、どの振る舞いが不正解なのかも解らない。夜の雨は重く降り、それは形のない記号をふんだんに含有していて、それが少しだけ...
pale asymmetry | 2025.01.05 Sun 21:06
JUGEMテーマ:戯言 悪意は何処にもなかったので、怒りを抱くことは出来なかった。悪意が何処にも見当たらなかったということではない。悪意が理論的に存在する余地がなかったのだ。したがって、苛立ちや憤りを感じることはルールに反することになる。ただ、だからといって無条件に受け入れて、平静に事を進めることも出来なかった。重要な歯車が抜け落ちていたからだ。だからシステムは全体として空転していた。伝わっていかなければいけないフローが、その空転によって虚に落ちていた。もう取り戻すことは出来ない...
pale asymmetry | 2025.01.04 Sat 21:44
JUGEMテーマ:戯言 何だか疲れてしまって立ち止まる。世界の全ては私のものだから腰を下ろす。アスファルト舗装された歩道の路面は、思ったよりも冷たくはなかった。だからたぶん私は疲れてなんかいないのだ。疲れていた方が整合性がとれるように思えただけ。立ち止まり、腰を下ろす整合性が。低い目線から眺める世界は、何処か異界のようだ。たぶんこんな風に、日常から繋がる場所に異界はあるのだろう。手を伸ばせば容易に触れられる場所に。あるいはその気がなくてもいつの間にか触れてしまっているような場所に...
pale asymmetry | 2025.01.02 Thu 21:26
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