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JUGEMテーマ:戯言 目の前にボードが三つある。それぞれぎっしりとメモ紙片が張られている。それは言葉の断片だったり、文章だったり、紋様だったり、図形や記号だったり、あるいは写真だったり。いくつかのメモには赤い文字で付け加えられたメッセージも。「これでは様式が伝わらない」とか、「世界の差異の形式が曖昧になっている」とか、「過剰に閉じているから、このままでは永遠に開かれることがない」とか。そういうメモの一つ一つに注目すると、その赤いメッセージはもっともな意見だと思えた。でも一つ一つ...
pale asymmetry | 2026.03.09 Mon 18:12
JUGEMテーマ:戯言 様々な人がナラティブを語る様子を一日中眺めていた。そうやって私は私のナラティブを見極めようとしていた。誰だってナラティブを抱えているから、もちろん私だって抱えている。それがどんな紋様をしているかはすでに十分に承知している。そう思ってはいるけれど、それは簡単に揺らいでしまう。私の抱えているナラティブは本当にひた走っているのだろうかと。いやそもそもひた走るものなのだろうか、ナラティブという装置は。きっとそれは大きな流れで、上流ほど鋭く早い流れなのだと思える。細...
pale asymmetry | 2026.03.07 Sat 18:28
JUGEMテーマ:戯言 早朝、雲間から現れた白い月を眺めながら、私は長い階段をゆっくりと下っていた。ついこの間までは、この時間帯はまだ薄暗かったのに、季節が一歩進んだのか月の輝きが消されるほどに明るい風景が広がっている。その風景全体にもぼんやりと目を配りながら、私は魔女と師匠の関係について思いを巡らせていた。その繋がりがどのように形成されて、形成されたそれがどのように儀式に繋がっていったのかを。それを魔女自身に語らせるのか、あるいは一角獣の少年に読み取らせるのか、どちらの方がより...
pale asymmetry | 2026.03.06 Fri 19:55
JUGEMテーマ:戯言 テレヴィジョンを見つめながら、風廻りを待つ。その瞬間は永遠に訪れないかもしれないけれど。それでも今は待つしかない。風の先触れが待つように告げているような気がするのだ。「それは気のせいで、君は騙されている」とあなたは言うかもしれない。それに対して私は頷くしかないだろう。あなたはいつだって正しいのだから。そして私は燃性と不燃性についてのレポートを完成させなければいけないのだろう。もう月が変わってしまったから、いつまでもダラダラと先送りするわけにはいかない。それ...
pale asymmetry | 2026.03.01 Sun 18:26
JUGEMテーマ:戯言 詳細は解らない。幾つかの、あるいは幾つもの思惑が絡み合っていたのかもしれない。たぶんそうだろう。私の視線は一方向からのもので、全体像を把握することは出来ない。そこには物語が係わっていて、その物語が幾つもの思惑に利用されているという印象を抱いた。物語は本来そういう思惑とはかけ離れた場所で回転する独楽なのに、その思惑のせいで、回転を失い倒れてしまった。私にはそう見えた。そしてその回転は尻切れ蜻蛉のまま、世界から失われてしまった。その事象の成否は私には判断できな...
pale asymmetry | 2026.02.28 Sat 18:24
JUGEMテーマ:戯言 地図はすでにあって、もちろんそれは白地図でもなく、だから道に迷わずに進むことは可能なはずだった。でもその地図はとても揺らいでいて、描かれた地図記号もひどく不安定で、現れたり隠れたり、現れてもぼんやりとした姿だったり。その地図を頼りに進もうとすれば、自然と歩みは鈍くなる。あるいは踏み出した足を引っ込めることになったり。しばらく進んでも、進んだ距離より長く引き返すことになったり。効率よく進みたいと思っているわけではなく、むしろ非効率な行程を愉しみたいと思ってい...
pale asymmetry | 2026.02.26 Thu 17:36
JUGEMテーマ:戯言 ひそひそと降る雨に耳を傾ける。息を潜めて、イメージを沈ませて。私はどこにもいない。そう信じられるくらいまで息を止めてみる。でも苦しさが私の輪郭を際立たせ、私がどんなに否定しても、世界から身を隠すことなど出来ない。あるいは世界の斑に紛れることが出来れば。けれど私の斑は世界の斑と一致しない。私の斑は貧弱すぎて、世界の斑の渦に近づくと崩れてしまうのだ。崩れたそれが世界の渦に巻き取られれば、全てを紛らわすことが出来るのに、崩れたそれは無数の破片となって飛び散るばか...
pale asymmetry | 2026.02.25 Wed 18:02
JUGEMテーマ:戯言 賢い鳥は夜色を纏っている。それは知性の色だから、それに相応しいコードが織り込まれている。降下し、翻り、急上昇する。その振る舞いにも賢いコードが織り込まれている。ひっそりと朝が始まろうとしている時刻に、そのコードは無色のまま煌めいて、私の気持ちを擽る。西の雲が茜に染まっている。だからあの雲は賢くはないのだろう。あるいは全てを悟っていて、その上で阿呆を演じているのだろうか。それならば憧れてしまう。私もそういう阿呆になりたいのだ。賢い鳥が鳴く。私の考えに賛同して...
pale asymmetry | 2026.02.22 Sun 20:30
JUGEMテーマ:戯言 繭の純白がまだ汚れていないことが気になった。いや、正直に言うと気に入らなかった。もっと正直に言うと嫌悪感すらあった。それが汚れていないことが、私と直接的な繋がりはないはずなのに、それでもそんな感情がわき上がってくるのは、私は繭に対する憧れがあるのだろうか。その繭に包まれて禁じられた夢を見たいと思っているということなのだろうか。自分の気持ちなのに、自分では解らない。自分の気持ちだからこそ、自分では解らないのだ。私たちは穢れていて、だから繭が純白であることに安...
pale asymmetry | 2026.02.21 Sat 19:32
JUGEMテーマ:戯言 短い旅から家に戻る。全身砂埃まみれだったから、まずはシャワーを浴びて着替えなければいけないのだろうけれど、躰がひどく重くとりあえずリビングのソファーに身を沈める。午後はまだ途中で、太陽も高い位置にあったけれど、あるいは高い位置にあったからこそなのか、リビングは薄暗かった。乾いた薄暗さが独特のリズムでしなっているように感じた。すぐにでも次の旅へと身を投じろと、急かしているようにも感じた。 「ただいま」 控えめに囁く。思ったよりもしわがれた声になった。僅...
pale asymmetry | 2026.02.19 Thu 17:29
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