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JUGEMテーマ:戯言 例えばそれは都市の外れ、夜と朝が激しく抱き合っているような色彩を纏った空。ビルの屋上で膝を抱えて蹲る私の瞳が、明けの明星を射貫いたりしているときのこと。そういうときに、私の内部に異星人が現れたりする。どこからともなく、それはこの宇宙とは、この世界とは違う場所から、私の内部に発生するのだ。 そういう異星人を、私は持て余してしまう。異星人は「テイク・ミー・トゥ・ユア・リーダー」とは言わない。というか、この惑星のどの言語も発しない。というか口が見当たらない。...
pale asymmetry | 2019.01.24 Thu 20:01
JUGEMテーマ:戯言 一面のレンゲソウ。何処が端っこか解らない。空飛ぶ絨毯のように、私たちを取り囲む。実際に空を飛ぶことは出来ないだろうけど、宇宙飛行なら出来そうだ。そう思えた。きっと花の色が、謙虚で賢そうに感じられたからだと思う。だから、空よりも宇宙の方がふさわしいと思えたのだと思う。 「空と宇宙は同じじゃないかな。袖が裾に重なっているから」 彼が言う。レンゲソウの一部を潰して寝転びながら。瞳は閉じられているから、彼はきっと想像の宇宙船に搭乗しているはずだ。宇宙の端を目...
pale asymmetry | 2019.01.21 Mon 20:08
JUGEMテーマ:戯言 古くも新しくもない神様は、砂浜に胡座をかいて水平線を眺める。何を探すわけでも何を読み解くわけでもなく、ただ眺めるだけ。時々綺麗の欠片を見つけたりするけれど。彼は気ままでわがままだ。さらにお気楽で奔放だ。突然大粒の雨が降ってきたとしても、その雨がどんなに激しかったとしても、その雨に出会ったことを愉快に感じて濡れるにまかせていたりする。「やれやれ」とか呟いたり、雨はいずれは止むから、なんて思ったりしている。 雨があがるとまた日差しが強まり、古くも新しくもな...
pale asymmetry | 2019.01.20 Sun 18:24
JUGEMテーマ:戯言 新しい王様は、宮殿の一室で寝転がって過ごす。それが彼の日常だ。部屋が二つしかない小さな宮殿で、歩くことなく転がって移動して、食って寝る。部屋からどうしても出なければならない用事が出来たときは、彼にとっては非常事態だ。完璧な戦闘準備を整えて、速やかに用事を済ませ、直ちにこの宮殿へと戻る。それを彼は完全勝利という。あるいは世界征服ともいう。 部屋には九つのモニタがあって、常にインフォメーションが吐き出されている。そのインフォメーションが織りなす紋様を眺めて...
pale asymmetry | 2019.01.19 Sat 18:49
JUGEMテーマ:戯言 古い王様は歩く。長い槍を肩に担いで。彼の背丈を三倍にしたくらいの長さの槍は、先端に刃の代わりに風切り羽がついている。彼は歩きながら、時折思い出したようにその槍を振り回したりした。腰にぶら下げた小さな袋には、杯が入っている。勿論それは酒を飲むためのものだ。歩き疲れると、彼は適当に目のついた家に入り、酒を無心する。そして自分の杯で鱈腹飲み、酔いつぶれて眠ってしまう。 古い王様は眠る。長い槍を抱きしめて。先端の風切り羽が彼の眠りを攪拌し、夢を生成する。そ...
pale asymmetry | 2019.01.18 Fri 21:20
JUGEMテーマ:戯言 城は、滑らかに時計回りに回転していた。私は毛布にくるまり、それを観測している。冷たい風は強く鋭く、毛布に守られていない頬に観測不能な傷が何度も何度も刻まれる。透明な血が流れ出し、その血が首筋を仄かに温める。暖かい血が私の首に纏わり付き、小さな死を想うことを促す。私は時々肩を揺すり、それを受け流す。肩を揺することは、眠気を払うにも都合がいい。それほど、私は眠かったのだ。お尻の下の無骨なごろた石が気にならないくらい。 私は振り返る。そこにも城がある。 ...
pale asymmetry | 2019.01.17 Thu 18:48
JUGEMテーマ:戯言 銀色の空から、あたしが降ってくる。二人のあたしが、眩しすぎる空から降ってくる。降ってくるというのはおかしいのだろうか。それはあたし自身なのだから、落ちてくるというほうが正確なのだろうか。二人のあたしは地面に叩きつけられ、鈍重な音と共にぐにゃぐにゃに歪んでしまった。 水銀色の空から、あたしがまた降ってくる。三人のあたしと五人のあたしと七人のあたしが、それぞれ抱き合うように一塊になって落下してくる。さっきの二人のあたしもそうだったけど、みんな裸だ。だからみ...
pale asymmetry | 2019.01.15 Tue 19:41
JUGEMテーマ:戯言 「どうして世界から悪意がなくならないのかしら?」 私の左手を強く握る少女が問う。私は真っ直ぐに前を見つめたまま、考えてみる。考えても解らないので、じっくりと考えている振りをしてみる。しばらくそうしていても少女は諦めてくれそうにないので、少し肩を竦めてみる。彼女はそれを何と解釈するだろう。無条件降伏と思うだろうか。大量虐殺と思うだろうか。私はただこの少女ともっと寄り添いたいと思っただけなのだけど。この、私によく似た相貌の少女と。 遮断機はいつまでも上が...
pale asymmetry | 2019.01.14 Mon 19:43
JUGEMテーマ:戯言 貴方のキツツキは嘘つきだ。ニヤニヤしながら呼吸と同じくらい自然に嘘を吐く。ノッキング、ノッキング。きっと激しくクランクしてる。貴方はそれで私が恐れると思っているんだ。そんなわけないよ。やれやれ、とは思うけどね。 私のキツツキはつきを呼ぶ。つきといってもラッキーのつきじゃないよ。夜空で冷徹にはしゃぐ月のほう。キツツキが呼んだ月を私は掌に掬い取り、胸元で抱きしめたりする。橙の満月や、白銀の上限の三日月を。 貴方のキツツキは嘘に取り憑かれ、私の月に突き放...
pale asymmetry | 2019.01.13 Sun 18:47
JUGEMテーマ:戯言 もう私は曖昧すぎて、よく解らない星屑だ。しっちゃかめっちゃかな有機体で、ポンコツの無機物だ。何処にも救いなんてない。それとも逆に、救いだらけで意味がないのかも。 ああもう、死んでしまいそうな気がする。いや死にたいなんて1ミリも思っていない。私が死ぬくらいなら、世界が滅亡してしまえばいいと思っている。正直な気持ち。 夢見ているのだ。宇宙の崩壊を。恐ろしいほどに美しく、宇宙が散っていく姿を。でもダメだね。まだ宇宙は、恐ろしいほどに美しく咲き誇っていない...
pale asymmetry | 2019.01.12 Sat 17:58
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