[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:戯言 私は網を打つ、そして私を絡め取る。網の目模様の内に閉じ込め、網目紋様を纏わせる。私は私を採り、私は私を摂る。私にはそれが出来るし、私にしかそれは出来ないのだ。両手を組み合わせて小さな三角窓を作り、適当な目標をとらえて右左と交互に目を閉じてみたり。そして自分の利き目が左目なのだと再確認してみたり。あは、リズムがたりないな。 私は網を打たれ、そして私に絡め取られる。網の目の模様の内に守られ、網目紋様に抱きしめられる。優しく温かく柔らかく、私は昇華される...
pale asymmetry | 2019.11.05 Tue 21:56
JUGEMテーマ:戯言 私は泳ぐ。壁に向かって。壁に正対して、静かに目を見開き、呼吸を制限して、痛みを封じ込めて。苦しみは一時。あとは死の直前の浮遊感。そこに片足だけを置いて、生に踏みとどまる。脳と心が鬩ぎ合い、痛みと恍惚が絡み合う。多分痛みと恍惚は、根源的に同じものなのだろう。だから耐えようと思えば、いくらでも耐えられるのだ。痛みに、人は。人だけじゃなく、あらゆる生命は。つまりきっと、生命としての活動そのものが痛みであり、痛みであるということは恍惚なのだろう。 だから、こん...
pale asymmetry | 2019.11.04 Mon 20:57
JUGEMテーマ:戯言 多分これは私の血流の中の空想だ。空を駆ける想いということだ。稲妻のように角を露わにした旋回を繰り返し、未明の空を駆け巡る想いなのだ。夜はしっとりと横たわっていただろうか。いや、そうではなかったな。沈黙を重く抱えて沈んではいたけれど、そこに潤いはなかったはずだ。乾いた不確かな意思が、咲き誇っていた花の栄華が終わりを迎えたことを感づいていたのかもしれない。そのとき孔雀は飛んでいただろうか。鳳凰のように黄金色の羽根を振り撒いて飛んでいただろうか。色は確かに鳳凰め...
pale asymmetry | 2019.11.01 Fri 21:39
JUGEMテーマ:戯言 少年は描く。巨大な怪獣を。流星さえ躊躇する断崖に。シルバーのサインペンで。もちろん油性で、驚くことに極細で。エンパイアステートビルくらいの足場が必要だったけど、そんなものは手に入らない。手に入ったとしても格好悪い。格好悪いし、重苦しい。少年はドローンに乗り、軽快に愉快に、冗談みたいに不真面目に滑り滑り飛翔することを選ぶ。クロムな感じがするだろう、なんて嘯きながら。クロムはシルバーと相性がいいからね。 首にかけたスピーカからは、グラムロックが響いてる。そ...
pale asymmetry | 2019.10.28 Mon 20:19
JUGEMテーマ:戯言 月を見つめるのに飽きてきた。飽きるくらいに、私はずっと月を見つめているのだ。細くとがったカーブする月。角か、船か、器か、それとも私の骨盤か。風はなく、夜の空気はただ沈んでいる。ただ沈み続けている。それに巻き込まれて私も沈んでしまわないのが不思議なくらいに、真摯に沈んでいる。何処から何処へ沈むのか。見知らぬ世界から見知らぬ世界へ。私は世界たちのことを何も知らない。並行するすべての世界が、何某かの共感によって、緩やかに結ばれているはずなのに。 角であるなら...
pale asymmetry | 2019.10.25 Fri 21:04
JUGEMテーマ:戯言 かんざしは流れているから、あなたの黒髪は銀河なのだろう、と私は考える。そう考えてしまうのは、私がきっと旅をしたいと思っているからなのだろう。ここで重要な事象が一つ。私は旅をしたいと思っているけれど、旅に出たいとは決して思っていないということ。どんなにかんざしが流れていて、あなたの黒髪が無限大の空間であろうと、時間の存在が否定されるくらいに巨大で煌めきに満ちている空間であろうと、私は旅立ったりしない。私はただ旅を纏いたいだけなのだ。 あなたの黒髪に頬を寄...
pale asymmetry | 2019.10.23 Wed 22:24
JUGEMテーマ:戯言 ハンモックに包まれてゆるやかに揺れるあなたは、タブレットを睨みながらときどき切ない目をする。 「ねえ、チューして」 唐突に私にねだったりする。私は安楽椅子から腰を上げ、あなたに被さり唇を重ねる。 「いやらしいね」 あなたが笑う。 「そうかしら」 私も笑う。開け放たれた窓から強い南風が吹き込み、心地よさと心地悪さが、ない交ぜになって部屋を駆け巡る。複数の猫と複数の犬が追いかけ合うように。あなたはまたタブレットを睨み、私は分厚い書籍に目を向け...
pale asymmetry | 2019.10.22 Tue 22:03
JUGEMテーマ:戯言 盥一杯に睡蓮の眠りを注ぐ。まろやかでどなたにも好かれる眠りだ。無音の花火が交響曲を奏でながら空で砕けているのを眺めながら、あなたはその盥に浸かるがいいでしょう。癒されるべき傷は、決して大きくも深くもないけれど。だからあなたの状況は、決して悲惨なものではないけれど、それでもそれは傷。傷は傷。痛みを伴い、気持ちを沈めてしまうものでしょう。私が静めてあげましょう。その傷が発する、不必要な滞りを。私が鎮めてあげましょう。その傷によって、どうしても沸き立ってしまうあ...
pale asymmetry | 2019.10.16 Wed 20:44
JUGEMテーマ:戯言 「これは時計の針で、長針であり短針であり、秒針でありそして指針でもある」 黒いネズミが二足で立ちはだかり、その赤い針を私に示す。黒く長い毛は強めの北風にわさわさと揺れていて、何だかそれが王様のように見えた。あるいは高僧のように見えた。実際には十五センチほどの身長の黒いネズミだ。それ以上でもそれ以下でもなく、比喩も暗喩も揶揄もない。リズムは微かにあるかもしれないけれど、ビートは全くない。私の目は黒いネズミよりはるかに高いところにあったけれど、そのネズミは少...
pale asymmetry | 2019.10.15 Tue 22:27
JUGEMテーマ:戯言 私は鉛筆を振るう。濃緑の鉛筆。2Hの硬度。ダイヤモンドを砕けるくらいに芯の先端は尖らせている。嘘。指揮者のように、激しく柔らかく、繊細に大胆に、愛をこめて憤怒をこめて、私は鉛筆を振るう。そうすることで、空気の中から双子を掬い上げる。男児と女児の双子だ。美しいシンメトリックな相貌の双子だ。性が違うのにもかかわらず、全てのDNAが一致している双子だ。嘘。 私は双子を捏ね回す。鉛筆で、効果的に攪拌して。空気ではなく次元を、それと共に並行世界を、そして神の領域を、...
pale asymmetry | 2019.10.08 Tue 22:11
全1000件中 901 - 910 件表示 (91/100 ページ)