[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:戯言 空気は分厚く少し熱い。いつもよりゆっくりと大きく呼吸しなければ、血流を濁らせてしまいそうだ。風が静穏すぎて、私の気持ちは迷子な気分。風に向かって歩きたいと思っていたのに。早朝の空は曇天。夏の朝曇というやつだろうか。そうならば今日はこれから灼熱な炎暑になるのかも知れない。少しわくわくする。 こんな熱量の踊る朝に、パフは砂浜を駆け回っている。珊瑚片を跳ね上げ、珊瑚砂を被っている。長く白い体毛が揺れる様は涼しげだったけれど、吐く息はいつもより荒いように思える...
pale asymmetry | 2019.07.23 Tue 21:30
JUGEMテーマ:戯言 あなたの背中には、たくさんのスイッチが並んでいる。ピカピカの銀色で、トグル型のスイッチだ。あなたは普段ゆったりとした服しか着なかったのは、このスイッチのせいだったのだと裸で抱き合ったときに始めて気づいた。とても羨ましかった。あなたが背中にたくさんのトグルスイッチを持っているということが。だってそんな人を見たことがなかったから。それに、そのスイッチの銀色の輝きが、私を異境に誘っているように思えたりもしたから。 あなたは椅子に座るとき、固い背もたれにも平気...
pale asymmetry | 2019.07.21 Sun 21:59
JUGEMテーマ:戯言 例えばそれはドキュメンタリー。秘境探検みたいなやつ。ただ隊員は私一人。だから隊長も私。自然な流れ。隊長の私は隊員の私を引き連れて、海から河を遡る。都市を横切る河はやがて川になって渓谷に分け入り、森の奥深くへと潜んでいく。私はそれを追いかけていく。大事な事象を見落とさないように注意しながら。 つまりこの川は全ての水の源。ということは全ての生命の源。それは全ての躍動の源だということで、全ての静寂の源でもあるということだ。ということを隊長としての私が隊員とし...
pale asymmetry | 2019.07.17 Wed 21:46
JUGEMテーマ:戯言 私は丸まる。蹲り、膝を抱え込んで。炎天下、コンクリート路面の上。熱い、暑い、吸い込む空気も分厚い。私は転がってみる。堅いコンクリートの路面を。痛い。肩が腕が頭が、背中がお尻が太ももが、痛い。私は水着だから、身体のあちらこちらに擦り傷が出来る。血が滲み、それが汗と一緒に上昇気流に乗って昇天する。さようなら、私の鮮血。おまえは天国に、私はきっと地獄に。 炎天下、路面からはゆらゆらとコンクリートの幽霊が立ち上る。揺れながら、私を招く。地下の世界へ。亡者たちの...
pale asymmetry | 2019.07.16 Tue 22:14
JUGEMテーマ:戯言 すごく重要なことはモニタが数え切れないほどあって、それが風景から空を奪っているのに、誰一人それを見つめていないことなんだと思う。じゃあ皆は何を見つめているかというと、それはそれぞれが持つ掌サイズのデバイスだ。こいつはとても優秀なヤツで、孤独を完全に完璧に容赦なく破壊してくれるんだ。結果として、皆が同じスケールで孤立しているんだけどね。 次に重要なことはその場所には音がないことだ。それは必要がないからだ。皆はそれぞれにヘッドホンやイヤホンを装着していて、...
pale asymmetry | 2019.07.08 Mon 21:03
JUGEMテーマ:戯言 惑星の全土に、ロケットが建ち並ぶ。無数の2倍ぐらいの数。超大陸がロケットで埋め尽くされている。超大陸を取り囲む海には、巨大な円盤が浮かんでいる。超大陸と同じくらい巨大な円盤が。ロケットも円盤も、瞑想するように沈黙している。それらがはたして動力機関を有しているのかいないのかは、神様も知らない。悪魔なら知っているかも。天使は目をそらしているかも。 何にしても、ロケットが発進することはないだろう。少なくともこの世界では。次の世界でならどうだろう。残念ながら、...
pale asymmetry | 2019.07.07 Sun 20:52
JUGEMテーマ:戯言 私は水面で踊っている。波が私を踊らせている。この惑星の空気の流れが波を作る。この惑星の大地の裾形が波を作る。この惑星のマントルの気まぐれが波を作る。この惑星の泳ぐ者たちの第六感が波を作る。つまりこの惑星が、私を踊らせる。この惑星の46億年の循環が私に結実して、それを舞踏に変換して次の循環に放出しているのだろう。とてもエロチックだ。私はそう思う。 流れが私を運ぶ。波とは別の、もっと大規模な流れが。どこともしれない場所へと私を誘う。それはもちろんこの惑星上の...
pale asymmetry | 2019.07.04 Thu 21:41
JUGEMテーマ:戯言 雨のシーズンが終わったので、熱を弄びたくなったりする。雨の雫に纏わり付かれていると、どうしてもそういう気分にならなかったから。もちろん、雨のシーズンが終わったからといって、すぐにそんな気持ちになったわけではない。アンドロギュヌスの少年に誘われたからだ。アンドロギュヌスだから少年というのは可笑しいのかもしれないが、私にとっては少年だ。少年だから愛でるのだから。 屋上にラグを広げ、足の短い小さなテーブルを据え、ティーの準備なんかをしてみる。ダージリンの茶葉...
pale asymmetry | 2019.06.30 Sun 21:24
JUGEMテーマ:戯言 ポケットにはネジ。それがいつから入っていたのかはもう憶えていない。といっても、いつの間にか入っていたわけではない。ネットで購入したものだ。けれどいつ買ったのかとか、何のために買ったのかとか、何故使用されずにズボンのポケットに入ることになったのかとかは憶えていないのだ。そして重要なことは、いつまでたってもそのネジをポケットから出そうという気になれないことだ。その気分に全く意味は見いだせないけれど、何か宇宙的な法則が関わっているように感じたりもする。 感じ...
pale asymmetry | 2019.06.28 Fri 21:42
JUGEMテーマ:戯言 立て続けにやってきた熱帯性の低気圧が、雨を撒き散らす。世界を水没させる勢いだ。文明の死は、常に洪水によってもたらさせる、と言ったのは誰だっただろう。それが本当なら、この都市は既に瀕死だ。明日にはもう、この辺りの文明は失われているかもしれない。私の知性も水の底に溶けてしまっているのかも。 ところで今日の私はとても眠いのだ。泥状に重い眠りを抱えて過ごしている。その重い眠りの充満した、鈍重な身体を抱えてスーパーマーケットに行く。どんなに眠くても、私はものを喰...
pale asymmetry | 2019.06.26 Wed 22:03
全1000件中 931 - 940 件表示 (94/100 ページ)