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JUGEMテーマ:戯言 何も考えずに息を吸う。何も考えずに息を吐く。それだけのことが、どうして上手く出来ないのだろう。生まれてから一度も上手く出来たことがないような気がする。息を吸い、息を吐いて生きてきたのに。それとも私は、そうやって生きてきたのではないのだろうか。例えば星を吸い、星を吐いて生きてきたのかも。それはとても魅力的だけど、多分そうではないだろう。 あり得るとしたらそれは、役割を吸い込み、役割を吐き出して生きてきた可能性だろう。つまり他者が求めるものを、あるいは求め...
pale asymmetry | 2020.12.15 Tue 21:55
JUGEMテーマ:戯言 襷に背負ったメッセンジャーバッグには、いくつかのアイテムが入っている。私が持っているのはそれだけだ。それだけで十分なように思えたし、もし思えなかったとしてもしょうがない。他のアイテムを手に入れる術がないので、どうしようもない。バッグは軽く、だから私は身軽だ。歩くスピードも自在にコントロールできる。それはとても重要なことだ。スピードを上げる気など全くないけれど。 雨だ。雨が降ってきた。いかにも降りそうな色の空から降ってきたから、面白味がない。面白味がなく...
pale asymmetry | 2020.12.08 Tue 21:30
JUGEMテーマ:戯言 モンスターが降り注いでいる。そういう響きだ。そういう響きに耳を傾けている。そういう響きに、心を囚われている。降り注いでいる無数の雫が、モンスターというわけではない。その雫が構築する響きが全体としてモンスターをイメージさせるのだ。それはモンスターの鼓動で、モンスターの呼吸で、モンスターの血流で、モンスターのでんぐり返りだ。 「フェアリーかもしれないよ」 私の中の私が囁く。そうだろうか。私は目を閉じ耳を澄ます。いいえ、そんなことはない。そんなことはあり得...
pale asymmetry | 2020.12.03 Thu 21:21
JUGEMテーマ:戯言 チャンネルは11の方が良い。12だとチャンネル感が出ないような気がするから。もちろんこれは私の個人的な嗜好。個人的に思考した嗜好。チャンネルは11と12とどちらが最適解かなんて、分析の仕様がないでしょう。まあ、分析しようと考える人なんていないだろうけれど。 戦闘機が爆音を響かせて空を横切る。美しいとは思わないけれど、合理的だとは思ってしまう。削ぎ落とされてその姿があるのか、必然に必然を重ねた結果としてその姿が構築されたのか、私には解らない。生まれ変わっても戦闘...
pale asymmetry | 2020.12.01 Tue 21:57
JUGEMテーマ:戯言 ふかふかのアルマジロを抱きしめる。胸元にしっかりと。仄かに暖かい。その熱は、たぶんコイルを閉じ込めた水晶だ。コイルが振動して水晶が貴婦人の熱を放つのだ。清楚な表層とは裏腹の、淫らな熱。けれどそれは愛情に満ちていたりする。だからこそ、生命は悠久の船として大海を転がっていくのだろう。決して滑ることなく、決して羽ばたくことなく、ある意味ひどく退屈な旅として転がっていくのだろう。 今夜はとても寒い。アルマジロの熱だけでは凍えてしまいそうだ。これはもうドラゴンに...
pale asymmetry | 2020.11.30 Mon 21:22
JUGEMテーマ:戯言 私のコードは全て解析された。でも、私の全てが解析されたわけではない。そのコードがどんな意味を有しているのか、何をどんな現象として記述しているのかは、まだ全てが解っていない。不十分なのだ。私はだから、探求しなければいけないのだろう。そのコードの意味を。私が言葉を発し、誰かの発した言葉と比較することによって。 場合によっては融合させることによって。あるいは、背反させることによって。 空は黄昏の色と灰色が入り交じっている。その色に雲が染まっている。その色...
pale asymmetry | 2020.11.26 Thu 21:05
JUGEMテーマ:戯言 いつの間にか回転している。気がつけば回転してしまっている。どうしようもなく、回転を纏って回転している。回転に回転が重なり、その渦が一人歩きをして、私を観測しようとする。観測者は私であるはずなのに、その渦が私を対象に貶めようとする。いや、逆だろうか。その渦は自身を貶め、私を崇め奉ろうとしているのかもしれない。 回転が止まらない限り、私はそれから逃れることは出来ない。 ところでこの回転とは何か。私のどこがどんな風に回転しているというのか。これを説明する...
pale asymmetry | 2020.11.22 Sun 20:54
JUGEMテーマ:戯言 鋭い陽光は、日向と日陰の境界線をくっきりと描いていた。ような気がする。そんなような記憶がある。確かではない。私はそのとき覚醒を完全に構築出来てはいなかったので、その風景が本当に私と同じ時空に存在していたのか、今一つ自信が持てない。あるいはそれは、時空の僅かな裂け目から垣間見た並行世界の風景だったかもしれない。 数人の人々が、日陰に腰掛けていた。別の数人の人々は日向で寝転んでいた。風は東から吹いていた。それは太陽の方向からだった。けれどその風は冷たく、陽...
pale asymmetry | 2020.11.17 Tue 21:01
JUGEMテーマ:戯言 空の鱗は固定されていて動かない。動いているのはそのすぐ下の城の群だけだ。いや、逆だろうか。動いているのは鱗の方で、城の群が動いていないのかも。どちらかが動いていてどちらかが止まっているはずなのだけど、地面にいるちっぽけな私からはその相対性の真相を見抜くことなど出来ない。あるいは速度差があるだけで、どちらも動いているのかもしれない。水も動いているのかもしれない。土も動いているのかもしれない。虫も動いているのかもしれない。葉っぱも動いているのかもしれない。私も...
pale asymmetry | 2020.11.14 Sat 20:48
JUGEMテーマ:戯言 私は空転している。淡青色の空を見つめながら、空転している。空が淡青色なのは、陽光が重すぎるからだ。あまりにも重いそれが猛烈なスピードで加減速を繰り返しながら空を分解していたので、青はどんどんと削り取られていき、どんどんと希薄に洗練されていってしまったのだ。気持ちを煩っている王国の姫君のように。 私は空転している。実際に身体をクルクルと回転させながら、空転している。それは出来損ないの旋回舞踏で、もちろん私は舞踏なんて知らないから、世界は私が踊っているとは...
pale asymmetry | 2020.11.06 Fri 21:26
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