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JUGEMテーマ:戯言 ひまわりを持って、私は疾走する。風なんてない。全ての風が沈んでいるのだ。死んでしまったのか、それとも深く眠っているのか、どちらにしても熱は解き放たれ、粒子は際限なく加速しぶつかり合う。いいえそれは逆だ。粒子が身勝手にぶつかり合うから、熱が無作法に遊戯するのだ。 私は疾走する。風を生み出すために。両手で掲げたひまわりに風を充填するために。それは夏の主成分。空気の裏側に秘された夏の主成分を掘り起こしてひまわりの花に注ぎ込み、ひまわりの種を世界の子に変化させ...
pale asymmetry | 2021.07.22 Thu 20:52
JUGEMテーマ:戯言 逆さまのフラスコ都市から手紙が届く。200メートルのアルミニウムベルトに刻まれた手紙だ。文字は全て深銀河文字で、だから二重に翻訳しなければいけない。つまり、それは解除キーを解除キーとして開城しなければいけないのだ。開城するためにはもちろん、城を構築しなければいけない。手紙を読むために城を建てることが、全くもって理不尽なように思えるのは私だけだろうか。 取り敢えず、この手紙を運んできたナマコ型ドローンを使役することにする。プログラムを一時的に上書きして、二...
pale asymmetry | 2021.07.17 Sat 20:43
JUGEMテーマ:戯言 公園の向こうの森に行くんだ。その奥にある扉を開くんだ。扉にはもちろん厳重に鍵がかかっているよ。だから開くのは容易ではないだろう。それでも開かなければいけないね。開かなければ何も始まらないからね。さあ、どうやって解錠しようか。聴診器がいるかもね。それにシャボン玉だ。組み合わせ方が解らないかな。ややこしく考えることはないよ。シャボン玉は漂わせるもの。聴診器は耳を澄ますもの。シャボン玉を吹いて、耳を傾ければ良いんだ。その小さな扉に。鮮やかな無色の扉に。 太陽...
pale asymmetry | 2021.07.14 Wed 21:14
JUGEMテーマ:戯言 這うように筋肉を痛めつける。這うような動作を強いてという意味ではない。這うように、地面と擦り合わせて筋肉を痛めつけているのだ。その痛みは血流と共に巡り、全身の骨を軋ませる。私は引きつりながら呟くしかないのだろう。 「引きつっているからこそ、私なのだ」 とかなんとか。そんな言葉を吐きながら、私は笑うのだ。ついでに嘲笑うのだ。透明な柱を蹴飛ばすように笑うのだ。そこからが全ての始まりなのだから。 「針はすでに打ち込まれ、私にはコードが織り込まれた」 ...
pale asymmetry | 2021.07.13 Tue 21:05
JUGEMテーマ:戯言 龍だな、と感じることがある。これは龍だな、と。 例えばそれは蛇口を捻ったとき。蛇口か流れ落ちる一筋の水流。それを龍だと感じるわけではない。それがシンクに弾けて無数の水滴として飛び散ったとき、その水滴たちが描く無数の軌道を龍だなと思ったりするのだ。その軌道は、一見無秩序なように見えて、実は全ての軌道がそれしかあり得ないXYZ軸の数値を繋ぎ合わせた理想型であると感じるのだ。 あるいはそれは奇跡だと感じるのだ。奇跡の軌跡だと。 どこか心の隅で、私は求め...
pale asymmetry | 2021.07.08 Thu 20:38
JUGEMテーマ:戯言 「取り急げ」 兄が叫ぶ。その表現は全く正しくないように思われたが、兄は絶対なので反論はしない。まあ可能な限り急げという意味だとは解ったので、私は急ぐ。いや急ごうとする。つまり気持ちは取り急ぎ、身体は動き出さない。というのも何を取り急げば良いのか解らなかったからだ。その点について、兄は何も説明してくれない。命令もしてくれない。 「何を?」 仕方がないので、私は質問する。動き出さずに言葉を返すと兄が不機嫌になると思ったりもしたけど、兄は破顔した。 「...
pale asymmetry | 2021.07.05 Mon 21:16
JUGEMテーマ:戯言 ななしのカカシが空を飛んでいる。水色のドレスはとても裾が長く、それが激しく棚引いている。私は地面に寝そべって、飛んでいくななしのカカシを眺めている。背中が熱い、陽光のせいで路面はフライパンだ。私はすっかり調理されている。とろける私に出来上がっている。あの飛んでいくななしのカカシが食べてくれるだろうか。とか思ってみるけど、そんなことは起こりそうにない。ななしのカカシはただ飛び去っていくだけだ。では誰が私を食べてくれるのか。きっと誰でもないのだろう。私はこのま...
pale asymmetry | 2021.07.04 Sun 21:09
JUGEMテーマ:戯言 朱色の雲の中を、私は浮遊する。これは比喩ではない。実際に私は浮遊しているのだ。飛行する某かの機械に乗っているわけではない。もちろん素のままではそれは出来ないから、それなりの器材は装着してるけれど、でもそれは最低限。それは装着と言うよりは、纏っているという方がしっくりする程度のものだ。 そういう姿で、私は朱色の雲中を浮遊する。 何も見えない。直ぐ先、一メートルあるいは二メートルくらいしか距離を感じることが出来ない。浮遊する私の世界の、それが全てだ。私...
pale asymmetry | 2021.07.01 Thu 21:07
JUGEMテーマ:戯言 ダルマには手足がないから、その矢がどうやって放たれたのかは全く解らなかった。とにかくダルマがもんどりうったと思ったら、次の瞬間には矢が撃ち出されていて、それが私の踝を掠めたのだった。 歩みを止めよ、と矢は告げる。 時を解き放つために、時折朱鷺を説き伏せよ。そう主張しているのだ、ダルマは。 急勾配の坂道は延々と続いていて、その行き着く先は解らない。それは事後まで続いているのかもしれないし、ここが既に地獄かもしれない。その場合は地獄などないというこ...
pale asymmetry | 2021.06.30 Wed 21:21
JUGEMテーマ:戯言 こぬか雨を纏って街に出る。傘の比率は半分半分くらい。纏う人、纏わない人、そんなことを意識していない人。たぶんほとんどが意識していない人なのだろう。傘を開いている人も、傘を閉じている人も、傘を持っていない人も、とくにこのこぬか雨と繋がっている様子はない。私たちは、そんな感じで生きているのだな。私だって、このこぬか雨と強く繋がっているわけではない。さらさらとした心持ちで、軽く纏っているだけだ。 微細であるということは、どんな隙間にでも侵入していけるというこ...
pale asymmetry | 2021.06.25 Fri 21:27
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