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JUGEMテーマ:戯言 あなたが裸になりなさいと言ったから、私は裸になる。蹲り丸まった私の背中をあなたが撫でてくれる。床は冷たくて、あなたの掌と指先からだけ、熱が私に流れ込む。とてもニュートラルな熱が。 でも、私はその熱にさえ罪悪感を感じてしまうのだ。 あの二度の炸裂で吹き飛ばされてから、私は闇の嵐に翻弄され続けている。闇の嵐が、私を錐揉みさせて牙をむいている。渦は果てしなく暗く、抜け出すための手がかりがどこにもない。 吐き気がする。死を司っている何者かが、私の左の鎖...
pale asymmetry | 2018.11.21 Wed 13:21
JUGEMテーマ:戯言 憤った眼差しを私に向け、彼は訴える。私はただ微笑みながら、彼の言葉にひたすら頷く。自身の言葉に昂揚し、その昂揚が彼をさらに興奮させる。私はのどかに微笑み続ける。のどかに見えるように努力し続ける。 彼の言葉も興奮もよく解るけれど、私は彼を導く者ではない。そして彼は裁かれる者なのだ。私はそれを知っていて、けれど彼はそれを知らない。自身が裁かれているのだということを。とても危うい状態なのだということを。 私は虹を見上げる。今にも青に飲み込まれそうな二重の...
pale asymmetry | 2018.11.20 Tue 20:59
JUGEMテーマ:戯言 本当は溶けてしまいたいのだ、この場所で私は。この熱帯のサンゴ礁のようなベッドの中で。赤道直下で、決して台風が訪れない浅海のような毛布にくるまって。 目覚まし時計は微塵に破壊して、スマホは取りあえずパコってしまおう。ラップトップPCを枕元において、そこから絶対に面白いだろうと思える本を注文して、届いたらそれを読んで、SNSにただ面白いと発進する。すると直ちに私の口座にドバッとお金が入金される。そんな風な暮らしは出来ないものだろうか。そんな超文明の桃源郷にいる...
pale asymmetry | 2018.11.19 Mon 19:48
JUGEMテーマ:戯言 走馬燈というやつ、あれは本当なのだろうか。少なくとも私には、そういうものはこなかった。 最初の炸裂。迫ってくる爆風はハイスピードで、自分がやられてしまうかもなんて考える暇はなかった。音が消えることもなく、爆音が容赦なく私の耳を劈いた。 二発目の炸裂。私は翻弄され宙を舞う。そのときも、私の体感時間がスローになることはなかった。私は周囲の建物が崩れる音も、転がりながらはっきりと聞き取れた。 全てがおさまってからのほうが、時間の進みを遅く感じた。立ち...
pale asymmetry | 2018.11.18 Sun 20:26
JUGEMテーマ:戯言 世の中には、奪うタイプの人間と奪われるタイプの人間がいる。 にやついた顔である人が言う。世界中の人間を無理矢理二つに分類する考え方。そんな考え方が成り立つはずがないのに。それを万物の理論のように信奉していたりする奴。 隕石が落下して、そんな考え方を蒸発させてしまえば良いのに。事象の地平線の向こう側にでも飲み込まれれば良いのに。その向こう側でも変わらずその考え方でいられるのならば、少しは見直すけれど。 金平糖をガリガリ噛んで紛らわす。何とも言えな...
pale asymmetry | 2018.11.16 Fri 22:17
JUGEMテーマ:戯言 私は貴方に、化粧を施す。貴方は私から化粧を拭う。これは矛盾している事象。何故なら貴方は私だから。 貴方は私に、化粧を施す。私は貴方から化粧を拭う。これは矛盾していない事象。何故なら私は貴方ではないから。 貴方は私だけれど、私は貴方ではない。この複雑な方程式を成立させるために、貴方は殺戮を繰り返す。私は貴方が造り上げた屍を材料にオブジェを創る。 巨大なオブジェは空を突き抜け、月面まであと一歩。でも貴方は殺戮に疲れ果てているみたい。眠い目を何度も擦...
pale asymmetry | 2018.11.10 Sat 21:36
JUGEMテーマ:戯言 「アンドロギュノスになりましょうよ」とあなたが言う。「二人で、アンドロギュノスになりましょうよ」と。それはつまり、あなたは私たちには足りないガジェットがあると考えているということなのかしら。そうだとしても、どうして二人共にそのガッジェットが必要だということになるのかしら。そのガジェットをどちらか一人が持てばいいだけなのではないかしら。それで事足りるのではないかしら。 開け放たれた窓から流れ込む風はひんやりと乾いていたけれど、それを追い越して降り注ぐ陽光が...
pale asymmetry | 2018.11.09 Fri 19:36
JUGEMテーマ:戯言 犬と散歩する。水平線に太陽が近づいている時刻。それでも陽光はまだ強く、海面は金茶色に煌めいている。そんな相貌の海は、とても可愛く見えた。 海岸沿いのコンクリートの道を、防波堤に沿って犬と歩く。道の真ん中に陽光を弾くものを見つけて立ち止まる。潰れた空き缶だった。真っ赤な缶が、ペチャンコに潰れていた。けれどその缶はピカピカで、海と同じくらい可愛く見えた。 じっと見つめていると、缶が小刻みに震えた。恥ずかしのかしらと思ったりしていると、ペチャンコの缶から...
pale asymmetry | 2018.11.08 Thu 19:47
JUGEMテーマ:戯言 長い槍を振り回し、鞭のように撓らせます。その槍には無知が宿り、心が躍ります。長い長い槍で旋風をおこし、塵を舞い上がらせます。その塵は私です。だからとても切ないの。 長い長いさらに長い槍で、私を鞭打って。傷は綺麗で痛みは甘い。もちろん私も鞭打ち舞う。あなたを鞭打ち舞う。大地を鞭打ち舞う。空を鞭打ち舞う。無知を鞭打ち舞う。 そして甘い傷が、そこにもかしこにも。滲み出すのは血液ではなくマグマ。それは言い過ぎ、本当はガムシロップ。小さな生命が集い、それを舐...
pale asymmetry | 2018.11.05 Mon 22:06
JUGEMテーマ:戯言 大地を支えることに疲れ果てた巨人のように、私は蹲る。身体中の筋肉がギシギシと、身体中の関節がガシガシと痛む。でもそれが心地よくて、私は丸まる。ベッドの奥深くで、モモンガのような毛布にくるまって、疲れ果てた巨人のように。 ささやかな歓喜が、低空飛行のまま私の皮膚を駆け巡る。小さな小さなクラウンが、群れを成してチンドンチンドンはしゃぎ回るように。収穫の祭か復活の祭りか、とにかく特別な夜を祝うように。永久に続く一瞬に、祝杯を挙げるように。 支えを失った...
pale asymmetry | 2018.11.04 Sun 20:59
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