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JUGEMテーマ:戯言 私は裸で浴室の湯船に浸かっている。当たり前だ。湯船にはたっぷりとお湯が満たされているのだから。そんな湯船に服を着たまま入る人はまずいないだろう。水着で入る人ならいるだろうか。自宅のお風呂に水着で入る人がいるというのも考えづらい。下着ならどうだろう。そちらの方はいるような気もする。そういう趣味というかプレイというかはあるような気もするから。まあ、私の勝手な妄想だけど。 お湯は熱くて心地いい。入浴剤で白濁したお湯が、幸福感を高めたりしてくれる。浴室の白いタ...
pale asymmetry | 2019.03.31 Sun 20:43
JUGEMテーマ:戯言 痛い。痛くて動けない。月のハンマーが私を叩く。四肢が怠くて寝返りも打てない。目を閉じたまま、私は横たわる自分をイメージする。心を宙に飛ばして、身体を見下ろす。 餓鬼が、私を貪っている。10匹、いや15匹くらい。ボリボリ、ガリガリ、ペチャペチャ。手足が食い尽くされ、私は壊れた人形だ。逃げることが出来ないから、ただ目を閉じてじっと耐えるしかない。私の内の殺戮が収まるまで。私の内の血の海が、浄化されるまで。 いっそのこと、餓鬼たちが私の全てを食い尽くしてくれ...
pale asymmetry | 2019.03.30 Sat 20:50
JUGEMテーマ:戯言 今日の私はスイッチを押す。すると私の左半分の顔面が弾け飛び炸裂する。今日の私はそういう感じ。とても単純。 スイッチを押す。顔面が弾ける。もちろん痛い。両手で顔面を押さえる。気がつくと元に戻っている。 スイッチを押さなければいいんだ。それはよく解っている。でも押さずにはいられない。これは何と言えばいいのだろう。依存症? ところで世界にはスイッチが多すぎる。あちらにもこちらにも、あなたにも誰かにも、もちろん私にも。だから押してしまうのだ。そして激烈...
pale asymmetry | 2019.03.26 Tue 21:28
JUGEMテーマ:戯言 雨は時折激しく降る。激しさを増すと雨滴は冷たくなり、緩やかになると生暖かくなった。その仕組みを騎士は知らない。雨の強弱にかかわらず、鎧の機能は変わらない。騎士にとってはそれだけが重要で、雨滴の寒暖はどうでも良かった。それは彼が両手を広げてカバーすることの出来る事象の範囲からは外れていて、つまり彼の生命活動にも直接に結びつかない事項だったから。 空を見上げれば、喉の渇きがいくらか癒やされる。騎士にとって雨とはそういう事象だ。つまりそれは抱きしめる事象では...
pale asymmetry | 2019.03.25 Mon 20:41
JUGEMテーマ:戯言 七つの彗星がデッドヒートを繰り広げている空には、七個の満月が煌煌と輝いていたりする。眩しくて目を細めている私の隣で、ヘプタニストがカラカラと笑う。 「こんな夜は七重奏を聴きたくなるねえ」 しっかりと見開いている彼の瞳には、七彗星と七満月が詰め込まれ、私の宝石箱よりも煌びやかだ。 「神の恒星が捕らえた七つの遊星の軌道を弦にした、弦楽七重奏なんかをね。それはもうファンタスティックな音楽だから」 ヘプタニストは軽く跳び上がって宙に浮き、指揮者のように...
pale asymmetry | 2019.03.24 Sun 20:45
JUGEMテーマ:戯言 皆馬を追いかけている。集団でその馬を取り囲もうとしている。取り囲んで捕らえるつもりなのだ。触れることなんで出来そうに思えないのに。 美しい馬だ。そのシェイプには無駄な要素が何もなく、それがその馬をとても冷酷そうに見せていた。少なくとも私はそう感じた。賢すぎて、世界の行く末に飽きてしまっているような、そんな高貴さも放っていた。放っていると、私は感じていた。 馬は気ままに駆け、踊るように複雑に躍動し、神の降臨を誘うようなしなやかさで跳ねたりもした。その...
pale asymmetry | 2019.03.23 Sat 20:55
JUGEMテーマ:戯言 あなたは少し肩を傾けて、黒い地面に片脚を下ろす。引き金を引き弾丸を発射。トレジャーを掠い取り、直ぐに跳躍。陽光を吸収する翼を、煌めかせたかもしれないな。 玉櫛笥が玉手箱になったのだそうよ。化粧道具が入っていたはずの箱が、いつの間にか煙で充満していたというわけ。でも相貌が全く変わってしまうという意味では、その煙も化粧の道具なのかもしれないね。そして復習の罠でもあるけれど。 閉じられた箱というものは、開かれなければならないもの。銃の引き金が、必ず引かれ...
pale asymmetry | 2019.03.19 Tue 21:36
JUGEMテーマ:戯言 ひょっとしたらこの話は以前に書いたかもしれない。467日連続で書いていると、そろそろ何を書いて何を書いていないかが曖昧になってくる。曖昧になって、どうでも良くなってきたりする。まあ、同じことを書いたとしても特に支障はないだろうし、同じことを書いたつもりでもきっと同じ文章にはならないだろうから、良いかなとも思う。ともかくそれはアルマジロの話だ。あるいはアルマジロと細く長い廊下の話だ。あるいはアルマジロと無数のドアの話だ。 つまりはこういうことだ。細く長い廊...
pale asymmetry | 2019.03.17 Sun 19:57
JUGEMテーマ:戯言 円柱形の水槽に私は身を浸す。スチールのシリンダーを背負い、そこに加圧して充填された空気を吸いながら下降する。レギュレターでの呼吸音はとてもノイジーな響きだ。急上昇していく泡の群れはしたたかな獣の疾走のように感じた。ノイジーな響きは、彼らが地面を忙しなく蹴る音のように思えた。 円柱形の水槽は、途中でU字型に曲がり、またすぐに逆さのU字型に曲がる。配水管のトラップのように。あるいは実際にそれはトラップの役割を有していたのかもしれない。水槽の底と水面上をしっか...
pale asymmetry | 2019.03.16 Sat 20:57
JUGEMテーマ:戯言 大地と大海の下には厚く熱い流れがあるのだという。それは塊で清廉ではないけど、神話のなかの怒れる全能神のような流れなのだという。流れは幾つもあり、ぶつかると乗り上げたり潜り込んだりするのだそうだ。それは板バネのような出会いなのだという。つまり誰かが螺旋を巻いているのだ。するとやっぱり怒れる全能神が巻いていたりするのだろうか。途轍もない力が必要なように思えるから。何にしても固い表層の下には、熱をたっぷりと蓄えたやわらかさが、常に躍動して捕食の狙いを定めている。...
pale asymmetry | 2019.03.15 Fri 18:44
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