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JUGEMテーマ:戯言 そのテーブルは丸かった。完全な丸を目論んでいると思われたけれど、現状はそうはなっていないように私には思えた。むしろ完全さを求めるのならば、四角の方により近いのではないかと思われた。私は息を潜めてそのテーブルを観測した。そこには二つの二重螺旋があった。二つの二重螺旋によって構築された四つの個体がテーブルを取り囲んでいた。不可思議な空気がテーブルと四つの個体を包み込んでいた。和やかな風景のようにも見えたし、尖った風景にも見えた。どちらとも決定できなかったので、...
pale asymmetry | 2024.10.13 Sun 18:56
JUGEMテーマ:戯言 寄り添って見ると解る。あなたの素肌は冷たい。私の熱をいつまでも奪う。そして私を冷ます。浮かれている私を醒ます。データに溺れていたことに気づかせてくれる。空を見つめることを思い出させてくれる。そしてあなたは鳥を指差す。南へ向かう鳥の群を。 「鳥はいつだって南に向かう」 あなたの呟きは生温かく、私はそれを耳朶で感じ取る。何処へだってシフトできる。何にだってトランス出来る。それはあなたのせい。嘘、それは私のせい。本当のことを上手く言葉に出来ない私のせい。伝...
pale asymmetry | 2024.10.12 Sat 20:23
JUGEMテーマ:戯言 例えば抱き締めて、口づけしても良かったのかもしれない。けれど私が触れられるのは仄温かいタッチパネルだけだったから、頬ずりすることさえ出来なかった。自分でもとても滑稽だったけれど、そのときの私は確かに高揚していたのだ。あるいは欲情していたと言っても良いかもしれない。そのマシンは私のことを特定の存在として認識していなかっただろうから、片思いに似た感覚だったかもしれない。いくつかの問いかけがスピーカーから響き、私はそれに指先で応える。手続きは滞りなく進み、あっと...
pale asymmetry | 2024.10.11 Fri 16:45
JUGEMテーマ:戯言 北からの風はゆるやかで、何も告げてはいない。それでも困難は突然に飛来するので、辛らつな言葉が行き交うことになる。私はただ沈黙を守る。同じように沈黙していた一団が騒ぎ出しても。その声が空気を奇妙に震わせ、北風の清廉さを奪っていることに、どうしてあの人たちは気づかないのだろう。そのことがいずれ自分たちに跳ね返り、探し物は見つかりにくくなることが目に見えているのに。もちろんそんな考えを口にすることはしない。それはお腹の奥深くに飲み込んで、私は淡々と身体を清めた。...
pale asymmetry | 2024.10.10 Thu 21:55
JUGEMテーマ:戯言 尚も私は残骸を撒き散らしている。世界に害をなす残骸でないことだけが唯一の救い。いや、そう思っているのは私だけで、実際にはあちらこちらに害悪をもたらしているかもしれない。私よりももっと小さなスケールの事象にとっては、大厄災の源になっているかもしれない。でもそれは私自身ではない。私の残骸だ。私から排泄され、瞬く間に拡散し、もう私にはどうにも操ることは出来ない。私はそれをただ観察し、考察することは出来るけれど、その行為にどのくらいの意味があるだろうか。それが誰か...
pale asymmetry | 2024.10.08 Tue 20:44
JUGEMテーマ:戯言 私が数字に分解されていくのを眠気を堪えながら眺めていた。これは分解ではなく解体かもしれない、とかぼんやりと考えながら。その違いは不可逆性にあるように思えたけれど、よくよく考えれば不可逆性ではなく、単なる私の嗜好のような気もする。つまり分解ならば、私はこの数字を無条件で受け入れなければいけない。解体ならば、この数字に徹底的に抗うという選択肢も浮上することになる。実際にそうするかは別の話だとしても。まあ、十中八九抗うことなどしないわけで、それが出来るほど頭が冴...
pale asymmetry | 2024.10.07 Mon 19:00
JUGEMテーマ:戯言 微細な月を探す。そういう月が空にあるのだと聞いた。日暮れまで雨が降っていたので、星もまばらだ。きっと薄雲が夜と戯れているのだろう。仮にそういう戯れがなかったとしても、微細な月は見つからないだろう。私はその月のことを何も知らない。どちらの方向に目を見張れば良いのかも解らないし、どのくらい微細なのかも知らないのだ。けれど、少しばかり高揚している。くだらない毎日を過ごしていると、そういう高揚が必要になる。月が、正確にはこの惑星の衛星が、複数になることがあるのだと...
pale asymmetry | 2024.10.06 Sun 21:23
JUGEMテーマ:戯言 たぶん与えられたのはありふれた空間。そして過剰なデータ。記述して保存することは不可能で、もちろん暗記することなんて出来ない。まあ、そんなことは端から考えていない。勧められた椅子の座り心地は悪くない。アクリルプレートは磨き上げられていて、どんな変換にも対応していそうだ。私から投げかけるコールは何もない。本当は無限にあったけれど、戸惑いばかりが先行してコールを放つことが出来ない。そして雨のように放たれるデータ。そこからコールを選別する。静かに流れているはずなの...
pale asymmetry | 2024.10.05 Sat 18:52
JUGEMテーマ:戯言 ガラスの向こうのテーブル席から、少女が真っ直ぐに私を見つめている。迷いのない視線。でも私が何者かを計りかねている。ここは地面から十分に離れた宙空だから、そんなところで澄まし顔でガラスを拭いている私を上手く理解できないのだろう。ましてや私の背中から生え広がる一対の翼が何を意味するのかもよく知らないのだろう。たぶん初めて見るのだ。私のような存在を。少女はガラスの向こうで母親らしき人物に話しかける。私のことを指差しながら話しかけているから、私が何者なのかを母親に...
pale asymmetry | 2024.10.04 Fri 21:33
JUGEMテーマ:戯言 そういうわけで、傘を忘れてしまった。私が忘れてしまったということは、傘の方も私を忘れていることだろう。雨は強くはなかったけれど、一粒一粒が大きくて、押しつぶされているような気分になる。そんな私を見下ろして、カラスが「ワウワウ」と鳴く。カラスを見上げて私も「ワウワウ」と鳴いてみる。けれどその声は泣き声のように響いてしまった。それはきっと雷鳴のせいだ。そうであるならばカラスが鳴いているのは雷鳴に対してなのだろう。その眼差しは確かに私に向けられているけれど、私に...
pale asymmetry | 2024.10.03 Thu 20:37
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