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JUGEMテーマ:戯言 その人が笑う意味を、私は知らない。それに興味がわかない。私も笑いを返すけど、もちろんその笑顔に意味はない。別に強要されているわけではないから、意味もなく笑う必要などないのだけれど、やっぱり笑ってしまう。その場所、その時間に長く留まりたいと思わないから。その人と何ものも共有したいとは思わないから。 これはケミカルな問題で、どこかに悪意が渦巻いているわけではない。世界は淀んではいるけれど、常に悪意と闘わなければいけないほどドラマチックではない。でも淀んでい...
pale asymmetry | 2023.06.06 Tue 20:38
JUGEMテーマ:戯言 求める者は疾走する。我を忘れて風を切る。無我夢中であるが故に、世界さえも置き去りにする。意味を失った世界は、プロトコルとして成立しない。そこにはコマンドは見当たらず、カオスだけが好き放題に踊っている。全てのプロトコルは求める者の内にあり、全てのコマンドは求められる者の内にあるからだ。 全体としてそれは渦だろう。四文字プラス一文字が、二重のコードを上昇させる渦だろう。そういうものを世界が好むことは誰もが知っているけれど、渦は明らかにそういう世界を嫌ってい...
pale asymmetry | 2023.06.05 Mon 21:42
JUGEMテーマ:戯言 私の口は花で塞がれていたから、私の声は花芯になり、私の言葉は花弁になる。私の声も私の言葉ももうあなたには届かないから、私はただただ踊るしかない。陽光を浴びて、南風に吹かれて、乾いた岩の上で裸足で踊るしかない。岩の表層は尖っていて、私の足は裂かれてしまうけれど、それでも私はその振る舞いを止めることが出来ない。あなたに気づいて欲しくて、世界に気づいて欲しくて。 私の両目は花に塞がれているから、私は光を見ることはない。闇を見ることもない。あなたを見ることも出...
pale asymmetry | 2023.06.04 Sun 20:45
JUGEMテーマ:戯言 青は欠片として空に散らばっていた。海からの風は、獣の知性を孕んでいた。だから、この風とは解り合えないなと思えたし、この風と共有できる事象は何もないなと思えた。砂浜には小さなボタンが打ち上げられていた。それは小さかったけれど無数にあって、砂浜を埋め尽くしていた。全て菫色のボタンだった。昨日の夜街を通過した嵐が運んできたのだろう。菫色であることに意味があるように思われたけれど、よく解らない。 「何もかもに意味があるわけではないよ」 イマジナリーメンターが...
pale asymmetry | 2023.06.02 Fri 20:50
JUGEMテーマ:戯言 嵐は予想よりも小さかったので、私たちは身を寄せ合うことをしませんでした。そして扉を開放して、風に織り込まれた妖精たちを受け入れることにしたのです。あなたは内心嫌がっているようだったけれど、それを明確に言葉にしなかったので、わたしはわざと気づかないふりをして、妖精たちの好きにさせたのでした。 小さいと言っても嵐だから、流れていく響きは猛々しく、雨粒は弾丸のように空気に無数の穴を開けていたけれど、私たちはその雫が玄関先で旋回舞踏するのを眺めながら、黄昏時に...
pale asymmetry | 2023.06.01 Thu 18:28
JUGEMテーマ:戯言 それは遙かな昔の話。まだこの星が彗星の頃。女神たちは囀り踊り、私たちはまだ種の種。どうしたって螺旋はない。だから飛びたったりしない。燃え上がったりだってしない。濡れそぼったりだってしない。眠り未満の眠りの底。それは翡翠の輝く揺らぎ。あなたの揺らぎもそこだった。 それは遙かな未来の話。もうこの星は人工衛星。王様たちはパレードに夢中。私たちなら刻の鐘。いつまでたっても安穏はない。だから嗜好は風まかせ。あなただってそうでしょう? 私たちはこうでしょう? 世界...
pale asymmetry | 2023.05.31 Wed 20:56
JUGEMテーマ:戯言 世界が私を攻める。私は慎重に自身を守らなければ。そう考えてからふと思う。本当に守らなければいけないのだろうか。攻め尽くされて、粉微塵に砕かれて、天国だか地獄だかに拡散してしまっても良いのでは。その方が、この世界が美しい方向へと蠢いていくのではないだろうか。 なんて嘯く。蠢いていくなんて表現している時点で、私はそんなことを露程も望んではいないのだ。本当は逆に世界の方を粉微塵に噛み砕いて、ユートピアだかディストピアだかに紐付けてしまって、笑い転げていたいの...
pale asymmetry | 2023.05.30 Tue 18:40
JUGEMテーマ:戯言 目を凝らして見回しても、何処にも悪意は見当たらず、嘲笑もない。そして私は苛立ちを抱えている。清く正しい人たちが、毒を吐きながら働いている。それは一見真摯で違和感は感じないのに、この苛立ちはどこから来るのだろう。思わず叫びたくなる衝動に襲われる。けれど何と叫べば良いのか解らないのだ。 湧き上がってくる言葉は叫びではない。それは冷静で、あるいは冷静が過ぎて冷徹なコードでしかない。二重三重に絡み合うコードは優雅に旋回しながら上昇していく。ともすれば手を伸ばし...
pale asymmetry | 2023.05.28 Sun 18:55
JUGEMテーマ:戯言 霧雨の風景を歩く。長い坂道。下った先は海だ。濡れたアスファルトは優しい色に見えて、何だか慰められている気分になる。別に傷ついているわけじゃなのにそう感じてしまうのは、やっぱりどこか深いところが知らぬ間に傷ついているのかもしれない。細かすぎて気づけないのに、そこからはじわじわと血が滲み出ているのだろうか。そして私はゆっくりと血液を失って、倒れてしまうのだろうか。 霧雨が可愛らしく見えたので、傘を閉じる。頬を撫でる霧雨は私を濡らしているのか、それとも私の内...
pale asymmetry | 2023.05.27 Sat 20:42
JUGEMテーマ:戯言 テレヴィジョンのなかで遠い場所が揺れている。それが私の記憶を揺さぶっている。遠い昔の遠い記憶。まだ私が私を見つけていなかった頃の記憶。その場所で、私は一夏を過ごしたのだった。もうその記憶は曖昧で、希薄で、崩れかけているけれど、切なさを伴う感覚だけが、漠然としたその感覚だけが私の奥底に今も残っている。 その余韻は鋭利で、だから心地良く、そして嫌悪感も伴う。 あの人は今どうしているだろうか。あの夏を一緒に過ごしたあの人は。海辺で出会い、何者でもなかった...
pale asymmetry | 2023.05.26 Fri 21:12
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