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JUGEMテーマ:戯言 音はない。いや、正確には世界からの音はない。聞こえる音は、私から漏れ出ているものだけだ。それはメロディーのようにも、ビートのようにも、ノイズのようにも聞こえる。流れているようにも、弾けているようにも、噛み合っているようにも聞こえる。私はその音を聞きながら、流体として存在している。 世界に存在している。確かに存在している。 囁いてみる。でも声は響かない。バブルが天上目指して上昇し、それが細かく分解されながら世界を擽るだけだ。言葉は私から失われてしまっ...
pale asymmetry | 2023.05.24 Wed 20:37
JUGEMテーマ:戯言 前のめり過ぎて倒れる。思わず出した右手で地面を擦る。血が滲んだかどうかは知らない。血が滴っていたとしても私は止まらない。北風に髪を掻き回され、鏡を見て笑う。世界なんてこんなものだとふと思う。痛みは右手から入力されて、左のこめかみから抜けていく。微熱が眼差しを鈍らせる。でも私は止まらない。 無秩序が唯一の秩序と化した部屋を乱暴に片付ける。といっても床に散乱したものを片隅に積み上げるだけ。アートのように、絡繰り装置のように積み上げて、満足感を得る。それが空...
pale asymmetry | 2023.05.23 Tue 20:32
JUGEMテーマ:戯言 バーガンディーの微睡みの中で、バーガンディーの夢を見た。そういう印象の微睡みの中で、そういう印象の夢をみたということ。だからもちろんその夢の具体的な何ものも憶えてはいない。目覚めたときに、一瞬だけバーガンディーに染まっている自身を感じたけれど、それだけだ。 バーガンディーに染まっていた私は、少し鼻につく匂いを放っていた。甘酸っぱい匂いだった。甘さよりも酸味の方が断然に強い匂いだった。それは部屋に充満していただろうか。いいえ、そんなことはなかった。部屋に...
pale asymmetry | 2023.05.20 Sat 19:03
JUGEMテーマ:戯言 真夜中に雷鳴に揺り起こされる。 「すぐに動き出せ」 雷鳴が私を急かす。でもなにを急かされているのかさっぱり解らないから、重い身体を引き摺って浴槽に湯を張る。湯が溜まる間にお酒を燗して、それを持って浴槽に浸かる。熱熱の燗酒と温い浴槽の湯。漂う気分が増幅される。雷鳴は一向に止まない。変わらず私を急かしている。それでも何をすべきかは解らない。お酒だけが進み、何処までも漂う。 「一緒にいこう」 雷鳴が誘っているような気がして、浴室の窓を開け放つ。窓から...
pale asymmetry | 2023.05.19 Fri 21:53
JUGEMテーマ:戯言 私の足下の世界。私が踏みつけている世界。私が踏みつけているのに、私を踏み潰している世界。甘いのに刺々しい世界。油断していると切り裂いてくる世界。流れた血が達成感とすり替わる世界。そういう世界にうんざりして良いはずなのに、眠気を抱えたまま踏みしめ続けてしまうのは何故だろう。 くだらないと思う。本当にくだらないと思う。血の達成感には明日や明後日に繋がる事象が何もない。刹那刹那を凌いで、ただただ疲弊していくことに感情が追いつかず、消えていく。それが日常になり...
pale asymmetry | 2023.05.18 Thu 21:12
JUGEMテーマ:戯言 時間が私を追いかけてくる。ドンヨリとした時間だ。こんなに陽光が心地良いのに、そのドンヨリが私を焦らせる。時間はそのまま私を追い越していく。手を伸ばしてもその後ろ髪を掴むことは出来ない。鬣は美しく棚引き、甘い清涼な匂いを振りまいてグングンと加速していく。 私は追いかけるべきなのだろうか。私自身の想いを置き去りにしてでも、身を軽くして全力疾走するべきなのだろうか。息を止めて、全身の筋肉に力を込める。もうすぐにでも翻ることが出来る。そうして時間に体当たりすれ...
pale asymmetry | 2023.05.17 Wed 20:44
JUGEMテーマ:戯言 思い描いていたことをふっと忘れてしまう。忘れてしまったことも、忘れてしまう。その記憶は粉々に拡散してしまって、最早修復は不可能だ。それでも、忘れてしまったことも忘れているうちは何の支障もない。そのまま永遠に忘れてしまっていれば何の支障もない。なのに、唐突に思い出してしまうのだ。そういえば、思い描いていたはずだと。 でも何を思い描いていたのかは思い出せない。その記憶はすでに粉々に拡散して、すっかり失われているのだから。例えばそれは鋭すぎる日差しだったり。...
pale asymmetry | 2023.05.16 Tue 20:43
JUGEMテーマ:戯言 いつか歌った私の歌に再会した。そのことをふと思い出す。静かな時間の中で、少しだけ泣きそうな気分になりながら。私は三つの扉の前にいて、それらを見つめながら寝そべっている。ぼんやりと眺めながら、何かを考えるフリをして、本当は何も考えていない。何も考えずに、いつかの私の歌のことを思い返していたのだ。 再び出会うことはないと思っていたので、その歌を耳にしたときには正直驚いた。私がそれを歌った相手は、私の歌に耳を傾けていないと思っていたから。でもどうやらそうでは...
pale asymmetry | 2023.05.15 Mon 21:17
JUGEMテーマ:戯言 遙かな上空を横切る飛翔体は、不在を象徴しているように思えた。私は確かにここにいて、その不在から快楽を感じている。これは禁忌だろうかと少し怯えながら、それでもその快楽を咀嚼せずにはいられない。飛翔体が切り分ける空は青く灰色で、その奇妙なやわらかさの中にも快楽を妄想せずにはいられない。つまりその空も不在に満ちているのだ。 全てが旅立ってしまったから不在なのか、全てが到着していないから不在なのか、正直どちらなのか私には解らない。私はその不在を、本来ならば持て...
pale asymmetry | 2023.05.13 Sat 18:48
JUGEMテーマ:戯言 眠りから無理矢理に覚醒するのが好きだ。理不尽に覚醒へと揺り戻される感じが良いのだ。だから、わざと短い睡眠を繰り返してみたりする。小一時間眠って、数時間活動して、また小一時間眠る。アラームが鳴るたびに、ぼやけた意識を引き摺るようにベッドから起き上がる。よろよろキッチンに移動し水分補給。そして重く沈む時間を抱えたまま用事をかたづけていく。 そんな風に暮らしていると、眠りの欠片が家中に散りばめられたるするものだ。もちろんそれは目に見えないし、触れることも出来...
pale asymmetry | 2023.05.11 Thu 20:43
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