[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

JUGEMテーマ:戯言 干からびた胎児の絵画だった。絵の中の胎児は純粋な闇を見つめている。まだ性を得ていないから、両性を具有しているとも言えるだろう。夢を見ているのかもしれない。それが純粋な闇なのだ。もう干からびているから、これ以上堕ちることはない。私も胎児を追いかけて堕ちることは出来ない。純粋な闇は、純粋だから私には触れることが出来ない。そういう事象に触れることが出来ないほど、私は穢れてしまっているのだ。コインを投げればそれは明らか。裏と表を目まぐるしく回転させながら宙を舞うコ...
pale asymmetry | 2024.05.10 Fri 18:57
JUGEMテーマ:戯言 小さな庭には二本の漆の木が伸びている。この小さな庭に二本も伸びているのは毒性が強すぎるのではないだろうかと思うけれど、漆の木は美しい。だからどちらかを切り倒すなんてことは出来ない。枝をつめて、こぢんまりさせるしかないだろうと思い剪定ばさみを用意する。帽子を被り、クリアゴーグルかけ、もちろん長袖長ズボン。首もタオルでカバーしてマスクも装着、最後に分厚い軍手を付けて、枝を切り落とした。確か一年前だっただろうか、特に気にすることなく普通の格好で枝を落としたら、身...
pale asymmetry | 2024.05.08 Wed 18:23
JUGEMテーマ:戯言 スイッチが見当たらないな。そんなことを考えながらガラスを磨く。そこにうっすらと私の姿が写っている。その希薄な感じに安心する。ガラスの向こうは世界で、そこに濃厚な私を投影したくはないのだ。その直前で際限なく薄めて、曖昧な匂いのような感じで漂うわけでもなく沈むわけでもなく、流離うわけでも移ろうわけでもないようなあり方で、世界と接続したいのだ。そのためにはスイッチが必要だろうと思える。そういうスイッチを押したり引いたり回したり口づけたり、とにかく操作する必要があ...
pale asymmetry | 2024.05.06 Mon 18:51
JUGEMテーマ:戯言 「鍵なんてどこにだってあるの。だから締め切ることなんて出来はしない。厳重に閉じられたとあなたが考えても、それは幻想に過ぎないのよ」 純銀のゴーストが言う。甘い囁き声で。その相貌はハレーションしていて解らない。けれどきっと笑っているはずだ。私を嘲笑っているというわけではなさそうだ。哀れんでいるわけでもないだろう。ではその笑いの意図は何だろう。ただ単に、私の心持ちを移し取っているだけなのかもしれない。私の方も特に意味なく笑っていたから。 「あなたの法とわた...
pale asymmetry | 2024.05.03 Fri 18:45
JUGEMテーマ:戯言 部屋は奇妙なアクアリウム。満たされているのは濃密なエーテル。そのエーテルが放つ微かな七色が部屋中を駆け回っている。部屋はもう世界から遠ざかっていて、異世界との境界上。でもどちらにも傾くことはなく、微妙なバランスを保っている感じ。きっと微かな七色の作用なんだと思う。それは私と親和性が高く、だから私は息苦しくはない。呼吸はしていないのに、呼吸なんて私には端から必要なかった気分。そして漂っている。エーテルに任せてたゆたっている。溶けるわけでもなく、薄まるわけでも...
pale asymmetry | 2024.05.02 Thu 21:02
JUGEMテーマ:戯言 曇った空が綺麗だと思えてしまうのは、私の心が……と考えかけてやめる。何にでも理由があって、それが私や私を取り囲む風景を描き出しているのではないとそろそろ気づくべきだろう。と考えて、そんな『べき』なんて必要ないと思い直す。曇った空の綺麗さは、私の心から生まれているのだから、その心に目を向けるのは当たり前のことだろう。私の外側に世界はない。私の内側にしか世界はないのだ。だから目に見える風景も全て私が描いたもの。ただし、その私は制御可能な私という枠の...
pale asymmetry | 2024.05.01 Wed 19:57
JUGEMテーマ:戯言 ノイズが気になってスイッチを押せない。両手は両耳を塞ぐために使ってしまっているから。世界には無数のスイッチが貼り付けられていて、どんな風景にも切り替えることが出来るものだけれど、いつだってノイズが邪魔をするから私には凍り付いた風景になってしまう。すると世界は閉じてしまうから、もはや世界と呼べるような事象ではなくなり、広大さも起伏も斑も失われるから、それは風景ですらなく、何とか情景らしさを保つのに必死になっているという有様。問題なのは必死になっているのは何者...
pale asymmetry | 2024.04.29 Mon 18:23
JUGEMテーマ:戯言 モヤモヤとしたイヌが、低い唸りを上げながら私を睨む。吐き出す煙が風景を乱し、イヌの輪郭は曖昧だ。すぐ近くにいるはずなのに、どこか遠い場所にいるように感じてしまう。あるいはそう感じてしまうのは、私がその煙ったイヌにあまり興味がないからだろうか。でもイヌの方は違う。イヌは私に興味を持っているという意味ではない。そのイヌは私が自分に興味を引かれている、と考えているという意味だ。私が自分に興味を抱かないはずがない、と確信しているのだ。単純に、馬鹿だなと思う。そんな...
pale asymmetry | 2024.04.27 Sat 21:00
JUGEMテーマ:戯言 「僕たちはペンギンのようだね」 あなたはそう言って笑う。降りそうで降らない雨を待つように、私たちは歩道に腰を下ろす。街は忙しなく移ろいでいるけれど、私たちはそれに迎合しない。街に逆らってルールを破壊したいわけじゃない。ただ私たちのペースでたゆたっていたいだけなんだ。ビルディングに歪められた濡れ鼠の空を見つめ、あなたは歌うように呟く。 「どうしたって、重要な機能を失っている」 「とっくの昔にね」 私がそう言ってあなたの肩に頭をのせると、あなたは私の...
pale asymmetry | 2024.04.25 Thu 17:57
JUGEMテーマ:戯言 花を散らす雨は花を嫌っているわけではないだろう。むしろ花を愛しているのだと思う。だから、抑えきれずに迸ってしまうのだろう。その流れはよく解る。気持ちが高ぶれば、生命は潤ってしまうものだと思うから。私自身がそうだから。気持ちが高ぶれば、私の芯はどうしようもなく濡れそぼってしまう。そうして自ら作り出した水溜まりに溺れ、溺死の幻想と戯れてしまったりする。きっと全ての生命がそのような「さが」を背負っているのではないだろうか。いや、そういう「さが」を根元的に有する事...
pale asymmetry | 2024.04.24 Wed 18:18
全1000件中 391 - 400 件表示 (40/100 ページ)