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JUGEMテーマ:戯言 大きなネズミが転がってくるのだと言われて、取り敢えずシャワーを浴びる。窓の外は気持ちの良い陽光が降り注いでいる。風は南西からリズミカルに吹いていて、私は窓を開け放ったままシャワーを浴びる。大きなネズミは意地悪なのだという。近づく素振りを見せて来なかったり、尻尾の先で軽く触れるだけかと思ったら次の瞬間に体当たりしてきたり。何を考えているのか、何かを考えているのかも解らない。私たちとは相容れない存在なのだという。サイレンが鳴り響いている。表の道路をそのサイレン...
pale asymmetry | 2024.04.03 Wed 18:33
JUGEMテーマ:戯言 強い雨が道路を川に変える。私はその川を遡る。縦に連なる車の列がヘッドライトの数珠を繋げている。その光が誘うのは極楽か地獄が。どちらであっても構わないけれど、私はどちらにも向かいたくはない。まだこの今の場所に留まりたいのだ。たとえ芯まで濡れそぼって、春雷に貫かれたとしても。この気持ちを大声で叫ぼうか。あなたたちは数珠玉の一つなのですよと。車に乗る人たちは私の声に気づくだろうか。そして気づいて窓を開けるだろうか。窓を開けて私に暴言を吐くだろうか。でもそうであっ...
pale asymmetry | 2024.04.01 Mon 21:04
JUGEMテーマ:戯言 潤いが足りなくて、全身がイガイガする。刺々しくて汚らしい何かが、私の血流に乗って全身を駆け巡っているようだ。もちろんそんなものは存在しない。そう感じるのならば、私がそれを生み出しているのだろう。潤いが足りないのも私。汚らしいイガイガも私。どこかから飛来したわけではなく、全部私の内側から芽生えたものだ。それでも何の理由もなく芽生えたわけじゃない。それはやっぱり外部からの刺激によって発生したのだ。けれどその刺激が直接的な原因ではないだろう。つまりそこには悪意は...
pale asymmetry | 2024.03.29 Fri 18:11
JUGEMテーマ:戯言 私を追い抜いていったのは透明な馬だ。だから姿は見えない。私はその流れを感じただけだ。美しい馬だったはず。美しい流れだったから。高潔な馬だったはず。高潔な余韻を感じているから。たとえばその馬をイメージすれば、私はその馬に近づけるだろうか。私の心根が、馬のそれに僅かでも重なるだろうか。それは可能だろうか。何者にも邪魔されず、私はそれを完遂できるだろうか。何だか途方もないことのような気がする。もっと力のある誰かになら出来るだろうけれど、私には到底無理なような気が...
pale asymmetry | 2024.03.28 Thu 18:40
JUGEMテーマ:戯言 私たちは見たい事象しか見つめていない。私たちは聞きたい事象しか聞いていない。私たちは触れたい事象にしか触れていない。私たちは吐きたい嘘しか吐いていない。そんな世界を瞳で捉え、耳を傾け、指先を伸ばし、偽りの言葉を積み重ねる。本当の事象は、世界にはないのかも。本当の事象って何? そもそもそんなものはないのかも。つまり事象に本当も嘘もないのかも。それなら世界はクリック一つで様変わりするだろう。心の奥で、架空の指先を軽く弾ませれば良いだけだ。簡単にできる。私にだっ...
pale asymmetry | 2024.03.27 Wed 18:43
JUGEMテーマ:戯言 雨の気配が渦巻く街を急ぐ。降り出す前にいくつかの用事を済ませてしまおうと思っていたのに、二度寝をしてしまってそうもいかなくなった。たぶん間に合わない。そう思っているうちに雨粒が頬に落ちた。傘は敢えて持参していない。その雨が温い雨だと知っていたからだ。温い雨ならば、身を晒さなければいけない。それは私のなかの約束事。私と世界とのルールなのだ。私が世界に課したわけでもなく、世界が私に課したわけでもなく、私たちの間に暗黙の内に形成されたルール。だから私は濡れなけれ...
pale asymmetry | 2024.03.26 Tue 17:31
JUGEMテーマ:戯言 冷たい水。鋭い日差し。季節は複雑な様相で、私は戸惑うように仕向けられている。でもそう仕向けているのは私自身で、だからそれは自作自演の自慰行為だ。当然それは心地良く、平坦な時間は私を傷つけたりしない。癒してくれることもないけれど、それを求めてはいないから、私はその時間を全部受け入れて噛み砕く。それから空に向けてそれを噴き出し、頭から浴びてみたり。微かな誰かの声に耳を澄ませて、それが嬌声であることに気づいてがっかりしたり。この時間に私以外の何者もいらないのに、...
pale asymmetry | 2024.03.25 Mon 21:52
JUGEMテーマ:戯言 南風に誘われて、外でランチ。といってもビルディングの狭間。一身に北を目指す風が、私の髪を弄びながら途切れなく通り過ぎていく。風は、風たちだろうか。それとも風は、風なのだろうか。伸ばした私の腕を撫でていくそれは、個体なのだろうか。それとも群体なのだろうか。あるいはどちらでもあるのかもしれない。よく考えてみれば私だってそうだ。ミトコンドリアは私かどうか怪しい。それでも私は私の意志で空に向かって腕を伸ばしている。雲のない空にはセスナ機が、急いでいるのがのんびりな...
pale asymmetry | 2024.03.24 Sun 18:02
JUGEMテーマ:戯言 見知った誰かの顔が、本当は仮面であったことに気づく。美しい花の仮面。きっと美しい水をふんだんに与えて育てたのだろう。だから私はその誰かの素顔を知らない。その誰かが本当は何者なのかもしれない。目を凝らせば、周囲の皆がそんな仮面を装着している。世界には美しい水が溢れるほどあるのかもしれない。仮面の花はどれも綺麗に咲き誇っている。どこかで乾きに苦しんでいる人たちには、その水は届かないのだろう。ここで、ただ仮面を維持するためだけに消費されるのだ。これは浪費だろうか...
pale asymmetry | 2024.03.22 Fri 18:47
JUGEMテーマ:戯言 ロボットは金属のボディで、それはところどころ錆びている。いや、正直に言うとあちらこちらが錆びている。裂け目や穴が見受けられる部分もある。だからロボットは動くたびに奇妙な悲鳴を上げる。泣いているようにも聞こえるし、鳴いているようにも聞こえる。笑っているようにも聞こえるし、起こっているようにも聞こえる。ロボットは上手く痛みを感じられないので、悲鳴はそのどれでもないけれど、悲鳴であることは確かだ。なぜならロボットは虚ろな涙を流していたから。それが自分には不必要...
pale asymmetry | 2024.03.21 Thu 18:46
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