[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:戯言 日曜日は嫌い。想いの声が聞こえなくなるから。空が透きとおっていても、雨が千切れ飛んでいても、足取りは重くなるばかり。私の与り知らぬところで、世界が踊っている。誰かと楽しそうに踊っている。それに加わりたいわけではないのだけれど、その事象からかけ離れてる自分が、かけ離れているとしか思えない自分が悲しくなる。 本当はそんなことないってことを知っているよ。でも日曜日は嫌い。声の想いが届かなくなるから。風が暖かくても、雲が優雅にスキップしていても、吐き出す息が希...
pale asymmetry | 2023.02.05 Sun 20:49
JUGEMテーマ:戯言 世界の本性を暴くための証明は、私の与り知らないところで転がっているようだ。それはきっと透明なシャボン玉に記述されていて、陽光を浴びて微かな七色に染まりながらジャングルや砂漠を転がり、弾けて消えるのだろう。だから私が目にすることはない。私はジャングルにも行かないし、砂漠にも縁がないから。 シャボン玉と共に弾けた記述は、直ちに硬く折り畳まれて余剰空間に秘されてしまう。それは誰かの企みではなく、もちろん神様の気まぐれでもなく、この世界の理に過ぎない。あなたが...
pale asymmetry | 2023.02.03 Fri 18:59
JUGEMテーマ:戯言 風の流れが見えたなら、私はしくじることがなくなるのだろうか。不安に震えたり、恐れに抉られたりすることもなくなるのだろうか。まだ幼い頃ならば、私はそう信じられたかもしれない。けれど少なからぬ経験を積み、不完全ながら風の流れが見えてしまう今は、もうそうは思えない。 風の流れが見えても、私はその風を避けることは出来ない。それがどんなに穢れていても、どんなに私を痛めつけても、どんなに私をぼやけさせても、私は構わず風に吹かれてしまうのだ。何故だろう、世界を諦めて...
pale asymmetry | 2023.02.02 Thu 19:17
JUGEMテーマ:戯言 扉を開く数字が、宙を漂っていく。こういうことか、と思った。世界に悪意は満ちているけれど、でもそれ以前に数字は漂っているのだ。悪意が強硬に数字を発掘するわけではなく。ただ目を見張り、耳を澄まし、あるいは何気なく手を伸ばしただけで、その数字は悪意に捕らえられてしまう。 けれど何の躊躇もなく、数字を宙に放つ人たち。もちろんそこに悪意はない。けれど善意もない。つまり今この世界には善も悪もないのかもしれない。それは二者がぶつかって中和させられてしまったというわけ...
pale asymmetry | 2023.02.01 Wed 20:03
JUGEMテーマ:戯言 白く濁った空気の中を、船は進む。ゆっくりと滑らかに、動力もなく帆に風を孕んでいるわけでもないのに。私はどこにいるのだろうか。川の流れに掠われているのだろうか。それとも大海の真ん中か。海流が私を運んでいるのだろうか。死滅回遊魚のように、帰ることのない旅路にいるのかもしれない。 でも、帰ることはなくても還る旅なのかもしれない。 そんなことを思うのは、拭えない淀んだ眠気のせいだろう。そんな眠気に長く纏わり付かれているのは、私が傷ついているからだろうか。そ...
pale asymmetry | 2023.01.30 Mon 20:48
JUGEMテーマ:戯言 ひどく頭痛がするので、左右のこめかみの蓋を開き、中から発条や歯車や螺子を取り出す。案の定かなり錆びている。しかも悪い錆方だ。とても汚い錆方なのだ。錆びるのは構わない。生命は常に酸化することによって活動しているのだから、構成パーツは錆びてしまうのは当たり前だ。でもそれは綺麗な錆方でなければいけない。生命が清浄に活動しているのなら、綺麗に錆びるはずなのだから。 しかし左右のそれぞれから零れ落ちたパーツたちは、皆汚く錆びている。このまままでは再び頭蓋骨の内側...
pale asymmetry | 2023.01.26 Thu 22:00
JUGEMテーマ:戯言 それは馬に見えた。緑青色の馬に見えた。けれど馬ではないだろうとも思えた。それには身体中から長く鋭い棘が生え出ていたから。それは風にしなり、何かを奏でるように揺らぐ。でも実際には何も奏でてはいないから、それは無音で疾走する。あるいは透明な音楽を奏でているのかもしれないけれど、私がそのように想像しなければ、その音楽は存在しない。 私はその音楽を存在させたいのか、そうではないのか、それは解らない。それはとても難しいのだ。自分自身の気持ちの、正確なフォルムを把...
pale asymmetry | 2023.01.24 Tue 21:03
JUGEMテーマ:戯言 山高帽の紳士は窓から飛び込んでくると、アップライトピアノを抱え上げ、それを躊躇なくバスタブに沈めた。そんな馬鹿な、と私は思った。サイズ感がおかしかったからだ。ピアノは明らかにバスタブより大きかったのに、完全に沈んで水面を覗いてもその姿を捉えることが出来なかった。 「やれやれ、深海はどこにでもある」 飛び散った雫を払いながら、山高帽の紳士は軽く会釈する。 「小生のことはドラゴンフライと呼んでくれたまえ」 左手に持っていたステッキで、紳士はバスタブ...
pale asymmetry | 2023.01.23 Mon 20:32
JUGEMテーマ:戯言 恐れることなく翼を大きく広げれば良い。そう彼は教えてくれた。翼がないならそれで良い。想像の翼を広げるだけで十分だ。彼はそう叫んで笑う。想像の翼では飛べないわ。私がそう言うと、跳ねろ跳ねろと彼は跳ぶ。その内飛べる日も来るさ、なんて嘯いて何度も跳躍する。 地面に残る影が、その揺らぎが炎のように格好良くて、私は彼に同意する。一緒に跳ねて、また跳ねる。そして本当に飛べるような気分になって、歓喜の叫びを上げてしまう。彼はそれに呼応するように踊り出し、空気を掻き混...
pale asymmetry | 2023.01.22 Sun 20:18
JUGEMテーマ:戯言 終わろうとしている炎に、私は何もして上げられない。終わってしまったその後に、この炎は何を失うのだろうか。何かを得る可能性もあるのだろうか。あるいはここではない別の高次元へ旅立つのだろうか。もしそうなら、それはどのようなところなのだろう。そういう場所が、どこかの銀河の中心にあって、どんな炎もいずれはそこに行き着いたりするのだろうか。 そうであれば良いなと思う。 そうでなくても、それでも良いと思える。 明日も晴れれば良いな、と思ったりもする。 ...
pale asymmetry | 2023.01.21 Sat 21:39
全1000件中 431 - 440 件表示 (44/100 ページ)