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JUGEMテーマ:戯言 そのテーブルは長方形だった。円卓ではなかったから、実りのある会議は開かれないだろうなと思った。案の定、会議と呼べるような体裁さえ整っていなかった。集まったメンバーはそれぞれの世界を抱えていて、それは他のメンバーの世界とは相容れないものだった。もちろん私も私の世界を抱えていて、それは誰の世界とも混じり合わない事象だった。 それは正しいことのように思えた。理にかなっていることのように思われた。どんなに身体性が似かよっていても、その細部の形質が異なるのだから...
pale asymmetry | 2023.03.17 Fri 21:33
JUGEMテーマ:戯言 一人の夜はつらい。全ての事象を持て余してしまう。私は声を失って、言葉まで失いそうだ。身体の感覚の全てを失って、阿頼耶識に飲み込まれてしまいそうだ。くだらない妄想だと思うけれど、上手に拭い去ることが出来ない。むしろ積極的にその妄想に包み込まれたいとさえ思ってしまう。 あの人は今何をしているだろう。まだ仕事に追われているのかもしれない。あるいは疲れ果てて眠りに落ちているのかも。泥のようにたゆたう黒檀の眠りの底で、原始の生命のように渦巻いているのかも。それと...
pale asymmetry | 2023.03.16 Thu 21:18
JUGEMテーマ:戯言 フロアには小さな螺子が落ちている。私のネジかしら? と考えてみる。答えはもちろん出ないけれど、それなら私のネジだと考えるのが合理的だと思える。そん風に思えるのは頭痛のせいだ。痛みは重く、うねり、蹲り、濁らせる。きっとこのネジが私の身体のどこかから抜け落ちたせいだと思いたいのだ。 ネジは所々錆びを纏い、再び元の場所に納めることは出来そうにない。それが私の頭蓋骨の内側であろうと、私の心臓の左心房であろうと。あるいはそれが天使の頭蓋骨の内側であろうと、天使の...
pale asymmetry | 2023.03.15 Wed 21:04
JUGEMテーマ:戯言 君は薄紅色のドレスをひらめかせて軽快に踊る。しなやかに、しっとりと踊る。世界と対峙して、その全てを巻き取ろうとするように踊る。屋上で寛ぐ人たちの何人かが君を見つめている。君を見つめて何かを語り合っている。世界について語っているのだろうか。世界の滅びか、再生について語り合っているのかもしれない。 空は隅々まで鮮やかな青に染まりきっていて、陽光は鋭い。けれど北からの風もまた鋭く強く、両者のバランスは平衡することなく激しく鬩ぎ合っている。君はその風も巻き取る...
pale asymmetry | 2023.03.13 Mon 21:55
JUGEMテーマ:戯言 張り付く熱が、我を失わせてくれたら良いのにと思ったりするけれど、そうはならない。その熱は痛みとうねりと、過剰な覚醒しかくれない。それは私に形を与えてはくれない。私から形を奪ってもくれない。だから私は新たな形を得ることもなく、手持ちのそれがゆるやかに崩れていく様を見つめるしかないのだ。 形は必ず崩れるもの、重みは必ず壊れるもの、そして想いは必ず旅立っていくもの。幼い頃に誰かに教わったことだ。誰だっただろう。祖父母にだっただろうか。あるいは近所の賢者にだっ...
pale asymmetry | 2023.03.10 Fri 20:48
JUGEMテーマ:戯言 南風は何を運んでいるのだろう。風に吹かれながら考えてみる。そしてその答えに近づく前に、何故風が何かを運ぶと考えてしまうのだろう、と考えてしまう。いつの間にか、私のなかで風とは何かを運んでくるもの、そして何かを運んでいくもの、と考えるようになっていることに気づく。 風は流れているからそう思うのだろうか。流れていなければ成立しないから、そう思ってしまうのだろうか。例えば川だって流れるけれど、流れがなかったとしても、干上がっていたとしても川は川だ。でも風はそ...
pale asymmetry | 2023.03.09 Thu 19:03
JUGEMテーマ:戯言 鏡の前に立ち、鏡は何も写していないことに気づく。そこには私が写し取られているわけではなく、私のようなものが再構築されて固定されているだけだ。私によく似ているけれど、表裏が逆になっている。鏡は前後が逆になるはずなのに、そうはならずに表裏が逆転してしまったのは、きっとこの頃の晴天のせいかもしれない。 青空が得体の知れない陽の因子を私に運んでしまったために、こんな馬鹿げたことが起こってしまったのだ。鏡の前に立ち、私は笑ってみる。案の定、鏡の中の私は泣いている...
pale asymmetry | 2023.03.06 Mon 19:37
JUGEMテーマ:戯言 世界は確実に魔術化しているのだそうだ。でも私がそれを身近に感じることはない。どうしてなのだろう。私は魔術化する世界をもっと感じたいのに、その兆候は何処にあるのだろう。私の周囲では魔術化どころが現在の様式の固着が強まっているように感じられてならないのだ。私の周囲では、それを望んでいる人が圧倒的に多いような気がしてならないのだ。 そういう人たちは大抵知性を嫌っている。何に付け知性を否定する。あるいはこの世界を回転させるために、知性など必要ないのだと言いたい...
pale asymmetry | 2023.03.05 Sun 18:50
JUGEMテーマ:戯言 テレヴィジョンの中で、白い髪の少女が踊っている。それはとても奇妙な踊り。天上の何処かに捧げられる踊りのようだ。けれどそれが何処なのかを少女は知らない。それは誰も知らない。私だって知らない。それはまだ決められていないのだ。誰かがそれを決めなかればいけない。少女ではなく、私ではなく、もっと傷ついている誰かが。 少女は傷ついている。私だって傷ついている。でも少女は踊っている。私は寝そべってテレヴィジョンを見つめている。だからもっと傷ついている人が何処かにいる...
pale asymmetry | 2023.03.04 Sat 21:32
JUGEMテーマ:戯言 何も奪われていないのに、この喪失感は何だろう。にこやかに対話しているのに、悲しい気持ちになるのは何故だろう。そういう事象と正面から向き合わなければいけないのだろうか。そう思えたりもするけれど、私は向き合わない。それは私が怠け者だということもあるけれど、それだけではなくトポロジカルな現象のせいだと思えたりもする。 あなたは人間なのか? と面と向かって問い掛けてしまいそうになるけれど、お前こそ人間なのか? と問い返されると困ってしまうので、決して問い掛けた...
pale asymmetry | 2023.03.01 Wed 21:02
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