[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] 戯言のブログ記事をまとめ読み! 全1,434件の75ページ目 | JUGEMブログ

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戯言

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戯言
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like a black horse

JUGEMテーマ:戯言    矢のように疾走する黒い馬。稲妻を呼び寄せそうなその四肢の駆動。青年はその疾走と真っ直ぐに対峙する。長い刀を平正眼に構え、すなわち黒馬の勢いが上方から被さってくるのだと覚悟を決めて、しかし静かに落ち着いた呼吸を繰り返す。北からの風が強く、黒い馬が巻き上げる土が空気を染める。それが光を弾いて、ありふれた場所が異境に変わる。青年は長く息を吸い込む。彼の両脚の踵が僅かに浮上げる。両膝から腰にかけてが僅かに沈む。 「おう」  青年は叫んだ。成層圏の向こうまで届く...

pale asymmetry | 2022.10.03 Mon 20:59

blood spiral

JUGEMテーマ:戯言    血のことをそしられると、どうしようもなく怒り狂ってしまう。いや、ただ狂ってしまう。それは私が私の血を愛しているからではない。その逆で、私が私の血をどうしようもなく嫌悪しているからだ。強い雨が土を泥にしてしまうのと同じくらい嫌いなのだ。その上を歩けば、纏わり付くそれが私を重くして沈めてしまう。  沈んで溺死してしまえるのなら良いけれど、ただ沈むだけだから嫌らしい。  つまり私は自身の血をそしることを我慢しているのだろう。常に我慢しているのだろう。だから誰...

pale asymmetry | 2022.10.02 Sun 21:14

closed room and closed mind

JUGEMテーマ:戯言    窓のない部屋で、波を探す。とても微弱な波。その波紋を掬う。けれどそれは掬った途端に消えてしまう。崩れて消えてしまう。最初から存在しなかったかのように。私とはかけ離れた事象であったかのように。こことは別の次元で、別の私と戯れるために、この私を見限ってしまったかのように。  窓のない部屋で、渦の行方を想像する。それと相関する私の心持ちを、その色を空想する。それがどんなに現実的な質感を有していても、それは空想なのだから私はその色彩を舐めることが出来ない。少し悲...

pale asymmetry | 2022.09.27 Tue 22:01

autumnal equinox night

JUGEMテーマ:戯言    私はあなたを噛む。甘く噛む。あなたも私を噛む。同じように甘く噛む。私たちは甘く噛み合って、私たちという別の生き物になる。それは別の世界の宇宙の生き物で、私とあなたのことなんか知らない。でも私とあなたは私たちを来世の存在として、懐かしく思うのだ。  そんな話をあなたに囁いたら、あなたは少し考え込んでから「それは別の宇宙の世界である方が良い」と言った。「その方が、僕はその僕たちという生き物を愛でることが出来る」と付け加えた。 「別の宇宙の世界なんてつまらな...

pale asymmetry | 2022.09.23 Fri 21:46

Stand-alone thinking

JUGEMテーマ:戯言    立ち止まっている。空を見つめている。雲は流れていない。時間は凍り付いてはいない。雨は降ってはいない。風は吹いてはいない。僕は何もしてはいない。誰かが先を走っているかもしれない。でもその姿は見えない。見えない誰かを追いかけたりはしない。見えない誰かに追いつかれることを恐れたりもしない。どちらのためにも加速したりはしない。  立ち止まっていると、このまま永遠に速度を失ってしまうのではないか、などと考えてしまう。あるいは、歩き出す歩幅が半分くらいまで縮んでしま...

pale asymmetry | 2022.09.20 Tue 21:45

扉の向こうの秩序

JUGEMテーマ:戯言    待つことには慣れている。ただ待つことにフォーカスする。だから扉を前にして、それを開くことはしない。扉は常に私の目の前にあり、いつだって開かれる瞬間のために待機しているのだから、それが例えば凝固して開かなくなるということはない。だから今夜は閉じたままでも構わないのだ。  それでも、少し寂しくなる。それは開いた扉の向こう側、その風景が変化してしまうからだ。たった今開いた扉の向こう側、その風景はたった今しか存在しない。明日開けば、明日の風景にしか私は出会えない...

pale asymmetry | 2022.09.16 Fri 20:24

hem of rain

JUGEMテーマ:戯言    雨が降ったことに気づかなかった。音もなく、陰りもなく、匂いもなく、いつの間にか雨が降っていたらしい。どうして何も告げずに、雨は去ってしまったのだろう。東から吹く風には雨の余韻は織り込まれてはいない。私は玄関の鍵を閉め、歩き出す。日の当たる部分の道は、もうすっかり乾いている。街路樹の下の湿った落ち葉がなければ、雨が通り過ぎたことに気づかなかったかもしれない。少し寂しい。雨が私を誘わなかったことが。  猫のような犬のような影が、少し先を歩いている。その漆黒は...

pale asymmetry | 2022.09.12 Mon 21:07

pale full moon

JUGEMテーマ:戯言    窓を開けると、雲のスクリーンが淡く輝いている。夜は浮かびながら沈んでいるようだった。 「この世界にないものを欲しがることは、月に向かって手を伸ばすことと似ている」  あなたの言葉をふと思い出す。いつも落ち着いたトーンを纏ったあなたの声を思い出す。もう長く会っていないあなたの横顔を思い出す。どれも、鮮明に思い出す。 「決して手に入れることは出来ないし、決して触れることは出来ない。でも欲しがることを、手を伸ばすことをやめることなど出来ない」  あなたの...

pale asymmetry | 2022.09.10 Sat 21:19

flower vase

JUGEMテーマ:戯言    雨が降れば潤うはずだと思える。それは確かなことだと思える。そうはっきりと思えるということは、結局のところ私は花ではなく花器なのだと思う。それもかなり奇妙な花器だろう。例えば花を溺れさせるような。あるいは、花を弾き飛ばすような。弾き飛ばした上で、自らも溺れるような。  もちろんそれは、自らが内に蓄えていた水によってだ。それは淀んでいたかもしれないし、多くの不純物で逆に豊穣だったかもしれない。それにその不純物同士が思いもよらぬ化学反応で、新しい宇宙を膨張させ...

pale asymmetry | 2022.09.07 Wed 21:16

illusion of the wind

JUGEMテーマ:戯言    この風はどこから来たのか。どこで生まれたのか。どこへ向かっているのか。そういうくだらないことを考えながら時間を食い潰す。意味もなく空回りしている自分を感じているけれど、その感覚があまりにも希薄で、世界に触れているかどうかが怪しくなったりする。 「まあ、そういうときもあるよ」  あなたは笑う。どこか微妙な感じで。あなたは知っているのかもしれないと思ってしまう。この風が何者なのかを。どんな使命を有しているのかを。如何なる宿命を背負っているのかも。それを問う...

pale asymmetry | 2022.09.04 Sun 21:26

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