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JUGEMテーマ:戯言 ふかふかのアルマジロを抱きしめる。胸元にしっかりと。仄かに暖かい。その熱は、たぶんコイルを閉じ込めた水晶だ。コイルが振動して水晶が貴婦人の熱を放つのだ。清楚な表層とは裏腹の、淫らな熱。けれどそれは愛情に満ちていたりする。だからこそ、生命は悠久の船として大海を転がっていくのだろう。決して滑ることなく、決して羽ばたくことなく、ある意味ひどく退屈な旅として転がっていくのだろう。 今夜はとても寒い。アルマジロの熱だけでは凍えてしまいそうだ。これはもうドラゴンに...
pale asymmetry | 2020.11.30 Mon 21:22
JUGEMテーマ:戯言 私のコードは全て解析された。でも、私の全てが解析されたわけではない。そのコードがどんな意味を有しているのか、何をどんな現象として記述しているのかは、まだ全てが解っていない。不十分なのだ。私はだから、探求しなければいけないのだろう。そのコードの意味を。私が言葉を発し、誰かの発した言葉と比較することによって。 場合によっては融合させることによって。あるいは、背反させることによって。 空は黄昏の色と灰色が入り交じっている。その色に雲が染まっている。その色...
pale asymmetry | 2020.11.26 Thu 21:05
JUGEMテーマ:戯言 いつの間にか回転している。気がつけば回転してしまっている。どうしようもなく、回転を纏って回転している。回転に回転が重なり、その渦が一人歩きをして、私を観測しようとする。観測者は私であるはずなのに、その渦が私を対象に貶めようとする。いや、逆だろうか。その渦は自身を貶め、私を崇め奉ろうとしているのかもしれない。 回転が止まらない限り、私はそれから逃れることは出来ない。 ところでこの回転とは何か。私のどこがどんな風に回転しているというのか。これを説明する...
pale asymmetry | 2020.11.22 Sun 20:54
JUGEMテーマ:戯言 鋭い陽光は、日向と日陰の境界線をくっきりと描いていた。ような気がする。そんなような記憶がある。確かではない。私はそのとき覚醒を完全に構築出来てはいなかったので、その風景が本当に私と同じ時空に存在していたのか、今一つ自信が持てない。あるいはそれは、時空の僅かな裂け目から垣間見た並行世界の風景だったかもしれない。 数人の人々が、日陰に腰掛けていた。別の数人の人々は日向で寝転んでいた。風は東から吹いていた。それは太陽の方向からだった。けれどその風は冷たく、陽...
pale asymmetry | 2020.11.17 Tue 21:01
JUGEMテーマ:戯言 空の鱗は固定されていて動かない。動いているのはそのすぐ下の城の群だけだ。いや、逆だろうか。動いているのは鱗の方で、城の群が動いていないのかも。どちらかが動いていてどちらかが止まっているはずなのだけど、地面にいるちっぽけな私からはその相対性の真相を見抜くことなど出来ない。あるいは速度差があるだけで、どちらも動いているのかもしれない。水も動いているのかもしれない。土も動いているのかもしれない。虫も動いているのかもしれない。葉っぱも動いているのかもしれない。私も...
pale asymmetry | 2020.11.14 Sat 20:48
JUGEMテーマ:戯言 私は空転している。淡青色の空を見つめながら、空転している。空が淡青色なのは、陽光が重すぎるからだ。あまりにも重いそれが猛烈なスピードで加減速を繰り返しながら空を分解していたので、青はどんどんと削り取られていき、どんどんと希薄に洗練されていってしまったのだ。気持ちを煩っている王国の姫君のように。 私は空転している。実際に身体をクルクルと回転させながら、空転している。それは出来損ないの旋回舞踏で、もちろん私は舞踏なんて知らないから、世界は私が踊っているとは...
pale asymmetry | 2020.11.06 Fri 21:26
JUGEMテーマ:戯言 アラームが鳴る。それが私を日常から乖離させる。特別な日であることをアラームが告げる。特別な普通の日であると。どれだけの人がそのことに気づいただろう。アラームは詳細を説明しない。アラームは不親切だ。特別な普通の意味を、その輪郭さえ提示しようとしない。166年前の事象を。 波と炎が、大波と献身の炎が、鬩ぎ合い昇華された事象を。 そういうこともあるのだと、私は知った。知ったからといって、世界が展開するわけではない。心が揺り動かされるわけでも、涙を零すわけで...
pale asymmetry | 2020.11.05 Thu 18:51
JUGEMテーマ:戯言 「さよなら」 とあなたは言ったのに、私に顔を向けたまま歩き出そうとはしない。前にも後ろにも。北にも南にも。私はもちろん歩き出さない。だって私は「さよなら」とは口にしていないから。そのつもりもないから。去るのはあなただけで、私は立ち止まったままだ。立ち止まったままだということは、世界はどんどんと私から遠ざかっていくということ。赤の女王が言っていたように。 「さよなら」 とあなたはまた言って、微笑む。なんだか複雑な微笑み。世界に追いつくために、世界と並...
pale asymmetry | 2020.11.02 Mon 19:51
JUGEMテーマ:戯言 息を吸い、息を吐く。今日はそれだけ。大きく息を吸い、大きく息を吐く。それだけしか出来ない。思いっきり息を吸い、思いっきり息を吐く。それで満足できる。疲れているわけではないけれど、大きく翻ることも出来ない。そういう流れを纏ってしまう日って、あるでしょう? 誰にだって。 嫌なわけじゃない。どちらかと言えば気に入ってたりする。そういう流れと、それに流される自分のこと。 砂浜を歩いていたら、小さな手のような珊瑚を見つけた。短い五本指とか細い腕の形をしている...
pale asymmetry | 2020.11.01 Sun 21:49
JUGEMテーマ:戯言 早朝にビーチを散歩していたら、砂の上に牙が落ちていた。正確には牙のようなものが堕ちていた。形は牙そっくりで、といってもその持ち主によって牙の形は様々なのだろうけれど、何というか、たぶん一般的に牙と言われてイメージするような形で、大きさは私の手と同じくらい。だからこれが本当に牙ならばかなり大型の獣のものだろう。 形はそんな感じだったけれど、質感は水晶のようだった。だから、やっぱり牙ではないかもしれない。あるいは、ユニコーンやグリフォンのような想像上の獣の...
pale asymmetry | 2020.10.31 Sat 21:17
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