[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] 戯言のブログ記事をまとめ読み! 全1,423件の76ページ目 | JUGEMブログ

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戯言

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戯言
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from doll to doll

JUGEMテーマ:戯言    少女は、血の涙を流していた。綺麗な真紅の涙だった。真なる紅であったがために、その血は黄金のように輝いて見えた。それでも血は血だ。少女の纏った水色のドレスにその血が滴る。ドレスはそれがどんなに紋様めいた滴りであったとしても、汚されていることに違いない。それは少女の身体が穢されていることと同じだった。  西の窓は大きく開け放たれていて、琥珀の陽光が斜めに侵入する。その光には浄化の作用はなく、部屋の空気は狂気に満ちあふれたままだ。西風は部屋を訪れるとすぐさま沈...

pale asymmetry | 2022.07.22 Fri 20:08

In side and inner side

JUGEMテーマ:戯言    なんだかもう、いろんなものに惑わされている気がする。鋭利な陽光に、波打つ水に、急加速する槍に、そして内臓を晒すような南風にも。私は西も東も上も下も、過去も未来も好きも嫌いもよく解らなくなって、何か得体の知れないものにすべてを委ねてしまいそうになってしまう。  私は惑わされたいと思っているのだろうか。それとも惑わされなければといけないと、奥底の方で感づいているのだろうか。あるいは惑わされている自分を感じて、その自分へと傾こうとしているのだろうか。何にしても...

pale asymmetry | 2022.07.20 Wed 21:24

Search the heart

JUGEMテーマ:戯言    わたしたちは、コードの存在しない螺旋の中にコードを探さなければいけない。わたしたちは、その螺旋が形成する織物のうちからコードを読み取らなければいけない。存在しないコードだから、それはもちろん読み取れないのだけれど、それでもわたしたちは何もないそこからコードを読み解かなければいけないのだ。  そんなことは絵空事だと、あなたたちは笑うだろうか。でもまさに絵空の事象だからこそ、それには実際にはない綺麗さが確かに描かれていて、それこそがコードを掬い上げるためのキ...

pale asymmetry | 2022.07.08 Fri 21:04

Waves in the mirror

JUGEMテーマ:戯言    波打ち際に鏡を置く。それは波に掠われたりしない。鏡の裏に呪いが刻んであるから。『カナミカナン』と小さく刻んであるから。その呪い言葉にどんな意味があるのか私は知らない。知ってしまえば、呪いの力は失われてしまうのだ。だから誰もその意味を知らない。人だけでなくこの惑星のあらゆる生命体も、その意味を知らない。生命体だけでなく、この惑星のあらゆる事象もその意味を知らない。  それならば、意味などないのかもしれない。  それならば、意味を有するものなどこの世界には...

pale asymmetry | 2022.07.05 Tue 21:30

Touch the next door

JUGEMテーマ:戯言    大切な物語が失われたのは、私が怠惰なせいだ。けれどその物語は風だったのかもしれない。水だったのかもしれない。熱だったのかもしれない。つまりそもそも定着する事象ではなかったのかも。いや、これは言い訳だろうか。多分そうだろう。怠惰な私が、その本質を変えることを拒んでいるのだ。まあ、拒まなかったとしても本質を変えることなど出来ないけれど。  それでも一瞬の混乱のあとに、再びのんびりと漂泊したりしているのは、やっぱり定着しない事象たちを無理矢理に閉じ込めてはいけ...

pale asymmetry | 2022.06.28 Tue 21:48

Impure power outage

JUGEMテーマ:戯言    渦を巻いて吸い込まれていく水を眺めている。これが湖だったら面白いのにな、とか考えながら。どこかから紛れ込んできた銀色の猫が、私の右の踝に何度も纏わり付いて、最終的に右足の甲を床に釘づけるように丸まった。いや、丸まったのだからそれは釘ではなく螺子なのかもしれない。  すべての水が流れてしまったら、栓をしてまた水を溜める。溜まったら栓を抜き、また渦を眺める。それを繰り返し、旅をしている気分になる。水がどこに流れていくのかを私は知っている。水は最後には海に行き...

pale asymmetry | 2022.06.19 Sun 21:36

Rhombus memory

JUGEMテーマ:戯言   「菱は四角ではなく三角なんだ」  そうあの人は教えてくれた。濡れそぼった南風が強く吹いていた午後だったはず。私もすっかり濡れそぼっていた。私の髪も、私の耳たぶも、私のこめかみも、私の鎖骨も、私の臍も、そして私の芯も、すべて溺れかけていた。 「菱の果実のトゲは、結界を破るためにあるんだよ」  あの人はそう言いながら、私の耳たぶを噛んだ。あの人の息が私のうなじで跳ね、小さな旋風が私を火照らせた。太陽は鋭利な嘲笑を私に向けていて、それがはっきりと解ったから、...

pale asymmetry | 2022.06.14 Tue 22:11

キツトナハ

JUGEMテーマ:戯言    倒れてしまえるほどの暇がない。病んでしまえるほどの暇がない。沈んでしまえるほどの暇もない。さりとて全力で駆けているのかと問われれば、もちろんそんなことはない。私はのろのろと重い身体を引き摺りながら歩いているのだ。傘をさせば雨に濡れる。うつむく地面から月光を浴びる。言葉を吐こうと口を開けば、中からは花が溢れ出す。息苦しくて花を吐く。  跪こうと力を抜けども、前へ前へと両脚が勝手に回転していく。いや、それは私の身体の意思なのだ。でも私の心は遅れている。時間が...

pale asymmetry | 2022.06.07 Tue 22:04

クリームソーダに紐付ける

JUGEMテーマ:戯言    雨は好きだ。ただし、真っ直ぐに落ちてくる雨に限定される。無風か、ごく微かな風の日の雨で、どちらかというと大粒の感じ、それが真っ直ぐに降る雨は、私の気持ちを癒やしてくれる。だからそういう雨が好きだ。でも風が強い日、その風が北西または南西だったりするような日の雨は、意地悪く斜めに降る。それは突き刺さるように降る。だから嫌いだ。  冬の北西雨は、硬質で鋭利だから嫌いだ。夏の南西雨は気味悪くねちっこいから嫌いだ。斜めに降る雨は、本来の雨が持つ気品を失っていると思...

pale asymmetry | 2022.05.31 Tue 21:57

Incomplete color

JUGEMテーマ:戯言    目を閉じても雨が降っている。そういう色が闇の中に混じり滲んでいる。本当の雨はとても細かな粒子で、傘を叩く音も、その表層を撫でる音も聞こえはしない。ごく微かな気配を感じるだけだ。でも私の闇には雨の色が織り込まれている。それは痛みを伴わない流血のように、私から重要な事象を奪っているような気がする。でも痛みがないから、どこから何が奪われているのか私には解らない。  風がないので、雨は舞い踊ることもない。それなのに微かな質量しか有しないから、その雫は不可思議な落...

pale asymmetry | 2022.05.24 Tue 21:52

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